【音声付き】韓国語で「お疲れ様(おつかれさま)」10選!使い分け徹底解説
日本で仕事終わりに使う「お疲れさまでした」、韓国でも同じような表現がありますが日本語とは使い方に差があります。また、日本語の「ご苦労様です」に当たる韓国語も、やはり使い方に微妙に差があります。
使い方の違いをしっかり理解して、上手に使えるようにしましょう。
目次 ▼
- ○ 1「お疲れ様でした」は「スゴハショッスムニダ(수고하셨습니다)」
- ・日常のくだけた丁寧形は「スゴハショッソヨ(수고하셨어요)」
- ・近い関係の人には「スゴヘッソヨ(수고했어요)」
- ・『パンマル(タメ口)』は「スゴヘッソ(수고했어)」
- ・仕事が終わった時ばかりの時に使う
- ・アイドルに使いたい時
- ○ 2「ご苦労様です」は「スゴハセヨ(수고하세요)」
- ・その職業の仕事をしてくれた人に使う
- ・韓国では「スゴハセヨ」をよく使う
- ○ 3「ご苦労なさいました」「コセンハショッスムニダ(고생하셨습니다)」
- ・「コセン(고생)」は「苦労」という意味
- ・目下を労らう時に「コセンヘッタ(고생했다)」「コセンマニヘンネ(고생많이했네)」
- ○ 4 使い方の注意点
- ・日本でも目上の人に使うのは本来失礼
- ・「スゴハショッスムニダ」は使い方注意!
- ○ 5 若者たちはSNSで「ㅅㄱ」
- ・「スゴヘッタ(수고했다)」「お疲れさん」という意味
- ○ 5 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
1「お疲れ様でした」は「スゴハショッスムニダ(수고하셨습니다)」
一般的な「お疲れ様でした」という意味の挨拶表現です。「スムニダ(습니다)」というフォーマルな形の丁寧形を使っています。直訳すると「苦労なさいました」となります。日本語同様過去形です。
「スゴ(수고)」は、単語としては「苦労/心労」という意味です。
日常のくだけた丁寧形は「スゴハショッソヨ(수고하셨어요)」
お二方お疲れ様でした〔画像出典 : KBSチャンネル〕
「ヨ」のほうがややくだけた丁寧表現で、日常会話で使います。
韓国語の丁寧形には「~ニダ」で終わるフォーマルな丁寧形と、「~ヨ」で終わる日常会話の丁寧形があります。それぞれ「ニダ体」「ヨ体」と言います。日本では「ハムニダ体」「へヨ体」と言うこともあります。
韓国語の丁寧形の詳細についてはこちらを参照してください。
関連記事 : 韓国語の2つのタイプの丁寧形について
近い関係の人には「スゴヘッソヨ(수고했어요)」
敬語形ではない丁寧形です。直訳すると「お疲れ様でした」となりますが、もう少し軽い「お疲れ様」くらいのニュアンスです。
『パンマル(タメ口)』は「スゴヘッソ(수고했어)」
友達や目下に対して「お疲れ」くらいの感じです。
仕事が終わった時ばかりの時に使う
日本では、仕事帰りに飲みに行って、その帰り際に使ったりしますが、そのような時に「スゴハショッスムニダ」は使いません。帰る時には「さようなら」という別れの挨拶になります。
アイドルに使いたい時
コンサートが終わった時に、いっしょにコンサートの仕事をした人なら、お互いに「スゴハショッスムニダ」「スゴヘツタ」と言えますが、韓国ではファンが「スゴハショッスムニダ」と言うことはありません。ファンが何かを言うなら誉め言葉を言うほうがいいですね。
例えば「とってもよかったです」という意味の「チンチャチョアッソヨ(진짜 좋았어요)」とか、「感動しました」という意味の「カムドンへッソヨ(감동했어요)」とかです。
2「ご苦労様です」は「スゴハセヨ(수고하세요)」
直訳すると「苦労なさいます」「苦労なさってください」となりますが、日本語の「ご苦労様です」です。
その職業の仕事をしてくれた人に使う
宅配の配達員や、出前を持って来てくれた人、お店や食堂を出る時に店員さんに使います。
店員さんが自分より年上でも使えます。
しかし、会社で目上の上司には使えません。日本語の「ご苦労様」と同じです。
韓国では「スゴハセヨ」をよく使う
日本では「ご苦労様」をあまり使いませんが、韓国では、その職業の仕事をしてくれた人には必ずと言ってもいいくらい使います。
買い物をして店を出る時、食堂やレストランで会計済ませて出る時、デリバリーの配達員が帰る時、「スゴハセヨ」と言います。
3「ご苦労なさいました」「コセンハショッスムニダ(고생하셨습니다)」
「スゴハショッスムニダ(수고하셨습니다)」とよく似た挨拶言葉ですが、挨拶言葉として改まって使うことはあまりありません。
「コセン(고생)」は「苦労」という意味
〔画像出典 : MBCチャンネル〕
苦労? たくさんしたんですよ。
「スゴ」はちょっとした「苦労」で、「コセン」はかなりきつい「苦労」です。
目下を労らう時に「コセンヘッタ(고생했다)」「コセンマニヘンネ(고생많이했네)」
「コセンヘッタ(고생했다)」
直訳すると「苦労した」
「コセンマニヘンネ(고생많이했네)」
「苦労たくさんしたね」
目下の人が特に苦労をたくさんしたような時、目上の人がその苦労を労う時に使います。
4 使い方の注意点
「スゴハショッスムニダ」「コセンハショッスムニダ」、どちらも目上の人に使うのは礼儀に反します。
本来はそうなのですが、若い人たちの語感では「コセンハショッスムニダ」を目上の人に使い、「スゴハショッスムニダ」を目下に使う、そんな感じになっていて、いろいろ問題になっています。韓国人の中でも間違って使っている人がたくさんいます。
日本でも目上の人に使うのは本来失礼
教室で授業が終わった時に、先生に「お疲れ様でした」を使うのも本来は礼儀違反で、正しくは「ありがとうございます」です。しかし、実際は、一緒に授業を頑張ったという感じで「お疲れ様でした」を使っているケースが多いですが、年配の人たちは「ありがとうございます」を使うべきと考えるようです。
韓国もこのあたりの事情は同じです。
「スゴハショッスムニダ」は使い方注意!
若い人に「スゴハショッスムニダ」と言われて猛烈に怒り出すお年寄りがたくさんいます。「ハショッスムニダ」はフォーマルな敬語の形なので、本来は目上の人に使う形です。そのことも混乱の原因になっています。
5 若者たちはSNSで「ㅅㄱ」
日本人はラインですが、韓国人はカカオトークです。若者たちには若者たち独自の略語のようなものがあります。
「スゴヘッタ(수고했다)」「お疲れさん」という意味
「수고」のはじめの文字「수」の子音「ㅅ」と、次の文字「고」の子音「ㄱ」をつなげて「ㅅㄱ」です。母音を省略して子音をひとつずつつなげています。
他にも若者たちのSNSでの超短縮形はたくさんあります。興味のある方はこちらからどうぞ。
関連記事 : 韓国の若者たちのSNSでの超短縮形総まとめ
5 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。
音声で聞いて耳から覚えてしまいましょう。そうすれば韓国行っても使えますし、ドラマでも聞き取れるようになります。
他にも、様々な挨拶の表現、自己紹介の表現、旅行で使える表現を、ぜひ一緒に見ておいてください。そして、韓国へ行った時に使ってみてください。通じると楽しいですし、韓国ドラマを見て聞き取れるとうれしいですよね。
関連記事:こんな時韓国語でなんて言うの? よく聞く韓国語の正しい意味は?
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監修者
<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。
内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。