韓国語「パッチム」読み方と発音のコツを徹底解説!

目次
- ○ 1 バッチムとは
- ・☆ 日本語にも子音だけの音があります。
- ○ 2 日本語の「ん」の発音について
- ・➀ m の音になる時
- ・➁ n の音になる時
- ・➂ ng の音になる時
- ・④ 「 m が ㅁ 」「 n が ㄴ 」「 ng が ㅇ 」 のパッチムの音です。
- ○ 3 パッチムには7つの型があります。
- ・① M型「ㅁ」
- ・② P型「ㅂ」
- ・③ NG型「ㅇ」
- ・④ K型「ㄱ ㅋ ㄲ」
- ・⑤ N型「ㄴ」
- ・⑥ L型「ㄹ」
- ・⑦ T型(TSJH型)「ㄷ ㅌ ㅅ ㅆ ㅈ ㅊ ㅎ」
- ○ 4 まとめ
- ・☆ 順番に発音してみましょう。
- ・☆ 単語で練習しましょう。
- ・ひとつの文字にパッチムがふたつあることがあります。
- ○ 5 YouTubeで「バッチム」について、詳しく解説しています。
- ○ 6 バッチムの次は「合成母音」です。
1 バッチムとは
パッチムというのは、子音だけの音です。パッチムという言葉は、下に敷くという意味で、ハングルでは、子音だけの音は、文字の下のほうに書くからパッチムと言います。パッチムは、これまで見てきた『子音+母音』の形の下に書きます。
例) 하 + ㄴ ⇒ 한
그 + ㄹ ⇒ 글
日本語の音は基本的に、子音だけの音がなく、必ず『子音+母音』となりますよね。パッチムは、日本人にとって、発音の難しいもののひとつです。
☆ 日本語にも子音だけの音があります。
日本語の音は全て「子音+母音」で、「子音だけの音はない」と言われていますが、実は「子音だけの音」がいくつかあります。たとえば「ん」の音、これは子音だけの音です。あるいは「タクシー」という時の「ク」、「ku」と「u」の母音発音していません。あるいは、「です・ます」の「す」も標準語では子音だけの「s」になっています。(大阪の人は「いきまsu~」と発音しますが)
日本語にも「子音だけの音」がありますから、まず、日本語の「子音だけの音」を、確認しましょう。そして、普段、無意識に発音している、その「子音だけの音」を、意識して発音できるように練習しましょう。
2 日本語の「ん」の発音について
日本語の「ん」は、音としては、みっつあるのを、ご存知でしたか? アルファベットで表記すると、
m と n と ng です。「ん」のあとにどんな音が来るかで「ん」の音は変わります。
➀ m の音になる時
「ん」のあとに「まみむめも」「ばびぶべぼ」が来ると、「ん」は「m」になります。たとえば、「新橋」の「ん」、「ん」を発音する時は口をつぐんでいますよね。「ば」と発音をする準備をするため、口をつぐんで「しmばし」です。「しnばし」ではありません。そのため、この頃は、「しんばし」を「shimbashi」と発音通りに表記しています。
➁ n の音になる時
「ん」のあとに「さしすせそ」などが来ると「n」です。たとえば「紳士」、「ん」は、「n」です。「ん」の時は、舌が上あごの歯の付け根、歯茎のあたりにありますね。「し」を発音する準備で「しnし」ですよね。
➂ ng の音になる時
「ん」のあとに、「あいうえお」とか「やゆよ」などが来ると、「ん」は「ng」になります。たとえば、「深夜」。「ん」はのどを使って(のどを鳴らして)「ng」ですね。次の「や」を発音する準備で「しngや」ですね。
④ 「 m が ㅁ 」「 n が ㄴ 」「 ng が ㅇ 」 のパッチムの音です。
日本語では、表記は「ん」ひとつですが、音は「m」だったり「n」だったり「ng」だったりします。
そのうちの「m」が「ㅁ」、「n」が「ㄴ」、「ng」が「ㅇ」です。このみっつは、実は、日本語でも使っているので、音としては難しくないはずです。
3 パッチムには7つの型があります。
① M型「ㅁ」
② P型「ㅂ ㅍ」
③ NG型「ㅇ」
④ K型「ㄱ ㅋ ㄲ」
⑤ N型「ㄴ」
⑥ L型「ㄹ」
⑦ T型(TSJH型)「ㄷ ㅌ ㅅ ㅆ ㅈ ㅊ ㅎ 」
それぞれの型の中に、子音がいくつかある場合がありますが、パッチムとしては全て同じ音になります。たとえば、K型「ㄱ ㅋ ㄲ」のみっつは、パッチムとして「악」「앜」「앆」となった時、みっつは同じ発音になります。
(後ろに続く言葉によっては連音化して、それぞれ元の音になることもあります)
① M型「ㅁ」
ただ口をつぐむだけ、無理に音は出さなくていいです。あえて言えば口を閉じて「m~」でしょうか。
では、まず、「김포」と言ってみましょう。ソウル金浦空港のキンポです。「기」と言ってから口をつぐんで「김」、そして「포」と言います。日本人が普通にキンポと言えば、「김포」です。これは難しくありません。
つぎに、「김포」の「김」まで言って、口を閉じた状態で止めて「치」と言ってください。これで「김치」、キムチです。韓国語では、「キムチ」ではなく「キmチ」です。「m」で口をつぐんだままです。ここで、日本語の発音に引きずられないように注意してください。口の形が大事です。
では、単語で練習しましょう。
1 곰 熊
2 사람 人
3 아침 朝
4 소금 塩
5 점심 昼食
② P型「ㅂ」
P型もM型と同じです。口をつぐむだけです。口をつぐんで「p」です。無理に音を出す必要はありません。「葉っぱ」を「はっ」までで止めれば「합」です。
P型とM型は、どちらも口を閉じるパッチム、同じタイプです。
単語で練習しましょう。
1 입 口
2 집 家
3 밥 ごはん
4 수업 授業
5 사립 私立
6 앞 前
7 잎 葉・葉っぱ
③ NG型「ㅇ」
深夜を、「しん」まで発音して止めた状態が、「싱」でしたね。のどを止めたところで、「イン」のような音が少し出ると思います。では、次に、日本語で「かんよう(慣用)」と言う時の「かん(慣)」で止めてください。しっかり、のどで「ng」を出して、そのあと「아지」をつけてください。これで「강아지」、小犬の意味です。
これらも単語で練習してみましょう。
1 사랑 愛
2 고양이 猫
3 비행기 飛行機
4 동생 弟・妹
5 명동 明洞
④ K型「ㄱ ㅋ ㄲ」
「はっきり」を、「はっ」まで発音して止めた状態が、「학」です。「학」は、鶴という意味です。のどを詰めたような状態がわかりますでしょうか? 「やっきょく(薬局)」を「やっ」で止めると、「약」、薬という意味の単語です。止めることが大切で、無理に音は出す必要はありません。
K型はNG型と同じで、のどを使う、同じタイプのパッチムです。
では、単語で練習してみましょう
1 떡 もち
2 수박 すいか
3 추석 秋夕・お盆
4 부엌 台所
5 밖 外
⑤ N型「ㄴ」
「さんじ(3時)」と言う時の「さん」で止めると「산」。山という意味の単語です。舌を歯の付け根あたりにつけることが大切です。
単語で練習してみましょう。
1 돈 お金
2 언니 妹からみて姉
3 시간 時間
4 반지 指輪
5 인천 仁川(インチョン)
⑥ L型「ㄹ」
舌を、歯の付け根、歯と歯茎の間くらいにつけてください。そして、そこで止めてください。その状態を、カタカナで表記するのが難しいので「ℓ」で表します。「ℓ」は舌を歯の付け根につけて、そこで止めた状態です。
「일」を発音してみましょう。1とか仕事という意味です。まず、「イ」と言ったあと、舌を歯の付け根につけてください。それでおしまいです。微妙に「ル」の音が出れば合格です。無理に大きい音を出そうとしなくていいです。L型は、舌を歯の付け根につける、ということを意識してください。
単語で練習してみましょう。
1 일 一、仕事
2 물 水
3 날씨 天気
4 갈비 カルビ・あばら
5 서울 ソウル
6 지하철 地下鉄
⑦ T型(TSJH型)「ㄷ ㅌ ㅅ ㅆ ㅈ ㅊ ㅎ」
この型のパッチムは、たくさんありますが、パッチムとなった時の音は、すべて同じです。N型L型と同じく、舌を歯の付け根につけます。勢いよくつけるだけです。「はったり」を「はっ」までで止めたら「핫」です。「핟」でも「핮」でも発音は同じです。「はったり」の「はっ」です。
パッチムの時の舌の位置は、N型とL型とT型、すべて同じです。みっつのパッチムは同じタイプです。
単語で練習してみましょう。
1 곧 すぐ
2 끝 終わり
3 옷 服
4 이것 これ
5 맛 味
6 낮 昼
7 꽃 花
4 まとめ
韓国語のパッチム(子音だけの音)は、英語と違って、音を大きく出す必要はありません。たとえば、英語のKick(キック)のクは、子音だけの音で、Kの音をはっきり出しますよね。しかし、킥 では、パッチム「ㄱ」は、音は出ません。パッチムは、舌の位置や口の形、そして喉が重要です。形ができていれば、音は自然に出て来ます。音を出すことは忘れて、みっつの形に意識を集中してください。
☆ 順番に発音してみましょう。
まず、이にパッチムをつけて、
임 입 잉 익 인 일 잇
次に、하につけて、順に、
함 합 항 학 한 할 핫
くり返し、何度も練習してみてください。
☆ 単語で練習しましょう。
パッチムのある文字が2つ以上ある単語です。
1 한글 ハングル
2 한국 韓国
3 일본 日本
4 연필 鉛筆
5 강남 江南
6 김밥 のり巻
7 설탕 砂糖
8 정말 本当
9 단맛 甘い味
ひとつの文字にパッチムがふたつあることがあります。
「二重パッチム」と言います。「バッチム」はどちらかひとつを読みます。どちらを読むかは、決まっています。
「二重パッチム」の単語は限られているので、出てきた時に、その都度読み方を覚えてしまうのが効果的です。
⇒「二重パッチム」へ
5 YouTubeで「バッチム」について、詳しく解説しています。
「バッチム」の音を聞きながら、コツをつかんでいきましょう。