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韓国の暮らし(05)【赤ちゃん・子供】

韓国の赤ちゃん養育事情〔胎名、胎教、百日祝い、名前〕

投稿日:2019年12月21日 | 最終更新日:2023年10月25日

韓国では、赤ちゃんが生まれる前から、お腹の中の赤ちゃんに教育をします。生まれてからも、たくさんのお金をかけて育てます。

目次 ▼

1 お腹の中にいる赤ちゃんに、お腹の中にいる間だけの名前をつけます。

お腹の中の赤ちゃんに話しかけるときには、名前を呼んだほうがいいのですが、生まれる前なので、まだ名前がありません。

韓国では、生まれる前に、病院で赤ちゃんの性別を教えてくれません。法律で禁じられています。

韓国では、祭祀も、年老いた親の面倒も、全て長男の役割です。長男がいないと何もできません。ですので、以前は、お腹の中の赤ちゃんが女の子だとわかると堕胎しまうことがありました。
今では、そのようなことはないのですが、少し前まで、そのようなことが行われていたため、医者がお腹の中の赤ちゃんの性別を教えることを法律で禁じました。
でも、生まれる前くらいになると、実際は、それとなく教えてくれます。「そろそろピンクの服を準備したほうがいいですね」とか、言ってくれるのでわかるのですが、それでも、生まれる1か月とか2か月前です。それまでは、赤ちゃんの性別がわかりませんから、名前をつけられません。

それで、韓国では胎名(태명・テミョン)という、赤ちゃんがお腹の中にいるときだけの名前をつけて呼びます。

胎名(テミョン)は、赤ちゃんの健康や幸せを祈願したり、子供ができた喜びを名前にすることが多いです。例を挙げると、福の塊(복덩이)、丈夫な子(튼튼이)、お利口さん(똘똘이)、愛ちゃん(사랑이)、かわいい子(이쁜이)などが多いですが、自分のニックネームからつけたり、両親の名前を半分ずつとってつなげたり、いろいろあります。

芸能人が妊娠を発表する時は、胎名もいっしょに発表することが多いです。

2 お腹の中の赤ちゃんのために、胎教(태교・テギョ)を行います。

胎教は、胎児教育の略で、一般的な胎教は、本を読み聞かせたり、音楽を聞かせることです。

赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいる妊娠20週(5か月)くらいから音を聞き分けることができるようになり、7~8か月くらいから、母親や父親の声を覚えると言われています。

一般的な胎教は、本を読み聞かせたり、音楽を聞かせることです。

どんな音楽が、胎児の頭脳の発達にいいのか、どんな本を読み聞かせるのが、胎児の頭脳の発達にいいか、これからママになる予備ママたちは、インターネットなどで情報を集めています。

胎教では運動も行います。運動の中では胎教ヨガが一般的です。

最近は、これらの一般的な胎教だけでなく、胎教数学や胎教英語が人気だそうです。

胎教英語というのは、予備ママが英語の勉強をするのですが、胎児の頭脳の発達にいいそうです。
胎教英語教室もたくさんありますし、本もたくさん出ています。

韓国では、胎教をしていない予備ママはいません。

もし、何も胎教をしていないと言ったら、びっくりされます。
胎教で、赤ちゃんの頭脳が本当に発達するのかわかりませんが、専門家たちは、胎教は、予備ママがリラックスすることが一番大事で、英語でも数学でも、楽しく勉強できるなら効果があるけど、それがストレスになるようなら逆効果だと言っています。

3 帝王切開率が世界一です。

帝王切開率が世界一です。

4 新生児もどんどん大きくなっています。

韓国の新生児は、生まれた時の体重が、男の子が平均で3.36kg、女の子が3.26㎏です。

日本は平均で、男の子が3.0kg、女の子が2.95㎏です。

ですので、韓国の赤ちゃんは、日本の赤ちゃんより、ひと回り大きい計算になります。

実際、日本にいる韓国の親たちは、自分の子供が、韓国では平均なのに、日本では大きいほうになる、と言う人が多いです。そんなこともあって、韓国人の間では「日本人=小さい」という公式(공식)のようなものができています。

韓国では、病院へ行って検診を受けると、身長や体重が、同じ年の子と比較して、100人中で例えると何番目くらいかを教えてくれます。

新生児(出生時)の身長と体重 百分位数

「お子さんの身長は、100人中60番目、体重も60番目くらいです」というように。

日本の平均的な大きさの赤ちゃんだと、韓国では「100人中、下から20番目くらいです」と言われます。

日本では、ある程度の幅に入っていれば問題ないと言います。多少平均より小さくても、お母さんに過度に心配させないようにしているように思います。平均より小さいと親はやっぱり焦りますよね。

子供が大きく育つか小さく育つかは、やはり親の責任です。

新生児の時の体重が大きいほうが、その後のIQ(知能指数)が高いという調査結果も、オーストラリアやイギリスで発表されてます。
お腹の赤ちゃんが大きくなるように、韓国のお母さんはとっても頑張ります。

5 子供の名前は、四柱を見てくれる「作名所」へ行ってつけてもらいます。

韓国では、子供の名前をつける時、作名所(작명소)へ行きます。街の中で、のですが、

お寺の印「卍」があるところが、哲学館と言って四柱とかを見てくれます。

哲学館で、名前をつけることもやっています。四柱を基に、いい名前をつけてくれます。

名前は、子供の生まれた日や時間や場所、そして両親の名前や生まれた日や時間や場所から決めます。

昔はひとつだけ出してくれましたが、最近は10個くらい出してくれて、そこから選ぶようになりました。10個決めてもらって20万ウォンくらいです。
教会に通っている人の中には、教会式の名前をつける人もいますが、一般的には、だいたいみんな作名所へ行ってつけてもらうのが普通でした。しかし、

最近は、オリジナルの韓国語の名前が増えていて、作名所へ行かない人たちが増えています。

6 赤ちゃんを産むと、生活が苦しくなります。

韓国では、赤ちゃんを育てるのにとてもお金がかかります。ベビー服も子供服も、最近はみんなブランドですし、ベビーカーも三輪車も子供のおもちゃも、みんな高級化しています。そのため、

以前に比べて、赤ちゃんや小さい子供にかかる平均費用が上がっています。

拡大する赤ちゃんブランド ベビーカー200万ウォン

赤ちゃんに食べさせる離乳食は、オーガニックが基本です。オーガニックは、とても値段が高いです。

消費者物価指数 1.76%上昇  育児物価指数 8.13%上昇

自分の子供には、いい物を食べさせたい、いいものを着せたい。自分の子供には少しでもいいものを、と親は考えますし、また、周りがブランド品を使っていて、それが流行していたら、韓国では、流行に乗らないわけにはいきません。

韓国では流行に乗らないで生きることはとても難しいです。

そのため親たちは、借金してでも子供のために流行品を買います。

そんな様子を皮肉って、ベイビープア(베이비 푸어・Baby Poor)と言っています。

ベイビープアーというのは、「子供のために無理してお金を使って貧乏になる」そんな感じの意味です。

例えば、ベビーカーですが、韓国ではこんなスタイルのベビーカーが、今では一般的です。

赤ちゃんの位置が高くなり、母親と目の高さを合わせやすくなるというのが人気の理由です。

左が以前までのベビーカー、右が最近のベビーカーです。赤ちゃんの座る位置が全然違います。

今では、どの売り場も、このタイプばかりです。大きく見えますが、折りたたむ時は、上からつぶすようにするとぺちゃんこになります。意外と軽いのですが、つぶしてもそれなりに大きいので、小さい車のトランクには入りません。

人気のタイプのベビーカーは、みんな輸入品で高いです。

安くても80万ウォン、高い物は200万ウォン以上します。一番人気は、ノルウェーのストッケ(Stokke・스토케)、そしてオランダのクイニー(Quinny・퀴니)やドレル(Dorel・도렐)、アメリカのバガブー(Bugaboo・부가부)などです。
韓国で人気のこれらのベビーカーは、本国では値段が高いため、あまり売れていないそうで、韓国でだけ大ヒットしているそうです。
以前は日本のアップリカもとても人気があったのですが、こちらは今は全然です。

7 百日祝いをします。

昔は乳児死亡率が高く、生まれて百日以内に死んでしまう赤ちゃんが多かったためです。百日まで生き残ったら、あとはもう安心だとお祝いをしました。日本も同じだったみたいですけど。
現代では、医療技術が進歩したため、乳児死亡率が下がり、百日祝いの意味は、実際にはなくなったのですが、韓国では習慣として、今もお祝いをしています。
1歳の誕生日パーティー(돌잔치)のように、パーティー会場を借りてやることはあまりなくて、

記念写真を撮ってアルバムを作るなど、簡単にやることが多いです。

最近は、写真屋も、百日だけでなく、五十日とか、二百日とか1歳とか、成長を記録したアルバムをセットにしていることが多いです。ですので、アルバムを作るだけでも50万ウォン以上します。

韓国では、百日というのは、とても大事な日です。

赤ちゃんが生まれて百日目のお祝いだけでなく、いろいろなところで百日目にお祝いをします。
例えば『恋人と出会って(つきあいはじめて)百日目』、男性が、この日を忘れたら、韓国では即お別れですし、『結婚百日目』に、男性が忘れて、何もプレゼントがなかったら大げんかになります。
『大学入試(수능시험)百日前』には、「いよいよあと百日だ」と受験生はお互い声をかけてラストスパートです。

8 ベビーカーでバスや地下鉄に乗るのは、肉体的にも精神的にも、とても苦労します。

バスには、ベビーカーや車イスでも、楽に乗り降りできる低床バスがあります。

法律で低床バスを導入するよう義務付けられていますが、実際は数が少なく、なかなか来ません。

来ても、欧米のように、運転手が手伝ってくれたりするわけではなく、逆に、あからさまに嫌な顔をされたりします。

地下鉄では、駅にエレベーターが設置されてはいても、端のほうにあったりします。

乗り換えの時には、あっちに行って、こっちに行ってと、複雑に行ったり来たりしなければならない駅も多いです。
新しい路線では、はじめからエレベーターが計画的に設置されていますが、古い路線では、あとからエレベーターを設置する時、設置しやすいところに設置したからです。

一般的に、ベビーカーで地下鉄やバスに乗ることに対する韓国人の意識は否定的です。

あからさまに嫌味を言われることもあります。ですので、お金のある人たちは、皆、車を使います。ベビーカーごと車に載せて移動します。
なので、ベビーカーでバスに乗ろうとすると、「車も買えない貧乏人」と思われ、「一般人に迷惑かけずに家にいるか、車を買って車で移動しろ」そんなふうに思われます。

欧米ではベビーカーにとても優しいようですが、日本もあまり優しくないですよね。

日本人は、韓国人のように、思ったことをすぐ口にしないだけじゃないかと思います。赤ちゃんといっしょに電車に乗っても、優先席を譲らない若い人が大勢いて、外出するたび嫌な気分になりました。韓国よりはましですが、欧米と比べたら五十歩百歩ではないかと思います。

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