韓国語の『敬語』を徹底解説!
目次
- ○ 敬語の種類
- ・敬語には、➀尊敬語 ➁謙譲語 ➂丁寧語 のみっつがあります。
- ・➀尊敬語は、相手または対象となる人物を高めます。
- ・➁謙譲語は、自分を低めることで相対的に相手や対象となる人物を高めます。
- ・➂丁寧語は、名詞に「お」や「御」をつけます。また「です・ます」も丁寧語です。
- ・一般的に敬語と言うのは、➀尊敬語と➁謙譲語です。
- ・韓国語で使われる「敬語」は、ほとんどが尊敬語です。
- ○ 日本語と韓国語では、敬語の使い方が違います。
- ・日本語では、「相手側」を高め「自分側」を低めます。
- ・韓国語では、年齢が上の人や社会的に地位がある人には、すべて尊敬語をつけて高めます。
- ・韓国では、年齢や社会的地位は社会全般の共通認識となります。
- ・その場にいなくても、高めるべき人はすべて敬語をつけて高めるので、韓国語では敬語の使用頻度がとても高くなります。
- ・また、韓国では、初対面では敬語を使います。
- ○ 韓国語の敬語
- ・特別な形がある動詞
- ・特別な形がない動詞・形容詞
- ・特別な形のある名詞
- ・特別な形がある助詞
- ・謙譲語
- ○ 敬語の活用の形をまとめましょう。
- ・動詞・形容詞
- ・名詞
- ○ 「~てください」の表現
- ・(으)세요
- ・(으)십시오
敬語の種類
敬語には、➀尊敬語 ➁謙譲語 ➂丁寧語 のみっつがあります。
➀尊敬語は、相手または対象となる人物を高めます。
例) 先生がいらっしゃいました。
少々お待ちください。
➁謙譲語は、自分を低めることで相対的に相手や対象となる人物を高めます。
例) 私が参ります。
先生をご案内いたしました。
➂丁寧語は、名詞に「お」や「御」をつけます。また「です・ます」も丁寧語です。
例) お電話
ご病気
あります
楽しいです
一般的に敬語と言うのは、➀尊敬語と➁謙譲語です。
韓国語で使われる「敬語」は、ほとんどが尊敬語です。
謙譲語に当たる言葉もありますが、少ないです。
日本語と韓国語では、敬語の使い方が違います。
日本語の敬語は「相対敬語」、韓国語の敬語は「絶対敬語」です。
日本語では、「相手側」を高め「自分側」を低めます。
例) お父様は何とおっしゃったんですか。(尊敬語)
私の父は、そうは申しませんでした。(謙譲語)
仕事の上でも、相手の会社の人を高め、自分の会社の人は低めます。
韓国語では、年齢が上の人や社会的に地位がある人には、すべて尊敬語をつけて高めます。
例) 아버님은 뭐라고 하셨어요? お父さんは何とおっしゃったんですか。(尊敬語)
우리 아버지는 그렇게 말씀 안 하셨어요. 私の父は、そうおっしゃいませんでした。(尊敬語)
日本語に直訳すると違和感のある表現になります。
韓国では、年齢や社会的地位は社会全般の共通認識となります。
年齢が上というのは社会的に絶対的なものです。儒教では年齢が重要です。
その場にいなくても、高めるべき人はすべて敬語をつけて高めるので、韓国語では敬語の使用頻度がとても高くなります。
これは、大阪の人たちが日常使う「~はる」という敬語と似ています。その場に例え先生がいなくても、先生の行為には「先生が~はる」と言わなければならないため使用頻度も高いです。そのあたりは「~はる」とよく似ています。
また、韓国では、初対面では敬語を使います。
社会的なマナーです。ですので、敬語を上手に使えなくても、聞いてわかるくらいにはしておかないと、韓国へ行った時に、せっかく韓国語を勉強していても、相手が何を言っているのかわからない、ということになります。
韓国語の敬語
韓国語の敬語は、基本、尊敬語です。
特別な形がある動詞
食べる・飲む ⇒ 드시다
寝る ⇒ 주무시다
(その場に)いる ⇒ 계시다
死ぬ ⇒ 돌아가시다
例) 편히 주무셨어요? ゆっくりお休みになりましたか
선생님은 어디 계세요? 先生はどこにいらっしゃいますか
돌아가셨습니다. お亡くなりになりました
맛있게 드세요. おいしく召し上がってください〔食堂などで使われる表現〕
안녕히 주무세요. おやすみなさい〔あいさつ表現〕
안녕히 계세요. (留まる人に)さようなら〔あいさつ表現〕
※「食べる・飲む」には、主に60歳以上の年配の人が使う잡수시다という言葉もあります。
例) 잡수세요. 召し上がってください。
特別な形がない動詞・形容詞
語幹に (으)시 をつける。語幹のㄹバッチムは脱落する。
가다 ⇒ 가시다
하다 ⇒ 하시다
주다 ⇒ 주시다
읽다 ⇒ 읽으시다
만들다 ⇒ 만드시다
例) 다 읽으셨어요? 全部お読みになりましたか。
그분이 누군지 아세요? その方がどなたがご存じですか(알다の尊敬語)
추우세요? お寒いですか
안녕히 가세요. (去る人に対して)さようなら〔あいさつ表現〕
特別な形のある名詞
名前 ⇒ 성함
歳 ⇒ 연세
言葉 ⇒ 말씀
目上の人 ⇒ 어르신(어른の敬語形)
人、〇名 ⇒ 분
[名前]様 ⇒ 님
お客様 ⇒ 고객님(顧客様) ※サービス業で손님(お客)の敬語表現として使われます。
※市役所や区役所など公共機関では、訪問者に呼びかける時선생님(先生様)を使います。
例) 성함이 어떻게 되세요? お名前はどうなりますか(お名前は何ですか)
연세가 어떻게 되세요? お歳はどうなりますか(お歳は何歳ですか)
어르신들에게는 잘 해주셔야돼요. 目上の方たちには、よくしてあげなければなりません。
그분이 누군지 아세요? その方がどなたがご存じですか(알다の尊敬語)
特別な形がある助詞
이/가(が) ⇒ 께서
은/는(は) ⇒ 께서는
에게(に) ⇒ 께
例) 선생님께서 말씀하셨습니다. 先生がおっしゃいました
어머님께 생일선물 드렸어요. 母に誕生日プレゼントを差し上げました。
우리 사장님께서는 이번 기회에 사업을 확대하신다고 하셨어요. 私たちの社長様はこの機会に事業を拡大するとおっしゃいました。
謙譲語
尊敬すべき相手に対して、自らを低めます。
わたくし ⇒ 저
差し上げる ⇒ 드리다
案内する/連れる ⇒ 모시다 ※いろいろな意味があります。
例) 부모님을 모시고 해외여행갔다 왔어요. 両親を連れて海外旅行に行って来ました。
敬語の活用の形をまとめましょう。
動詞・形容詞
語幹に (으)시 をつける。語幹のㄹバッチムは脱落する。
例1) 가다 ⇒ 가시다
갑니다 ⇒ 가십니다
갔습니다 ⇒ 가셨습니다
가요 ⇒ 가세요
갔어요 ⇒ 가셨어요
例2) 읽다 ⇒ 읽으시다
읽습니다 ⇒ 읽으십니다
읽었습니다 ⇒ 읽으셨습니다
읽어요 ⇒ 읽으세요
읽었어요 ⇒ 읽으셨어요
例3) 만들다 ⇒ 만드시다
만듭니다 ⇒ 만드십니다
만들었습니다 ⇒ 만드셨습니다
만들어요 ⇒ 만드세요
만들었어요 ⇒ 만드셨어요
名詞
입니다 ⇒ (이)십니다
였습니다/이었습니다 ⇒ (이)셨습니다
예요/이에요 ⇒ (이)세요
였어요/이었어요 ⇒ (이)셨어요
例1) 교사
교사입니다 ⇒ 교사십니다
교사였습니다 ⇒ 교사셨습니다
교사예요 ⇒ 교사세요
교사였어요 ⇒ 교사셨어요
例2) 선생님
선생님입이다 ⇒ 선생님이십니다
선생님이었습니다 ⇒ 선생님이셨습니다
선생님이에요 ⇒ 생님이세요
선생님이었어요 ⇒ 선생님이셨어요
「~てください」の表現
(으)세요 と (으)십시오 があります。
(으)세요
こちらを参照してください。
日本語ではひとつの「~てください」が、韓国語ではふたつの表現に分かれます。使い方の違いや区別のコツなど、わかりやすく解説しています。
(으)십시오
(으)세요 よりも、フォーマルな表現です。
例) 사진을 찍으십시오. 写真を撮ってください。
안녕히 가십시오. (去る人に)さようなら〔あいさつ表現〕
어서 오십시오. いらっしゃいませ〔あいさつ表現〕
※ 初級レベルの段階で、この表現を使うことは、ほぼありません。あいさつ表現を聞いて理解できれば十分です。