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韓国語講座

韓国語で「~てください」使い方と意味の違いを徹底解説!

この課では、日本語の「~てください」に当たる表現を学習します。

日本語では「動詞+ください」という表現では、動詞の形は「食べて」「書いて」のように「~て」の形となるので、ここでは「~てください」で表します。

目次

1 日本語の「~てください」の使い方

形はひとつですが、大きく4つの意味があります。その使い方や意味によって、韓国語では、ふたつの表現に分かれます。そのため、日本語の「~てください」が、どんな使い方をしているのか、どんな意味なのかを、正確に知る必要があります。まずは、日本語の使い方・意味を見ていきましょう。

➀ 聞き手にお願いをする[話し手に恩恵がある]

例) すみませんが、写真を撮ってください。
  私と結婚してください。

話し手に対して、聞き手が、特別に何かをしてあげます。話し手に恩恵があります。

➁ 聞き手に注意を促す[話し手に恩恵はない]

例) 滑りますので、気をつけてください。

「ください」をつけなくても、注意を促す表現になりますが、「ください」をつけることで、話し手の優しさや思いやりの気持ちを伝えています。

➂ 聞き手に指示をする[話し手に恩恵はない]

例) 前を見てください。
  ノートに書いてください。

「ください」をつけなくても、指示の表現になりますが、「ください」をつけることで、話し手の優しさや思いやりの気持ちを伝えています。

④ 応援、励まし[話し手に恩恵はない]

例) がんばってください。
  お母さん、病気、早く良くなってください。

「ください」をつけなくても、応援の表現になりますが、「ください」をつけることで、話し手の優しさや思いやりの気持ちを伝えています。

※ 誰に対して恩恵があるのかで区別しましょう。

日本語の「~てください」が、誰に対して恩恵のある「~てください」なのか、そこを、はっきり区別できるようにしなければなりません。ここが「~てください」のポイントです。

話し手に恩恵のある、何かを特別にお願いする「~てください」は、実際の場面では、「~てくださいませんか」とか「~ていただけませんでしょうか」のように、更に丁寧な表現を使うのが普通です。例えば、見ず知らずの人に、いきなり「写真を撮ってください」とは言いません。
専属の写真屋さんであれば、「こっちも写真撮ってください」と言えますけど。そうでなければ、なかなか、自分のためにしてくださいという「~てください」は使いにくいです。

誰に恩恵のある「~てください」なのかを考える時、「~ていただけませんか」のような表現に置き換えて考えてみるのもひとつの方法です。話し手に恩恵のある「~てください」であれば、置き換えても自然な表現ですが、そうでない場合、置き換えると違和感のある感じになります。

2 韓国語の表現

韓国語では、話し手に恩恵があるかないかで表現が違います。
話し手に恩恵がある[➀の「~てください」] ⇒    아/어 주세요
話し手に恩恵がない[➁、➂、④の「~てください] ⇒    (으)세요
となります。

日本語の使い方 ➀ ⇒    아/어 주세요

아/어は、【요】体の現在肯定形から요を取った形です。
例)  「行きます」 가요 ⇒   가
「見ます」 봐요 ⇒   봐
「飲みます」 마셔요 ⇒   마셔
「食べます」 먹어요 ⇒   먹어

아/어 の形に、주세요 をつけます。
例えば、「来てください」なら、
「来る」 와요 ⇒   와  + 주세요
⇒  와 주세요 「来てください」

「電話してください」なら
「電話する」 전화하다 ⇒ 전화해  + 주세요
⇒ 전화해 주세요 「電話してください」
となります。

日本語の使い方 ➁、➂、④ ⇒    (으)세요

動詞の語幹 +  (으)세요
語幹にパッチムがない時 세요 をつけ、パッチムがある時 으세요 をつけます。
例) 「見る」 보다 ⇒ 보 + 세요 ⇒ 보세요 「見てください」
「着る」 입다 ⇒ 입 + 으세요 ⇒ 입으세요 「着てください」
「座る」 앉다 ⇒ 앉 + 으세요 ⇒ 앉으세요 「座ってください」
※ 語幹が ㄹ(L) パッチムの時、ㄹ(L)  が脱落します。そして、ㄹ(L)パッチムが脱落するので、「パッチムなし」になります。
例) 「作る」만들다 ⇒ 만드 + 세요 ⇒ 만드세요 「作ってください」

※「안녕히 가세요」「안녕히 계세요」 も「~てください」です。

가세요 は、가다 の 가 + 세요 です。直訳すると「行ってください」となり、계세요は、계시다「その場にいらっしゃる」+ 세요 で「(その場に)いらしてください」となります。どちらも、聞き手に思いやりの気持ちを込めた表現です。

※「맛있게 드세요」 も思いやりの表現です。

韓国では、食堂などで、注文した料理が出てくる時、お店の人はお客さんに  맛있게 드세요 と言います。直訳すると「おいしく召し上がってください」となります。これも、相手を思いやる「ください」です。命令ではありません。日本でも、高級レストランやホテルで「素敵な時間をお過ごしください」と言いますが、それと同じ使い方です。

否定の場合は、語幹に 지 마세요をつけます。

例) 가다 ⇒ 가지
  먹다 ⇒ 먹지
  놀다 ⇒ 놀지

例文) 여기서 담배를 피우지 마세요. ここでたばこを吸わないでください。
   들어가지 마세요. 入らないで(入って行かないで)ください。

※「ここでたばこを吸わないでください」を「여기서 담배를 안 피우세요」としないように注意してください。
「안」を使った否定形は、平叙文となります。 「(으)세요」を使った敬語表現なので、日本語に訳すと「ここでたばこをお吸いになりません(か)」となります。

3 話し手に恩恵がある「~てください」の更に丁寧な表現。

写真を撮ってもらうことを頼む時、専属のカメラマンに対してなら「こちらも一枚撮ってください」のように「~てください」で頼むことができますが、見ず知らずの人に頼むなら「写真を撮っていただけませんでしょうか?」とか「写真を撮ってくださいませんか?」など、更に丁寧なお願いの表現を実際には使います。
これは韓国語でも同様です。

~てくださいますか?

어/아 주시겠습니까?  
어/아 주시겠어요?
疑問文と同じで語尾を上げます。  

例) 사진을 찍어 주시겠어요?  写真を撮ってくださいますか。

~てくださいませんか

어/아 주시지 않겠습니까?
어/아 주시지 않겠어요?
疑問文と同じで語尾を上げます。

例) 사진을 찍어 주시지 않겠어요? 写真を撮ってくださいませんか。

4 婉曲表現の 좀(少し)

「~てください」「ください」という依頼の表現では、좀(少し)を挿入して、表現をやわらげることが多いですが、좀(少し)を入れる位置は決まっています。

➀ 他動詞の場合は、을/를 の位置

例) 물을 주세요 ⇒ 물 좀 주세요. 水をください。
  사진을 찍어 주시셌어요? ⇒ 사진 좀 찍어 주시겠어요? 写真を撮ってくださいますか?

※「좀 이거 가르쳐 주세요」のようにならないよう注意してください。
「~を」の位置に「좀」が入って、이거 좀 가르쳐 주세요. となります。 

➁ 「~하다」は「하다」の前

例) 설명 좀 해주세요. 説明してください。
  안내를 좀 해주세요. 案内してください。

➂ 副詞の前

例) 좀 천천히 말해 주세요. (少し)ゆっくり話してください。
  좀 세게 미세요. (少し)強く押してください。※세다(強い)、밀다(押す)

※「천천히 좀 말해 주세요」のようにならないよう注意してください。

5 敬語表現との違い

(으)세요は、目上の人に対する敬語表現としても使います。

선생님은 몇시에 일어나세요? 先生は何時に起きられますか?
사장님은 내일도 오세요.  社長(様)は明日も来られます。

※ 「命令形」か「敬語形」かは、疑問文の場合はイントネーションで、平叙文の場合は、主語の助詞の有無や、文脈での区別となります。

「~しないで」の形が違うので注意してください。

平叙文では 지 않고
命令文では 지 말고

例) 선생님은 점심시간에도 쉬지 않고 일하세요. (안 쉬고 일하세요)  先生は昼休みも休まないで働きます。
  점심시간에도 쉬지 말고 일하세요. 昼休みも休まないで働いてください。

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