韓国語の指示詞、疑問詞、その縮約形

目次
- ○ 1 指示詞(こ・そ・あ・ど)一覧
- ・것 は「物」という意味です。
- ・韓国語の指示詞は、日本語の「こ・そ・あ・ど」と使い方はほぼ同じです。
- ・日本語では「あの」を使う場面でも、韓国語では「그」を使うことがあります。
- ○ 2 疑問詞
- ・「誰が」は「누구가」とならず「누가」となります。
- ・「何曜日」は、무슨 요일 が正式な言い方です。
- ・※ 疑問詞に接続する助詞に注意!
- ○ 3 縮約形
- ・① 것 は会話では 거 になります。
- ・➁ 「これは、それは、あれは」「これが、それが、あれが」も、会話では縮約されます。
- ・➂ 「私の物、誰のものですか」なども縮約されます。
- ・※ 所有を表す 의 は省略されます。
- ・④ 「무엇(何)」も会話では縮約されます。
- ・➄ 「何ですか、何が」も会話では縮約されます。
1 指示詞(こ・そ・あ・ど)一覧
これ 이것 この 이 ここ 여기
それ 그것 その 그 そこ 거기
あれ 저것 あの 저 あそこ저기
どれ 어느것 どの 어느 どこ 어디
것 は「物」という意味です。
「이」が「この」、「것」が「物」なので、
「이것」で「この物」⇒「これ」になります。
韓国語の指示詞は、日本語の「こ・そ・あ・ど」と使い方はほぼ同じです。
話し手と聞き手が、同じ場所にいる時、
二人から、近い場所⇒「こ」
二人から、少し離れた場所⇒「そ」
二人から、離れた場所⇒「あ」
話し手と聞き手の間に、距離がある時、
話し手に近い場所⇒「こ」
聞き手に近い場所⇒「そ」
どちらからも遠い場所⇒「あ」
日本語では「あの」を使う場面でも、韓国語では「그」を使うことがあります。
しかし、日本語では、例えば、「ハングルちゃんっていう韓国語教室、知ってる」という質問に対し、「知らない。その教室はどこにあるの?」「知ってる。あの教室、評判いいよね」などと、話題の物や人に対して「そ」を使う時と「あ」を使う時があります。
使い分けは、聞き手が知らない時は「その教室」と言います。「知らないよ。あの教室はどこにあるの?」は変ですよね。
また、お互いが知っている時は、通常「あ」を使います。指さすニュアンスで「その教室、知ってるよ、新大久保にある教室でしょ」という言い方もできますが、2人の共通知識という時には、「今晩、また行きませんか? あそこ」「いいね、いいね、いつものあの店ね」というように、日本語では通常「あ」を使います。しかし、この『共通知識の「あ」』の使い方が韓国語にはありません。指さして示す感じで「그(その)」を使うか、あるいは、近いか遠いか、距離の問題で「그(その)」「저(あの)」の使い分けをします。
また、「あの頃はよかったなあ」という、過去を思い出しながら話す『過去回想』は、日本語では「あ」を使いますが、韓国語では「그(その)」を使います。
2 疑問詞
何 무엇
どこ 어디
誰 누구
いつ 언제
どの 어느
何(+名詞) 무슨
なぜ(どうして) 왜
どうやって 어떻게
どんな 어떤
いくら、どれほど 얼마
何(+助数詞) 몇
「誰が」は「누구가」とならず「누가」となります。
「何曜日」は、무슨 요일 が正式な言い方です。
何曜日は、무슨 요일 と言います。무슨は「何の」という意味です。しかし、
어느 요일 どの曜日
어떤 요일 どんな曜日
という言い方をする人も多いです。
※ 疑問詞に接続する助詞に注意!
疑問詞につく助詞は、日本語では「は」を使いますが、韓国語では、日本語の「が」に当たる 가/이を使います。
日本語の「は」に当たる 는/은 には、対比の用法がありますが、韓国語でも同じです。ですので、物がいくつかある時には、이건 뭐예요? と聞くこともあります。しかし、物がひとつしかない時は 이게 뭐예요? と聞くのが自然です。
3 縮約形
① 것 は会話では 거 になります。
「これ、それ、あれ」も縮約されて、
이것 ⇒ 이거
그것 ⇒ 그거
저것 ⇒ 저거
➁ 「これは、それは、あれは」「これが、それが、あれが」も、会話では縮約されます。
+은 +이
이것 이것은⇒이건 이것이⇒이게
그것 그것은⇒그건 그것이⇒그게
저것 저것은⇒저건 저것이⇒저게
縮約のしかたは、
이것은 → 이거은 → 이건
이것이 → 이거이 → 이게
となります。
➂ 「私の物、誰のものですか」なども縮約されます。
나의 것 ⇒ 내 거[내 꺼]
누구의 것이에요 ⇒ 누구 거에요[누구 꺼에요]
会話(口語)では 것 のパッチムが脱落して 내 거 となります。
また 나 の謙譲表現の 저 を使った「わたくしの物」저의 것は 재 거 となります。
※ 所有を表す 의 は省略されます。
名詞と名詞の間に入る助詞、日本語の「の」の役割をするのが韓国語では「의」です。(助詞として使われる時の発音は[에]) 日本語では、助詞「の」が省略されるのは、例えば「社会問題」や「株式会社」のように、「名詞+名詞」でひとつの固有名詞になる時だけですが、韓国語では省略されることが多く、所有を表す場合も省略可能です。
④ 「무엇(何)」も会話では縮約されます。
무엇 ⇒ 무어 ⇒ 뭐
➄ 「何ですか、何が」も会話では縮約されます。
무엇이 ⇒ 뭐가
무엇이에요 ⇒ 뭐예요