韓国語での恋人の呼び方
韓国語で人の名前をどう呼ぶのか、恋人同士がお互いをどう呼んでいるのか、気になりますよね。名前の呼び方がわかると、ドラマや映画を見る時にも、それだけで人間関係がわかりますし、名前の部分は聞き取りができるようになります。
韓国語での人の呼び方の特徴は、ひとつは儒教の影響が大きいことです。年齢が上か下か、男性か女性かで呼び方がかわります。そしてもうひとつは、名前の最後が子音か母音かで呼び方が変わることです。このふたつが、日本と大きく違うポイントになります。
ここでは、恋人同士の呼び方だけでなく、人の呼び方、名前の呼び方をまとめました。
目次 ▼
- ○ 1 韓国は上下関係が厳しい?
- ・自分より年上の人を名前で呼ぶのは失礼
- ・年上が年下を呼ぶときは名前で呼ぶ
- ○ 2 韓国語での相手の呼び方
- ・「さん」に当たる「~ッシ(씨)」をつける
- ・「様」に当たる「ニム(님)」をつける
- ○ 3 親しい関係になると家族の呼び名を使う
- ・女性から見て「姉/お姉さん」は「オンニ(언니)」
- ・男性から見て「姉/お姉さん」は「ヌナ(누나)」
- ・女性から見て「兄/お兄さん」は「オッパ(오빠)」
- ・男性から見て「兄/お兄さん」は「ヒョン(형)」
- ○ 4 友達同士や目下を呼ぶ時
- ・名前で呼ぶ
- ・呼びかける時は名前に「ヤ(야)」や「ア(아)」をつける
- ・二人称の「ノ(너)」を使う
- ・名前+クン(군)、名前+ヤン(양)
- ○ 5 韓国語での恋人・夫婦同士の呼び方
- ・チャギ(자기)
- ・タンシン(당신)
- ・ヨボ(여보)
- ・子供の名前+オンマ(엄마)、子供の名前+アッパ(아빠)
- ・ネサラン(내사랑)
- ・コンジュニム(공주님)
- ○ 6 まとめ
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1 韓国は上下関係が厳しい?
儒教の国です。年齢が大切です。そして男尊女卑です。そのことが家族の呼び方にはっきり表れています。年上か年下か、男性から見るか女性から見るかで、呼び方が変わります。
自分より年上の人を名前で呼ぶのは失礼
名前で呼んでもいいのは、同い年か年下だけです。年上を名前で呼んではいけません。
家族や親戚でも年上を名前では呼びません。「~さん」と「さん」をつけてもだめです。
年上が年下を呼ぶときは名前で呼ぶ
年下を呼ぶ時は名前で呼びます。言葉遣いも丁寧形は使いません。
2 韓国語での相手の呼び方
「さん」に当たる「~ッシ(씨)」をつける
「~ッシ(씨)」の意味は「~氏」です。フルネームか、下の名前につけます。
韓国では年上の相手を名前で呼ぶのは失礼です。「~ッシ」と呼べるのは、同じ年齢か目下の人だけです。
また名字(苗字)だけに「ッシ」をつけるのも失礼です。
「様」に当たる「ニム(님)」をつける
名前に「ニム」をつけるのが一般的です。役所や病院の呼び出しも「~ニム」です。
会社では「役職名」に「ニム」をつけます。
社長「サジャンニム(사장님)」
部長「プジャンニム(부장님)」
課長「クァジャンニム(과장님)」
のように呼びます。
関連記事:韓国語で「~さん」名前の呼び方総まとめ
3 親しい関係になると家族の呼び名を使う
韓国は家族中心の社会です。それは儒教の教えでもあります。歴史的にもそうでしたし、今でもその意識が強いです。
これは逆に言うと「家族以外は信じられない」「信じられるのは家族だけ」ということになります。そのため、赤の他人でも、親しい関係になると『家族同様の人』『信じられる人』という意味で、その人のことを家族の呼び名で呼ぶようになりました。
しかし、今では、ただ単に親しみを込めて呼ぶ時に家族の呼び名を使います。本当の兄弟じゃなくても「お兄さん」「お姉さん」と呼ぶとすごく親しく近い感じがします。
女性から見て「姉/お姉さん」は「オンニ(언니)」
他人に紹介する時も呼びかける時も「オンニ」です。日本語の「姉」と「お姉さん」のような使い分けはありません。
男性から見て「姉/お姉さん」は「ヌナ(누나)」
他人に紹介する時も呼びかける時も「ヌナ」です。日本語の「姉」と「お姉さん」のような使い分けはありません。
女性から見て「兄/お兄さん」は「オッパ(오빠)」
他人に紹介する時も呼びかける時も同じです。
ドラマなどで「オンニ」や「オッパ」は聞いたことあると思います。恋人は、だいたい男性が年上なので、女性は「オッパ」と呼びます。恋人じゃなくても女性から見て親しい年上男性はみんな「オッパ」です。
男性から見て「兄/お兄さん」は「ヒョン(형)」
他人に紹介する時も呼びかける時も同じです。
「ヒョン」は漢字「兄」のハングル読みです。
関連記事:韓国語で「お姉さん/お兄さん」「オンニ/オッパ」呼び方使い分け総まとめ[音声付]
4 友達同士や目下を呼ぶ時
名前で呼ぶ
名前の最後が子音の時(パッチムがある時)は、パッチム音をわかりやすくするため「イ」をつけます。
例えば「ジュン、どこ行った?」は「ジュニ オディガッソ?(준이 어디 갔어?)」になります。「ジュンは、どこ行った?」なら「ジュニヌン オディガッソ?(준이는 어디 갔어?)」です。
「ジュン」の「ン/n」と「イ」が合わさって「ニ」になります。日本人には「ジュニ(준이)」が名前のように感じられて、別人のようですよね。
呼びかける時は名前に「ヤ(야)」や「ア(아)」をつける
名前の最後が母音の時は「ヤ(야)」をつけて、名前の最後が子音の時(パッチムがある時)は「ア(아)」をつけます。
日本人の名前だと「じゅん(준)」のように「ん」で終わった場合、「ア(아)」がついて「ジュナ(준아)」」となります。「ん(n)」と「ア」が合わさって「ナ」になります。日本語で「じゅ~ん」と呼びかける場面が、韓国語では「ジュナ~」となります。日本人には別人の名前のように感じられますね。
関連記事:韓国語で「~さん」名前の呼び方総まとめ
二人称の「ノ(너)」を使う
『タメ口(パンマル)』の時の「あなた」です。
日本語にちょうどいい二人称がないので日本語に訳しにくいですが、韓国ではよく使われる二人称です。
ノ(너)は日本語の「が」に当たる助詞が続く時は「ニ(네,니)」になります。
例えば「君がして」は、ニガへ(니가 해/네가 해)
また日本語の「の」に当たる助詞「エ(의)」が続く時は、
「ノエ(너의)」が縮約されて「ニ(네)」となります。
「君の物」は、ニッコ(네 거)です。
関連記事:韓国語で「あなた」8つの二人称使い分け徹底解説![音声付き]
名前+クン(군)、名前+ヤン(양)
クンは「君」、ヤンは「嬢」です。
日本語で男の子を「~君」、女の子を「~ちゃん」と呼ぶのに似ていますが、日常の呼び名ではなく、目下に丁寧に話す時に使います。
5 韓国語での恋人・夫婦同士の呼び方
チャギ(자기)
妻が夫に呼びかける時に使います。恋人同士でも使う人はいます。女性が男性に呼びかける時に使います。
チャギ(자기)は「自分」という意味です。
日本語でも「自分」という単語を「あなた」の意味で使うことがありますが、それと似ています。
例文で見てみると
「チャギガ アンチョゲ トゥロガ(자기가 안쪽에 들어가)」「自分が中(側)に入って」
カフェや飛行機で、女性が男性に「内側(中側)の座席に入って」という場面です。
呼びかける時には「チャギヤー(자기야)」と言います。妻が夫に呼びかける場面、韓国ドラマにも出てきますよね。妻が夫を「チャギヤー」と呼んでいるのを見ると、仲がいいのだなあと感じます。「チャギヤー」は、ちょっと甘えた感じで、英語の「マイダーリン」に近いニュアンスです。
タンシン(당신)
丁寧表現の「あなた」です。でも、見知らぬ人に直接は使いにくいです。日本語の「あなた」と似ています。
「タンシン」は夫婦の間で使います。特に老夫婦はよく使います。
ヨボ(여보)
夫婦の間で呼びかける時に使います。
「ヨボ」は、元々は「ヨギポセヨ(여기 보세요)」「ここ見てください」が縮まった言葉で、「ねえちょっと」のようなニュアンスです。
日本語の「もしもし」は韓国語で「ヨボセヨ」ですが、「ヨボセヨ」の「ヨボ」は、この呼びかけの「ヨボ」です。
「ヨボ」も老夫婦が使うイメージです。
関連記事:韓国語で「あなた」8つの二人称使い分け徹底解説![音声付き]
子供の名前+オンマ(엄마)、子供の名前+アッパ(아빠)
オンマ(엄마)は「お母さん」、アッパ(아빠)は「お父さん」です。
日本語にすると「たくやのお母さん」とか「さやかのお父さん」のような感じです。
呼びかける時に、韓国ではこの呼び方をよく使います。
関連記事:韓国語で「お父さん」「お母さん」家族の呼び方徹底解説![音声付き]
ネサラン(내사랑)
意味はMy Loveです。愛もネサラン、愛する人もネサラン、愛する物にもネサランを使うことができます。
「愛してる」と言う代わりに、甘く「ネサラ~ン」と呼びます。
コンジュニム(공주님)
意味は「お姫様」です。男性が自分の恋人を、半分冗談で「お姫様」と呼びます。
コンジュ(공주)は漢字語「公主」のハングル読みで意味は「姫」、ニム(님)が「様」です。コンジュ(공주)は韓国ではよく使われる言葉で、自分が世界で一番かわいくてきれいだと勘違いしている女性を「コンジュッピョン(공주병)」にかかったと言います。日本語に訳すと「お姫様病」です。
関連記事:韓国語で「好き」と伝えられる表現集
6 まとめ
お互いを名前で呼ぶのが普通ですが、男性が年上の時は「オッパ」と呼ぶことが多いです。
特に親しいと、女性が男性を「チャギ」と呼ぶこともあります。
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監修者
<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。
内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。