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気になる韓国語の「単語・表現」

韓国語で「わかった」は「アラッソ」ニュアンス使い方徹底解説![音声付き]

投稿日:2023年5月2日 | 最終更新日:2024年3月4日

「アラッソ」は、韓国ドラマを見ていてもよく出て来ますよね。「わかった」という意味です。しかし「わかった」と「アラッソ」の使い方はまったく同じではありません。微妙に違います。
日本語の「わかる/知る」には、様々な意味、使い方があり、また同様に、韓国語もいろいろな使い方があります。ここでは使い方ごとに分けて解説致します。「わかる/知る」の完全ガイドです。
どんな場面でどんな表現を使うのか、それがはっきりわかると韓国語や韓国文化への理解が深まるので、ドラマを見ていても細かいニュアンスがわかるようになり、更に楽しめるはずです。

目次 ▼

1 ➀指示に対して「そうします」

「これからは遅刻しないように」とか「今すぐ書類を作り直しなさい」と指示されて、「わかりました。そうします」という時です。

「わかる」は「アルダ(알다)」

辞書に出ている形(原形)、単語は「アルダ(알다)」です。「アルダ(알다)」が様々に活用します。

目上の人には「アルゲッスムニダ(알겠습니다)」

直訳すると「わかります」となります。現在形です。日本語の「了解です」も現在形ですが、そのニュアンスに近いです。
文法的に見ますと「ゲッ(겠)」が『丁寧』『意志』の意味を表します。また、目上の人に対する丁寧形は、語幹に「スムニダ(습니다)」をつけるので「アルゲッスムニダ(알겠습니다)」です。目上の人に何か言われて「わかりました、そうします」という意味です。
会社では、上司の指示に対していつでも「アルゲッスムニダ」です。また、会社の上司に対しては、➁の「情報を了解した」の意味でも通常「アルゲッスムニダ(알겠습니다)」を使います。

韓国語の丁寧形には「~ニダ」で終わるフォーマルな丁寧形と、「~ヨ」で終わる日常会話の丁寧形があります。それぞれ「ニダ体」「ヨ体」と言います。日本では「ハムニダ体」「へヨ体」と言うこともあります。

韓国語の丁寧形の詳細についてはこちらを参照してください。
韓国語の2つのタイプの丁寧形について

日常会話の丁寧形は「アルゲッソヨ(알겠어요)」

日常会話の丁寧形は「ヨ(요)」の形になります。「アルゲッソヨ」も日本語に訳すと「わかります」現在形です。
また「アルゲッソヨ(알겠어요)」は、➁の「情報を了解した」の意味で使うこともあります。

『パンマル(タメ口)』は「アルゲッソ(알겠어)」「アルゲッタ(알겠다)」

「アルゲッソ(알겠어)」

「アルゲッタ(알겠다)」

日本語に訳すと「わかる」という現在形です。
タメ口では、➁の時の表現「アラッソ」を➀の場合にも使うことがありますし、実際は、そのほうが多いです。
友人や目下に対して使う言葉遣いを『パンマル(반말)』と言います。「パン(반)」が「半」、「マル(말)」が「言葉」、ですので直訳すると「半分の言葉」、つまり「礼儀半分の言葉」という意味になります。

ごく近い友人なら「クレ(그래)」

直訳すると「そう」となりますが、OKの意味です。やや語尾を上げて話します。
➁の場面でも使えます。

2 ➁情報に対して「了解しました/了承しました」

例えば「今日は宿題ないって」とか「外は雨やんだよ」のように、ある情報を伝えられ「その情報わかりました、OKです」という時です。
日本語同様、韓国語も過去形になります。

目上の人には「アラッスムニダ(알았습니다)」

日本語に訳すと「わかりました」です。「ッソ」を入れて過去形にします。
しかし、会社で上司に話す時には、➀の形「アルゲッスッムニダ」を使うのが一般的です。

日常会話の丁寧形は「アラッソヨ(알았어요)」

日本語では「わかりました」となります。

「わかった」は「アラッソ(알았어)」「アラッタ(알았다)」

〔画像出典 : SBSチャンネル〕

「アラッソ(알았어)」

「ヨ」が丁寧の意味ですから、ヨ」を取ると『パンマル(タメ口)』になります。

「アラッタ(알았다)」

「アラッソ(알았어)」のほうがソフトなニュアンスです。

3 ➂五感で「認識できます/気が付きました」

例えば「食べ物の微妙な辛さ」や「微妙な匂い」「微かな風」などを感じることができる時の「わかる」です。「このスープ、香辛料入ってるみたいだけどわかる?」と言いますよね。
現在の時は「わかる/わかります」と現在形で、過去の時は「わかった/わかりました」と過去形で使います。

現在の時は「わかります」「アムニダ(압니다)」

韓国語でも現在形です。不規則活用のため形が少し変わっています。

日常会話の丁寧形は「アラヨ(알아요)」

『パンマル(タメ口)』は「アラ(알아)」

「アルゲンヌンデ(알겠는데)」「アヌンデ(아는데)」

「アルゲンヌンデ(알겠는데)」


「アヌンデ(아는데)」

相手やみんなにわかってもらえず、自分はわかるけど、という時の表現です。通常「私は」という意味の「ナヌン(나는)」をつけて、
「ナヌンアルゲンヌンデ」
「ナヌンアヌンデ」
のように表現します。
ここでの「ゲッ(겠)」は『婉曲』です。

過去の時は「アルゴイッソスムニダ(알고 있었습니다)」

「その時」を強調するため、直訳すると「わかっていました」という形を使います。

日常会話の丁寧形は「アルゴイッソッソヨ(알고 있었어요)」

『パンマル(タメ口)』は「アルゴイッソッソ(알고 있었어)」

4 ➃不明だったものが「判明しました」

例えば「わからなかった犯人」や「わからなかった答え」が「わかりました、判明しました」という時です。

「アルゲトゥェダ(알게 되다)」から活用する

直訳すると「わかるようになる」ですが、「わかるようになる」で「判明する」となります。「トゥェダ」の発音は「テダ」でも大丈夫です。

目上の人には「アルゲトゥェッスムニダ(알게 됬습니다)

日常会話の丁寧形は「アルゲトゥェッソヨ(알게 됐어요)」

『パンマル(タメ口)』は「アルゲトゥェッソ(알게 됐어)」「アルゲトゥェッタ(알게 됐다)」

「アルゲトゥッソ(알게 됐어)」


「アルゲトゥッタ(알게 됐다)」

断定的なニュアンスです。

➁の形を使うこともあります。

例文で見てみましょう。
オットケアラッソ?(어떻게 알았어?) どうしてわかったの?
※ 日本語の訳は「どうして」ですが、韓国語では「どうやって」という『手段・方法』を表す「オットケ」を使います。

5 ➄説明に対して「理解できました」

例えば「税金の仕組みの説明」「女心についての説明」などを聞いて、「わかりました。理解できました」という時です。

目上の人には「イヘテッスムニダ(이해됐습니다」

あるいは「イへへッソヨ(이해했습니다)」「理解しました」も使います。
「イへ」は漢字語「理解」のハングル読みです。

「イへへッソヨ」は、自動詞なので、自分で頑張って理解したニュアンスです。一方、「イへテッソヨ」は他動詞なので、自然にそうなったというニュアンスになります。従って、理解度は「イへテッソヨ」のほうが大きいです。

日常会話の丁寧形は「イへテッソヨ(이해됐어요)」

あるいは「イへへッソヨ(이해했어요)」も使えます。ニュアンスの違いは、「イへテッソヨ」は説明を聞いての理解、「イへへッソヨ」は自力で考えての理解です。

友達や目下に対しては「イヘテッソ(이해됐어)」「イヘテッタ(이해됐다)」

「イヘテッソ(이해됐어)」

あるいは、「イヘヘッソ(이해했어)」「イヘヘッタ(이해했다)」

「わかりましたか」と聞く時は「イへテッソヨ(이해됐어요)」

「理解できましたか」という意味です。
友達に「わかった?」と聞くのは問題なくても、あまり近い関係ではない人に「わかりましたか」と聞くのは、日本でもちょっと避けたほうがいいですよね。➀の場合でもこの形が無難です。

目上の人に対しては「イヘガテショッスムニカ(이해가 되셨습니까)」

直訳すると「理解がおできになりましたか」ですが、実際は、あまり目上の人に「わかりましたか」と聞く場面はありません。あっても遠回しな別な表現にします。

『パンマル(タメ口)』は「イヘテッソ(이해됐어?)」

6 ➅「知る」の意味で使う時

韓国語では「わかる」「知る」、どちらも同じ単語を使います。
ところで「わかる」と「知る」、その区別は、わかっていそうで、説明するとなるとなかなか難しいところがあります。いかがでしょうか?
「知る」は、簡単に言うと『ある情報を持っている』ことです。例えば「好きなアイドルのコンサートが決まったこと」「昔、ここで殺人事件があったこと」「先生が辞めちゃうこと」などです。

「ご存じですか?」は「アセヨ?(아세요?)」

質問する時には、通常、敬語形の「セヨ」を使います。日本語の訳も「ご存じですか」が適当です。
辞書の形(原形)は「アルダ(알다)」から活用していますが、変則活用のため、敬語の語尾「セヨ(세요)」にする時、形が少し変わります。

日常会話の丁寧形は「知っていますか?」「アラヨ?(알아요?)」

疑問文では語尾を上げます。

肯定文では語尾を下げます。
「知っていますか?」に対しては「はい、知っています」と言いますよね。

「ネーアラヨ(네, 알아요)」

「知っていますか」は「アルゴイッソヨ?(알고 있어요?)」とも

「知っています」は、通常は「アラヨ」と言いますが「アルゴイッソヨ」とも言います。どちらも可能です。
日本語では、現在進行の動作に対しては必ず「~ています/~ている」を使います。
例えば、日本語の「ご飯を食べます」は、
「毎朝7時に朝ごはんを食べます」という『現在の習慣』か、
「明日は7時にごはんを食べます」という『未来』の表現になります。
今現在の動作は「今ご飯を食べています」と「~ています」を使わなければなりません。
しかし、韓国語では、現在の動作も、基本は「現在形」で表します。日本語の「~ている」に当たる表現方法は、強調する場面での表現になります。
そのため「知っています」は「アラヨ」通常は現在形での表現となり、「アルゴイッソヨ」は強調する時の表現になります。
強調表現としては、例えば、
A:ネイルシホムインヌンゴアルゴイッソヨ?(내일 시험있는거 알고 있어요?) 明日試験があること知ってる?〔ちゃんとわかってると確認しています〕
B:タンヨニアルゴイッチョ(당연히 알고 있죠) 当然知ってるでしょ。
「アルゴイッタ」は「知っている」という意味ですが、日本語では「わかっている」と訳したほうが自然な日本語になることが多いです。

『パンマル(タメ口)』は「アラ?(알아?)」「アルゴイッソ?(알고 있어?)」

語尾を上げると疑問文
「アラ?(알아?)」



「アルゴイッソ?(알고 있어?)」



語尾を下げると平叙文です。
「アラ(알아)」



「アルゴイッソ(알고 있어)」

「知ることができる」「アルスイッタ(알수 있다)」

例えば、先生の電話番号を知りたくて、クラスメートに番号を聞く場面では、「先生の電話番号を知ってますか」と聞くこともできますし、「先生の電話番号がわかりますか」と聞くこともできます。「知っていますか」と聞くのは『今その情報を持っているか』という意味で、「わかりますか」と聞くのは、単に「婉曲」の意味で使うこともありますが、通常は『もし今その情報がなくても、なんらかの手段や方法を用いて知ることが可能か』という意味です。このような時、韓国語では「知ることができる」という意味の「アルスイッタ」を使います。
日常会話の丁寧形は「アルスイッソヨ?(알수 있어요?)」

『パンマル(タメ口)』は「アルスイッソ?(알수 있어?)」

7 近い関係なら「わかったでしょ」と確認表現も使える

➀➁➃の場合に使えます。

日常会話の丁寧形は「アラッチョ(알았죠)」

「チ(지)」が「でしょ/だろう」の意味です。「アラッチヨ」の「チ」と「ヨ」が一緒になって「チョ」となります。

友人や目下に対しては「アラッチ(알았지)」

「わかっただろ」です。

8 「アラッソ」は抑揚のつけ方でニュアンスが変わる

日本語と同じです。

抑揚をつけて「アラッソー」と語尾を伸ばすと苛立ちを表す

日本語の「わかったよー」と同じです。抑揚のつけ方も似ています。

早口で「アラッソアラッソ」は「わかったわかった」

「わかってるよ」「もういい」という感じで、これも日本語の使い方と同じです。

9 慣用的な使い方

「アラソハセヨ(알아서 하세요)」「アラソへ(알아서 해)」

「アラソハセヨ(알아서 하세요)」


msp;
「アラソへ(알아서 해)」

「アラソハセヨ(알아서 하세요)」は、直訳すると「わかってやってください」ですが、「自分で判断して良いようにしてください」という意味です。意訳すると「任せます」となりますが、時代劇の「よきに計らえ」が近いです。
フレーズで覚えてしまいましょう。韓国ではとてもよく使う表現です。

「~ジュルアラヨ(~줄 알아요)」

直訳すると「~する術を知っている」となりますが、「~ができる」という意味です。疑問文で使うことが多いです。ひとつの文型です。
例えば「スルルマシルジュルアラヨ(술을 마실줄 알아요?)」と言えば「お酒を飲む術を知っていますか」「お酒が飲めますか」となります。
厳密には、ただやみくもに量を飲むのではなく、飲む術、飲み方を知っている、嗜めるという意味ですが、日本語だと「飲めますか」という訳になります。
『パンマル(タメ口)』なら「~ジュルアラ(~줄 알아)」とか「~ジュルアンダ(~줄 안다)」となります。

「~ジュルアラッタ(~줄 알았다)」

「~したと思った」「~すると思った」という表現で、これもひとつの文型です。
「アラッタ」の部分は、丁寧形なら「アラッスムニダ」「アラッソヨ」になります。また『パンマル(タメ口)』で「アラッソ」も可能です。
例文で見てみましょう。
① ピガオルチュルアラッソ(비가 올 줄 알았어) 「雨が降ると思った」
② チョウンサラミンジュルアランヌンデ(좋은 사람인 줄 알았는데) 「いい人だと思っていたのに」

10「アルゲッスムニダ」「アルゲッソヨ」をネイティブのように発音するコツ

「アラッソ」「アラッソヨ」はカタカナ発音で大丈夫です。

「アルゲッ」の「ル」は「L(エル)」

舌を上の歯の付け根につけるだけで「ル」の音は出さなくていいです。
ですので、慣れないと聞き取りが難しいです。はじめは「ア・ゲッ」のように「L」の部分はよく聞こえないと思います。

「スムニダ」は「スMミダ」と発音するとネイティブ発音に近くなる

「スム」の「ム」は「M」です。口をつぐむだけです。また「スムニダ」の「ニ」は、普通の会話の速度で話すとほとんど聞こえません。韓国人も、そんなに速く口をつぐんでから「ニ」と言って「ダ」と言えませんから、「ニ」は無理に発音しなくて大丈夫です。
ですので、「スムニダ」は、まず「スンブ(スムブ)」と言おうとして、途中の「スン(スム)」で止めて「ミダ」と続けてください。これがネイティブっぽく発音するコツです。

11 「わからない」「わかりません」

韓国語で「わからない」へ

12 使えそうな表現はフレーズで覚えてしまいましょう。

音声で聞いて耳から覚えてしまうのが効果的です。そうすれば韓国行った時に使えますし、ドラマでも聞き取れるはずです。

自己紹介の表現、挨拶の表現、韓国へ旅行へ行った時に使える表現を、ぜひ一緒に見ておいてください。そして、韓国へ行った時に使ってみてください。言葉が通じると楽しいですし、ドラマを見て聞き取れるとうれしいですよね。
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監修者

監修者の写真

<出身大学>

新丘大学家庭教育学部

<略歴>

ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

監修者の写真

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)

韓国語教室ハングルちゃん代表

<資格>

通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)

<出身大学>

京都大学農学部卒業

<略歴>

東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。