【音声付き】韓国語で「ありがとう」の伝え方12選!使い分けと発音のコツ解説
もはや国内旅行よりも距離が近いと言っても過言ではない韓国。
韓国映画やドラマを見ていると、「ありがとう」の言葉だけでも多くの種類があることがわかります。
しかし、韓国人がどう使い分けているのかまでは正直わからないものです。
日本でも、「ありがとうございました」「感謝申し上げます」等やや硬い表現を使うことがあるでしょう。
そこで今回は、韓国語の「ありがとう」をシチュエーション別・音声付きで紹介します。
せっかくなら韓国人に通じる発音で「感謝の気持ち」を伝えたいですよね。
ネイティブっぽく発音するコツもお教えしますので、韓国語の発音が不安な方も安心してください。
目次 ▼
- ○ 【音声付き】韓国語で「ありがとう」の伝え方12選!
- ・韓国語で「ありがとう」①「カムサハムニダ(감사합니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」②「テダニカムサハムニダ(대단히 감사합니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」③「チョンマルカムサハムニダ(정말 감사합니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」④「カムサドゥリムニダ(김사드립니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑤「カムサへヨ(감사해요)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑥「~ジュショソカムサハムニダ(~주셔서 감사합니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑦「コマプスムニダ(고맙습니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑧「コマウォヨ(고마워요)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑨「コマウォ(고마워)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑩「コマプタ(고맙다)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑪「~ジュショソコマプスムニダ(~주셔서 고맙습니다)」
- ・韓国語で「ありがとう」⑫「サンキュー(땡큐)」
- ○ 2「ありがとう」の代わりに使う言葉
- ・目上の人は目下に対して「チャレッソ(잘 했어)/チャレッタ(잘 했다)」を使うことがある
- ○ 3 韓国語で「ありがとう」と発音するコツ10選!
- ・ポイントは子音だけの音の発音
- ・「カムサ」の「ム」は「M」
- ・「ハムニダ」の「ム」も「M」
- ・「ハムニダ」の「ニ」の音はほとんど消える
- ・「ハムニダ」の実際の発音は「アムミダ」
- ・まとめると「カMサアムミダ」
- ・「ドゥリムニダ」も「ドゥリムミダ」
- ・「コマプスムニダ」の「プ」は「P」
- ・ネイティブっぽく話すコツは普通の速度で話すこと
- ・抑揚をつけないこと
- ○ 4 「どういたしまして」
- ○ 5 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
【音声付き】韓国語で「ありがとう」の伝え方12選!
韓国語の「ありがとう」には、丁寧な言い方や友達と話す時のくだけた言い方がそれぞれあります。
「カムサハムニダ」を一般的に思う方が多いかもしれませんが、実は「ありがとう」を意味する言葉は12種類にものぼります。
また上下関係が日本よりも厳しい韓国では、立場や年齢、使う場面によって使い分けが必要となります。
上手に使い分けて、相手に感謝の気持ちが伝わるよう実践していきましょう。
韓国語で「ありがとう」①「カムサハムニダ(감사합니다)」
代表的なお礼の言葉「カムサハムニダ」をまずは覚えて使ってみましょう。
「カムサ」は漢字語「感謝」のハングル読みです。「カムサハムニダ」は直訳すると「感謝します」となります。
お店やレストランの店員さんも基本は「カムサハムニダ」です。韓国へ行くと「カムサハムニダ」という表現を聞く機会がたくさんあるでしょう。
韓国語で「ありがとう」②「テダニカムサハムニダ(대단히 감사합니다)」
「テダニカムサハムニダ」は「大変ありがとうございます」という意味で、公式の場でよく使われる言い方です。
「テダニ」は「大変/とても」という意味ですが、他の言葉の前にはほとんどつきません。「テダニ」と言えば「カムサハムニダ」というくらいセットです。
韓国語で「ありがとう」③「チョンマルカムサハムニダ(정말 감사합니다)」
「チョンマルカムサハムニダ」は「本当にありがとうございます」と深く感謝を込めるときに用います。
韓国語には「本当」と意味する言葉として「チンチャ」と「チョンマル」の2種類がありますが、改まった場面では「チョンマル」を使います。
韓国語で「ありがとう」④「カムサドゥリムニダ(김사드립니다)」
「ドゥリムニダ(드립니다)」が「差し上げる」という謙譲語です。直訳すると「感謝差し上げる」という意味となり、かしこまった場面、式典等での挨拶で使う形式です。
日常会話で使うことはほとんどありませんが、ドラマなどでは出て来ますので、聞いて理解できる程度に頭に入れておくと良いでしょう。
韓国語で「ありがとう」⑤「カムサへヨ(감사해요)」
「カムサ」という単語は、元々漢字からくる言葉なので硬いニュアンスです。そこにくだけた丁寧形の「ヘヨ(해요)」をつけるのはややバランスが悪いのもあり、「カムサへヨ」は日常生活ではあまり使いません。
豆知識として、韓国語の丁寧形には「~ニダ」で終わるフォーマルな丁寧形と、「~ヨ」で終わる日常会話の丁寧形があります。それぞれ「ニダ体」「ヨ体」と言います。日本では「ハムニダ体」「へヨ体」と言うこともあります。
韓国語の丁寧形の詳細についてはこちらを参照してください。
関連記事 : 韓国語の2つのタイプの丁寧形について
韓国語で「ありがとう」⑥「~ジュショソカムサハムニダ(~주셔서 감사합니다)」
こちらは、「~してくださって」+「ありがとうございます」とよく使われる文型です。
例えば「来てくださってありがとうございます」は「ワジュショソカムサハムニダ(와주셔서 감사합니다)」、「紹介してくださってありがとうございます」なら「ソゲへジュショソカムサハムニダ(소개해주셔서 감사합니다)」となります。(「ワ」が「来て」、「ソゲへ」が「紹介して」です。「ソゲ(소개)」は漢字語「紹介」のハングル読みです)
そして日本語では「~て」の形で「ありがとう」に接続しますが、韓国語でも、日本語の「~て」に当たる「~아/어서」で接続しています。文の構造は日本語とまったく同じです。
また、日本語では「~てくださって」だけでなく「~ていただいて」という表現もありますが、韓国語には日本語の「~いただく」に当たる表現がありません。「~てくれる」「~てくださる」だけですので、いつでも「~ジュショソ」を使います。
韓国語で「ありがとう」⑦「コマプスムニダ(고맙습니다)」
目上の人であっても、近い関係・親密度の高い相手には「コマプスムニダ」を使います。
「カムサハムニダ」は「感謝します」という漢字語ですが、「コマプスムニダ」は韓国の固有語で漢字の言葉ではありません。
日本語でも、漢字を用いると書き言葉的で硬いニュアンス、ひらがなは話し言葉的でやわらかいニュアンスがありますが、韓国語も同じです。漢字語からくる言葉は硬いニュアンスであることが多いです。
つまり、公式の場やビジネスの場面、あるいは初対面でまだ親しんでいない関係の時は漢字語の「カムサハムニダ(感謝します/感謝いたします)」を使い、慣れ親しんだ近い関係の人にはソフトな表現の「ありがとう」を用いて、使い分けをしましょう。
この後に紹介する「ありがとう」も、くだけた言い方になります。
韓国語で「ありがとう」⑧「コマウォヨ(고마워요)」
日常的に使える丁寧なお礼の言葉は「コマウォヨ」です。一番よく使われる「ありがとう」の挨拶表現ともいえるでしょう。
しかし注意点として、初対面の時や距離感のある人には使いません。また、目上だけど近い関係の人には「コマプスムニダ」を使います。
補足すると、「スムニダ」や「ヨ」が付くと丁寧な意味を持ち、日本語の「です・ます」に当たります。
「コマウォヨ」は日本語のカタカナ発音でも通じますので、発音は簡単です。
韓国語で「ありがとう」⑨「コマウォ(고마워)」
「コマウォ」は友達同士や目下に対して、日常で一番よく使われるお礼の言葉で、いわゆる”タメ口”の「ありがとう」です。
K-POPアイドルの動画などで聞いたことがある方も多いかもしれません。
韓国語で「ありがとう」⑩「コマプタ(고맙다)」
日本語に訳すと「ありがたい」になります。独り言でよく使われます。
「チンチャ コマプタ(진짜 고밥다)」=「本当にありがたい」も、よく使われるフレーズです。
韓国語の「本当に」は「チンチャ」と「チョンマル」の2種類がありますが、友達と話す時のくだけた会話では「チンチャ」を使います。
韓国語で「ありがとう」⑪「~ジュショソコマプスムニダ(~주셔서 고맙습니다)」
「~ジュショソカムサハムニダ」同様、よく使われる文型です。
「カムサハムニダ」の所と同じ例文になりますが、「来てくださってありがとうございます」は「ワジュショソコマプスムニダ(와주셔서 고맙습니다)」、「紹介してくださってありがとうございます」なら「ソゲへジュショソコマプスムニダ(소개해주셔서 고맙습니다)」となります。
「コマプスムニダ(고맙습니다)」は「コマウォヨ(고마워요)」「コマウォ(고마워)」の形で使うこともできますが、人間関係によって使い分けましょう。
韓国語で「ありがとう」⑫「サンキュー(땡큐)」
こちらは日本人も使う、英語の「サンキュー(Thank you)」です。
若者同士でカジュアルに使うことが多いので、目上の人や初対面では使用しないよう気を付けましょう。
SNSでは超短縮で「ㄱ ㅅ」
若者のSNSでのやり取りでは、「감사」の「감」の最初の子音「ㄱ」と、「사」の子音「ㅅ」をつなげて「ㄱ ㅅ」と表現します。
LINEや、韓国人が多く使うカカオトークで用いられることが多いです。
他にも、韓国語(ハングル)にはたくさんの超短縮形があります。
⇒若者たちのSNSでの超短縮形をまとめてご紹介!
2「ありがとう」の代わりに使う言葉
日本と同様に、韓国では、家族の間では改まった挨拶の言葉やお礼の言葉を使いません。
一方、上下関係の差が大きい場合、目上の人は目下の人に対してはお礼の言葉を使わず、「ご苦労」などの労いの言葉を使うことが多いです。
早速、「ありがとう」の代わりとなる言葉の使い分けやフレーズについて見ていきましょう。
目上の人は目下に対して「チャレッソ(잘 했어)/チャレッタ(잘 했다)」を使うことがある
チャレッソ(잘 했어)
チャレッタ(잘 했다)
「チャレッソ」「チャレッタ」は、直訳すると「よくやった」という意味です。お礼の言葉ではありません。
目下の人がビジネスの場面などで「最善の方法は無理でしたが、こう対応しました」「(気を回して)こう対応しておきました」と伝えた時などに使う言葉です。
日本でも「ありがとう」というほどではない時、「助かるよ」とか「すまん、すまん」とか言う感覚に近いかと思います。
韓国ドラマでも時々出てきますので、覚えておくといいでしょう。
3 韓国語で「ありがとう」と発音するコツ10選!
ここまで様々な表現の韓国語で「ありがとう」を伝える方法を紹介してきましたが、発音が通じなければ意味がありません。
実は、日本人にありがちなカタカナ読みは韓国では通じない可能性が高いのです。
コツやポイントを押さえて、韓国語で「ありがとう」の気持ちが伝わるよう、よりネイティブな発音とフレーズを学んでいきましょう。
ポイントは子音だけの音の発音
韓国語には子音だけの音〔韓国語ではバッチムと言います〕がありますが、その発音がうまくできないと別の言葉になってしまいまったく通じなくなります。
子音だけの音を上手に発音できるようにするのがポイントです。
「カムサ」の「ム」は「M」
「Mu」の発音はしないでください。「ム」は口をつぐむだけです。
イメージとしては「カmサハmニダ」です。
「ム」については”音を出さない”よう意識し、上下のくちびるを付けたらすぐに次の音を発音するのがポイントです。
「ハムニダ」の「ム」も「M」
こちらの「ム」も同様で、口をつぐむだけです。
「ハ」の後に口をつぐんで「ニダ」と続けるように発音してみましょう。
「ハムニダ」の「ニ」の音はほとんど消える
ゆっくり話すと「ニ」が出ますが、普通の速度の会話では「ニ」はほとんど消えます。
「Ni」とはっきり発声するのではなく、さらっと流すようなイメージで発音しましょう。
「ハムニダ」の実際の発音は「アムミダ」
「ハムニダ」の「ハ」の h音は、普通の速度の会話ではほとんど消えるので、「アムミダ」と発音しましょう。
「アm」で口をつぐみ、「ミダ」と続けます。「ミ」ははっきり発音する必要はありません。
ネイティブな韓国語では、極端に言えば「カムサムニダ」「カムサンミダ」と聞こえることもあるようです。
まとめると「カMサアムミダ」
「カム」で止めて「サアムミダ」をつけてください。
「ハムミダ」でも大丈夫です。「カム」で止めてすぐに「サアムミダ」、このフレーズで覚えてしまいましょう。
※前述したように「ム」ははっきり発音しないよう注意!
「ドゥリムニダ」も「ドゥリムミダ」
かしこまった場面や目上の人への感謝を伝える「ドゥリムニダ」も、「ム」で口をつぐんで「ミダ」と発音するとネイティブ発音に近くなります。
「ドゥリムミダ」と発音しましょう。
「コマプスムニダ」の「プ」は「P」
「ありがとうございます」を意味する「コマプスムニダ」・「ありがたい」を意味する「コマプタ」も同様で、子音だけの音です。
発音は「コマPスMミダ」・「コマPタ」で、「P」も「M」も口をつぐむだけです。
まず「コマッピー」と言おうとして、途中の「コマッ」で止めて「スムミダ」、あるいは「タ」と続けます。「スムミダ」は「ム」で口をつぐんで「ミダ」です。
「コマP」のあとに「スムミダ」を続けると「P」の音が少し出ます。この時「Pu」にならないようにしましょう。そして「P」に続く「ス」は「ッス」のようになります。
「コマPタ」も同じです。「P」の音が少し出て「ッタ」が続きます。
「コマPタ」は、日本人には「コマッタ」と聞こえる人が多いみたいですが、日本人が「コマッタ」と発音しても通じません。「P」の音を少しだけ入れた、「コマPタ」が正しいです。
ネイティブっぽく話すコツは普通の速度で話すこと
韓国語で「ありがとう」を伝えるとき、そのほかの日常会話でネイティブっぽく話すコツは”ゆっくりすぎないこと”です。韓国人が話すのを見ていると早口でまくし立てているように聞こえるかもしれませんが、それが彼らの普通の速度です。
慣れるまでは大変かもしれませんが、日本語と韓国語の語順や文法は似ていますので、練習あるのみです。
抑揚をつけないこと
ネイティブっぽく話すコツのもう1点が、フレーズごとに抑揚をつけないことです。
日本人は丁寧に話すときに抑揚を付けがちですが、フラットに発音するよう心掛けましょう。
少し低めの声で話すようにすると、抑揚が付きにくいです。
4 「どういたしまして」
「ありがとう」と言われた時の表現です。
日本語でも「どういたしまして」以外に「いえいえ」「お礼なんて」「とんでもありません」など、様々な表現がありますが、韓国も同じです。
関連記事:韓国語で「どういたしまして」7選[音声付]
5 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。
韓国語のフレーズは、音声で聞いて、耳から覚えてしまうのが効果的です。そうすれば、韓国に行っても使えますし、ドラマでも聞き取れるようになります。
他にも韓国語での挨拶表現はたくさんあります。
韓国語の「ありがとう」以外でも、韓国へ行った時に現地で意味が通じると嬉しいですよね。是非チェックしてみてください。
関連記事:こんな時韓国語でなんて言うの? よく聞く韓国語の正しい意味は?
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監修者
<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。
内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。