韓国語の「マシッケトゥセヨ(おいしく召し上がって下さい)」は、命令ではありません。

おいしく召し上がってください。ご注文いただきありがとうございます。
(맛있게 드세요. 주문해주셔서 감사합니다.)
目次
- ○ 韓国では、注文した料理を持って来た時「マシッケトゥセヨ(맛있게 드세요)」と言います。
- ・「マシッケトゥセヨ」は挨拶言葉というか、決まった表現です。
- ・直訳すると「おいしく召し上がってください」となります。
- ○ 確かに「召し上がってください」と「~てください」になるのですが、
- ・「足元、気を付けてください」は相手を思いやる気持ちで話しています。
- ・「頑張ってください」という応援も、相手を思う気持ちです。
- ・「おいしく召し上がってください」も、相手を思いやる、そう願う気持ちの「~てください」です。
- ○ また、「おいしく召し上がってください」の「おいしく」の部分に疑問を感じる人もいるようですね。
- ・日本でも「どうぞ素敵な時間をお過ごしください」という表現を使いますよね。
- ・「マシッケトゥセヨ(おいしく召し上がってください)」は、「どうぞ素敵な時間をお過ごしください」くらいの意味だと考えるといいと思います。
韓国では、注文した料理を持って来た時「マシッケトゥセヨ(맛있게 드세요)」と言います。
配達(出前)を持って来た時も、料理を渡しながら「マシッケトゥセヨ」と言います。
「マシッケトゥセヨ」は挨拶言葉というか、決まった表現です。
しかし、日本では使わない表現のため、はじめて聞いた時は、少し戸惑うようですね。そして、
直訳すると「おいしく召し上がってください」となります。
命令形と感じる人も多いようです。
確かに「召し上がってください」と「~てください」になるのですが、
「~てください」には、いろいろな使い方があります。例えば、
「すみません。写真を撮ってください。」とお願いをしたり、
先生が生徒に「はい、前を見てください。」と指示したり、
「濡れているので、足元、気を付けてください。」と注意を促したり、
「頑張ってください」と応援したり、さまざまな使い方がありますが、
「足元、気を付けてください」は相手を思いやる気持ちで話しています。
命令ではないですよね。
「頑張ってください」という応援も、相手を思う気持ちです。
映画『トトロ』の中に、小学生のさつきが、病気のお母さんに「お母さん、早く、病気、よくなってください」と手紙を書くシーンがありますが、「早く病気よくなってください」も「そうなってほしい」と願う気持ち、相手を思いやる気持ちですよね。
「おいしく召し上がってください」も、相手を思いやる、そう願う気持ちの「~てください」です。
命令ではありません。
また、「おいしく召し上がってください」の「おいしく」の部分に疑問を感じる人もいるようですね。
「味がおいしいかどうかは、こっちの判断だ」「そんなこと言うならおいしく作ってから言え!」と思われる方もいるようですが、高級レストランやホテルなどでは、お客さんに対して「どうぞ素敵な時間をお過ごしください」という表現を使いますよね。
日本でも「どうぞ素敵な時間をお過ごしください」という表現を使いますよね。
「素敵かどうかはこっちの判断」ですが、この表現は、そういう意味ではなく、ここにいる間は「一番いい、最高の状況」を願っています、という、話し手の気持ちの表れですよね。お客さんのほうも、その「気持ち」を受け取っていますよね。それと同じです。ですので、
「マシッケトゥセヨ(おいしく召し上がってください)」は、「どうぞ素敵な時間をお過ごしください」くらいの意味だと考えるといいと思います。
⇒「サランヘヨ」は「愛してる」、「ファイティン」は「ファイト」でだいたい合ってますが。
⇒よく耳にする韓国語、その意味と使い方編 「目次」