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韓国語の「あいさつ言葉」

韓国語で「ありがとう」10選+2、使い分けと発音のコツ徹底解説[音声付き]

投稿日:2023年2月8日 | 最終更新日:2024年3月4日

韓国語の「ありがとう」の表現をまとめました。韓国語には「ありがとう」の表現がふたつあります。そして、それぞれに、丁寧な言い方、友達と話す時の言い方があるので、上手な使い分けが必要となります。
また、せっかくなら韓国人に通じる発音で「感謝の気持ち」を伝えたいですよね。ネイティブっぽく発音するコツもお教えいたします。

目次 ▼

1 基本の「ありがとうございます」は「カムサハムニダ(감사합니다)」


代表的なお礼の言葉です。まずは「カムサハムニダ」を覚えて使ってみましょう。
「カムサ」は漢字語「感謝」のハングル読みです。「カムサハムニダ」は直訳すると「感謝します」となります。
お店やレストランの店員さんも基本は「カムサハムニダ」です。韓国へ行くと「カムサハムニダ」という表現を聞く機会がたくさんあるはずです。

公式の場で「大変~」と強調して「テダニカムサハムニダ(대단히 감사합니다)」

「大変ありがとうございます」という意味です。公式の場でよく使われる言い方です。「テダニ」は「大変/とても」という意味ですが、他の言葉の前にはほとんどつきません。「テダニ」と言えば「カムサハムニダ」というくらいセットです。

心からの感謝を込めて「チョンマルカムサハムニダ(정말 감사합니다)」

「本当にありがとうございます」
韓国語には「本当」と意味する言葉が「チンチャ」と「チョンマル」、ふたつありますが、改まった場面では「チョンマル」を使います。
韓国語で「本当に~」「とても~」と言いたい時は

目上の人には「カムサドゥリムニダ(김사드립니다)」

「ドゥリムニダ(드립니다)」が「差し上げる」という謙譲語です。ですので、直訳すると「感謝差し上げる」となります。かしこまった場面、式典等での挨拶で使う形式です。日常会話で使うことはほとんどありませんが、ドラマなどでは出て来ますので、聞いて理解できる程度に頭に入れておいてください。

日常の丁寧表現は「カムサへヨ(감사해요)」

しかし「カムサ」という単語は元々漢字の言葉なので硬いニュアンスです。そこにくだけた丁寧形の「ヘヨ(해요)」をつけるのはちょっとバランス悪いので、「カムサへヨ」はあまり使いません。

韓国語の丁寧形には「~ニダ」で終わるフォーマルな丁寧形と、「~ヨ」で終わる日常会話の丁寧形があります。それぞれ「ニダ体」「ヨ体」と言います。日本では「ハムニダ体」「へヨ体」と言うこともあります。

韓国語の丁寧形の詳細についてはこちらを参照してください。
韓国語の2つのタイプの丁寧形について

「~くださってありがとうございます」「~ジュショソカムサハムニダ(~주셔서 감사합니다)」

よく使われる文型です。例えば「来てくださってありがとうございます」は「ワジュショソカムサハムニダ(와주셔서 감사합니다)」、「紹介してくださってありがとうございます」なら「ソゲへジュショソカムサハムニダ(소개해주셔서 감사합니다)」となります。
「ワ」が「来て」、「ソゲへ」が「紹介して」になります。「ソゲ(소개)」は漢字語「紹介」のハングル読みです。
そして日本語では「~て」の形で「ありがとう」に接続しますが、韓国語でも、日本語の「~て」に当たる「~아/어서」で接続しています。文の構造は日本語とまったく同じです。
また、日本語では「~てくださって」だけでなく「~ていただいて」という表現もありますが、韓国語には日本語の「~いただく」に当たる表現がありません。「~てくれる」「~てくださる」だけですので、いつでも「~ジュショソ」を使います。

2 親近感のある「ありがとうございます」は「コマプスムニダ(고맙습니다)」

ふたつの「ありがとう」ニュアンスの違い

「カムサハムニダ」は「感謝します」という漢字語ですが、「コマプスムニダ」は韓国の固有語です。漢字の言葉ではありません。
日本語でも、漢字語は書き言葉的で硬いニュアンス、和語は話し言葉的でやわらかいニュアンスがありますが、韓国語も同じです。漢字語は硬いニュアンスです。

ですので、公式の場やビジネスの場面、あるいは初対面でまだ親しんでいない関係の時は漢字語の「感謝します/感謝いたします」を使い、慣れ親しんだ近い関係の人にはソフトな表現の「ありがとう」を使う、そんな感じです。

親密度の関係なので、目上の人に使う時でも近い関係の人には「コマプスムニダ」を使います。

日常会話では「コマウォヨ(고마워요)」

日常の丁寧なお礼の言葉は「コマウォヨ」です。一番よく使われる「ありがとう」の挨拶表現です。
しかし、初対面の時や距離感のある人には使いません。また、目上だけど近い関係の人なら「コマプスムニダ」を使います。
「コマウォヨ」は日本語のカタカナ発音でも通じます。発音は簡単です。

『パンマル(タメ口)』は「コマウォ(고마워)」

友達同士や目下に対して、日常、一番よく使われるお礼の言葉です。
「スムニダ」や「ヨ」が丁寧の意味です。日本語の「です・ます」に当たります。

辞書の形は「コマプタ(고맙다)」

日本語に訳すと「ありがたい」になります。独り言や独話でよく使います。「本当にありがたい」「チンチャ コマプタ(진짜 고밥다)」、これもよく使われるフレーズです。

韓国語の「本当に」は「チンチャ」と「チョンマル」ふたつありますが、友達と話す時のくだけた会話では「チンチャ」を使います。

「~くださっててありがとうございます」「~ジュショソコマプスムニダ(~주셔서 고맙습니다)」

「~ジュショソカムサハムニダ」同様、よく使われる文型です。「カムサハムニダ」の所と同じ例文になりますが、「来てくださってありがとうございます」は「ワジュショソコマプスムニダ(와주셔서 고맙습니다)」、「紹介してくださってありがとうございます」なら「ソゲへジュショソコマプスムニダ(소개해주셔서 고맙습니다)」となります。
「コマプスムニダ(고맙습니다)」は「コマウォヨ(고마워요)」「コマウォ(고마워)」の形で使うこともできます。人間関係によって使い分けます。

3 若者たちは簡単に「サンキュー(땡큐)」


日本人も言いますよね。英語の「サンキュー(Thank you)」は世界的に使われている言葉ですね。

SNSでは超短縮で「ㄱ ㅅ」

ラインやカカオトークでは、「감사」の「감」の最初の子音「ㄱ」と、「사」の子音「ㅅ」をつなげて「ㄱ ㅅ」です。韓国人はカカオトークですけど。

他にもたくさんの超短縮形があります。
若者たちのSNSでの超短縮形をまとめてご紹介!

4「ありがとう」の代わりに使う言葉

韓国では、家族の間で、改まった挨拶の言葉やお礼の言葉を使いませんし、また、上下関係の差が大きい場合、目上の人が目下の人に対してはお礼の言葉を使わず、「ご苦労」などの労いの言葉を使うことが多いです。

目上の人は目下に対して「チャレッソ(잘 했어)/チャレッタ(잘 했다)」を使うことがある

チャレッソ(잘 했어)

チャレッタ(잘 했다)

直訳すると「よくやった」という意味です。お礼の言葉ではありません。目下の人が「最善の方法は無理だったので次善の策で対応しました」と言われた時などに使う言葉です。
日本でも「ありがとう」というほどではない時、「助かるよ」とか「すまん、すまん」とか言いますが、その感覚に近いかと思います。
韓国ドラマでも、時々出てきます。覚えておくといいと思います。

5 「どういたしまして」は「チョンマネヨ(천만에요)」


「チョンマネヨ」は漢字の言葉で「千万です」という意味です。
でも、あまり使いません。日本人も「どういたしまして」はあまり使いませんよね。

「いいえ/いえいえ」の意味で「アニエヨ(아니에요)」


日本人も「どういたしまして」と言わないで、簡単に「いいえ」とか「いえいえ」とか言いますが、韓国人も同じです。「アニエヨ」は「いいえ」の意味ですが、「チョンマネヨ」の代わりに使います。

6 発音のコツ

カタカナ読みでは韓国人に通じません。しかし、いくつかのコツをつかめばネイティブに近い発音で言えるようになります。

ポイントは子音だけの音の発音

韓国語には子音だけの音〔韓国語ではバッチムと言います〕がありますが、その発音がうまくできないと別の言葉になってしまいまったく通じなくなります。子音だけの音を上手に発音できるようにするのがポイントです。

「カムサ」の「ム」は「M」

「Mu」としないでください。「ム」は口をつぐむだけです。簡単に言うと「カムブリア宮殿」の「ム」です。「カムブリア」では「ム」で口をつぐんでいませんか。
ですので、まず「カムブリア」と言おうとして「カム」で止めて「サ」をつけてください。

「ハムニダ」の「ム」も「M」

口をつぐむだけです。「ハMニダ」です。「M」で口をつぐんで「ニダ」と続けるのですが、口をつぐんでから「ニ」を発音するには唇と舌をかなり頑張って動かさなければなりません。実際そんなに早く動きません。

「ハムニダ」の「ニ」の音はほとんど消える

ゆっくり話すと「ニ」が出ますが、普通の速度の会話では「ニ」はほとんど消えます。また「ハムニダ」は単独では「ハムニダ」ですが、前に「カムサ」がつくと

「ハムニダ」の実際の発音は「アムミダ」

「ハムニダ」の「ハ」の h音は、普通の速度の会話ではほとんど消えます。ですので「アムミダ」で大丈夫です。
「アM」で、口をつぐんで、その状態で「ミダ」です。「ミ」ははっきり発音する必要はありません。「アムミダ」の「ム」は、うしろに「ミ」という口をつぐむ発音が続くので自動的に口をつぐみます。「アムミダ」の「ム」、口をつぐんでいますよね。

まとめると「カMサアムミダ」

まず「カムブリア」と言おうとして「カム」で止めて「サアムミダ」をつけてください。
「ハムミダ」でも大丈夫です。「カム」で止めてすぐに「サアムミダ」、このフレーズで覚えてしまいましょう。

※「カムブリア宮殿」の正しい表記は「カンブリア宮殿」です。「ム」の発音をわかりやすく説明するために「ム」で表記しましたが正しくは「カンブリア宮殿」です。「ン」で表記するのが正しい日本語です。

「ドゥリムニダ」も「ドゥリムミダ」

「ム」で口をつぐんで「ミダ」と発音するとネイティブ発音に近くなります。「ドゥリムミダ」と発音しましょう。

「コマプスムニダ」の「プ」は「P」

「コマプタ」も同様です。子音だけの音です。発音は「コマPスMミダ」「コマPタ」です。「P」も「M」も口をつぐむだけです。
まず「コマッピー」と言おうとして、途中の「コマッ」で止めて「スムミダ」、あるいは「タ」と続けます。「スムミダ」は「ム」で口をつぐんで「ミダ」です。
「コマP」のあとに「スムミダ」を続けると「P」の音が少し出ます。この時「Pu」にならないようにしましょう。そして「P」に続く「ス」は「ッス」のようになります。

「コマPタ」も同じです。「P」の音が少し出て「ッタ」が続きます。

「コマPタ」は、日本人には「コマッタ」と聞こえる人が多いみたいですが、日本人が「コマッタ」と発音しても通じません。「コマPタ」です。

ネイティブっぽく話すコツは普通の速度で話すこと

ゆっくりすぎてはいけません。

抑揚をつけないこと

ちょっと低めの声で話すと抑揚がつきにくいです。ドスが利かない程度に低くです。
ぜひ、韓国人に使ってみてください。

7 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。

音声で聞いて、耳から覚えてしまうのが効果的です。そうすれば、韓国行っても使えますし、ドラマでも聞き取れるようになります。

他にも挨拶表現たくさんあります。一緒に見ておいてください。そして、韓国へ行った時に使ってみてください。通じると楽しいですし、ドラマを見て聞き取れると楽しいですよね。
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監修者

監修者の写真

<出身大学>

新丘大学家庭教育学部

<略歴>

ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

監修者の写真

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)

韓国語教室ハングルちゃん代表

<資格>

通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)

<出身大学>

京都大学農学部卒業

<略歴>

東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。