韓国語の「私(私は/私が)」「私たち」6つの一人称使い方徹底解説!
日本語の一人称には「私」「わたくし」「俺」「僕」「おいら」等々、たくさんありますが、韓国語では「わたし」と「わたくし」に当たる単語ふたつしかありません。そのため使い方自体は難しくありません。
また複数形の「私たち」ですが、こちらも基本はふたつだけですので、基本の使い方は難しくありません。この「私たち」に当たる韓国語「ウリ」は、皆さん聞いたことあると思います。しかし、日本語に訳す時に「私たち」とはならない時があります。
ここでは韓国語の一人称の使い方と注意点をまとめました。
目次 ▼
- ○ 1「わたし」は「ナ(나)」
- ・あとに続く助詞によって発音が変わる場合がある
- ・日本語の「私」と基本の使い方は同じ
- ○ 2「わたくし」は「チョ(저)」
- ・「チョ」は謙譲語
- ○ 3「わたしたち」は「ウリ(우리)」
- ・「우리의~」は「私たちの~」
- ・「ウリオンマ(우리 엄마)」
- ・「ウリチプ(우리집)」
- ・親近感を出すために使われることも多い
- ・「ウリドゥル(우리들)」
- ○ 4「わたくしたち/わたくしども」は「チョイ(저희)」
- ・「チョイドゥル(저희들)」
- ○ 5 使えそうなものはフレーズで覚えてしまいましょう。
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
1「わたし」は「ナ(나)」
MBC青少年ドラマ ”私” 〔画像出典 : MBCチャンネル〕
「わたし」も「俺」も「僕」も、すべて「ナ」です。
あとに続く助詞によって発音が変わる場合がある
日本語の助詞『が』に当たる『ガ(가)』が続く時は「ネ(내)」に変わります。
「わたしが」⇒「ネガ(내가)」
日本語の助詞『の』に当たる助詞『エ(의)』が続く時は、合わせて「ネ(내)」になります。
「わたしの」⇒「ネ(내)」
※韓国語の『が』はふたつありますが、ここでは「ネ(내)」が母音で終わっているので「ガ」となります。日本語の「が」と発音同じです。
その他の助詞では「ナ」です。
「わたしは」⇒「ナヌン(나는)」
「わたしに」⇒「ナエゲ(나에게)」
「わたしと」⇒「ナハゴ(나하고)」「ナラン(나랑)」など
日本語の「私」と基本の使い方は同じ
しかし、韓国語では、日本語ほど「主語」を省略しません。そのため「私」「私たち」という一人称がたくさん使われます。
2「わたくし」は「チョ(저)」
わたくし おなかすきました 〔画像出典 : KBSチャンネル〕
韓国語の一人称は、「ナ」と「チョ」、ふたつしかありません。
「わたくし」のあとに助詞『が』が続く時は「チェ(제)」に変わり、助詞『の(의)』が続く時には合わせて「チェ(제)」になります。
「わたくしが」⇒「チェガ(제가)」
「わたくしの」⇒「チェ(제)」
「チョ」は謙譲語
敬語表現も基本的には日本語と同じです。相手を高める尊敬語と、自分を低め、相対的に相手を高める謙譲語があります。「チョ(저)」「わたくし」は、自分を低める謙譲語です。
韓国では、初対面では通常敬語を使うので、「チョ(저)」を使います。
3「わたしたち」は「ウリ(우리)」
私たちは今日から 〔画像出典 : SBSチャンネル〕
韓国人は自分たちの国、韓国のことを「ウリナラ」と言うので、「ウリ」という言葉は聞いたことのある方も多いと思います。国が「ナラ(나라)」です。
「우리의~」は「私たちの~」
「ウリ」は、自分の帰属に対する一体感を表します。日本語の「うちの~」に近いです。
「ウリ フェサ/会社(우리 회사)」⇒「うちの会社」
「ウリ パン/班(우리 반)」⇒「うちのクラス」
「ウリ プモ/父母(우리 부모)」⇒「うちの親」
「ウリ マンネ(우리 막내)」⇒「うちの末っ子」
「ウリ チプ/家(우리 집)」⇒「うちの家(わたしのうち)」
韓国語では、日本語の「の」に当たる助詞「エ(의)」は省略可能です。
また、日本語では、自分の国のことを「うちの国」とは言いませんが、韓国語では「ウリナラ(우리나라)」と言います。この場合も「ウリ」のニュアンスは「うち」です。同様に、自分の国の言葉を「ウリマル(우리말)」と言います。韓国人にとっての「ウリマル」は韓国語です。
※「マンネ(막내)」は兄弟姉妹の一番下の子、末っ子という意味ですが、本当の兄弟姉妹ではなくても、グループやメンバーの中で一番年下という意味でも使います。
「ウリオンマ(우리 엄마)」
兄弟がいなくても自分の母は「ウリオンマ(우리 엄마)」です。同じく自分の父は「ウリアッパ(우리 아빠)」です。「母」が「オンマ(엄마)」、「父」が「アッパ(아빠)」です。「ウリ~」は「うちの~」と訳したほうが日本語のニュアンスに近いです。
「ウリチプ(우리집)」
「家」が「チプ(집)」です。
ひとり暮らしでも「わたしの家/わたしのうち」は「ウリチプ(우리집)」です。
「チプ(집)」の発音は、「チップス」と言おうとして「チッ」で止めてください。それがネイティブ発音です。
住んでいる家は「ウリチプ」ですが、「私の家がほしい」という時の「私の家」は「ネチプ(내집)」「私の家」と言います。
親近感を出すために使われることも多い
韓国の航空会社の飛行機に乗ると
「ウリピヘンギ(우리 비행기)」「私たちの飛行機」
「イピヘンギ(이 비행기)」「この飛行機」
どちらの案内放送もありますが、「ウリピヘンギ우리 비행기」のほうが親近感が出ます。
離陸の直前にはたいてい「우리 비행기는 곧 이륙하겠습니다.」「私たちの(乗った)飛行機は間もなく離陸致します。」という放送が入ります。韓国の航空会社の飛行機に乗ったらよく聞いてみてください。
「ウリドゥル(우리들)」
私たちの幸せな時間
「ウリドゥル(우리들)」は「ウリ」に複数を表す「ドゥル(들)」がついたもので、直訳すると「わたしたちたち」になりますが、意味は「私たち」です。「ウリ」よりも、更に一体感の強い固い絆で結ばれた「私たち」です。範囲が狭く限定されます。
詩的な言葉で、会話ではあまり使いませんが、本や映画のタイトルにはよく使われます。
「ウリドゥレイヤギ(우리들의 얘기)〔私たちの話〕」というタイトルの本や映画がたくさんあります。「固い絆で結ばれた仲間たちの物語」というニュアンスになります。
4「わたくしたち/わたくしども」は「チョイ(저희)」
わたくしどもといっしょにいました。 〔画像出典 : KBSチャンネル〕
謙譲語です。敬語で話す時や初対面では「チョイ」が適切です。
ハングルは「ヒ(희)」ですが、発音は「イ」になります。
基本の使い方は日本語の「わたくしども」と同じです。しかし、この頃は「チョイ(저희)」の使い方を間違っている韓国人が、特に若い人の中で多く、敬語を正しく使いましょうとあちこちで啓蒙運動をしています。
「チョイドゥル(저희들)」
「チョイ(저희)」と意味の差はありません。
「ウリ(우리)」と「ウリドゥル(우리들)」の関係とは違います。
5 使えそうなものはフレーズで覚えてしまいましょう。
音声で聞いて耳から覚えてしまうと効果的です。韓国行っても使えますし、ドラマでも聞き取れるようになります。
他にも、自己紹介の表現、挨拶表現、韓国に旅行に行った時使える表現等々を、ぜひ一緒に見ておいてください。そして、韓国へ行った時に使ってみてください。言葉が通じると楽しいですし、ドラマを見て聞き取れるとうれしいですよね。
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監修者
<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。
内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。