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韓国の暮らし(12)【気候・地理・温泉・市場・登山】

韓国の温泉について、韓国人の視点で紹介します。

韓国の温泉事情、そして、人気の温泉地をご紹介します。



 

目次

韓国にも温泉があります。数だけなら400くらいあります。

ほとんどの温泉は、地中深くを掘って出てきた温泉です。

韓国人は、掘って出た温泉と、自然に湧いて出ている温泉を特に区別しません。どちらも温泉には変わらないからです。お湯を見ても、区別はできませんよね。

韓国の温泉は、ほどんどが源泉温度40度以下です。

そのままでは、お風呂としてはぬるいです。

温泉は、スパか、ホテルの部屋のお風呂か、日帰り温泉施設です。

温泉と言うとスパです。

昔は「温泉」というと、おじいさん、おばあさんのイメージでした。そのため、温泉地では、若い人たちに来てもらおうと、スパ、ウォーターパークを作って、若い人たちにアピールしました。
また、源泉温度が40度以下だと、そのままではお風呂としてはぬるくて沸かさなければなりません。でも、スパなら、そのまま使えます。
そんなこともあって、韓国では、温泉と言うとスパです。

温泉地のホテルのお風呂は、普通の浴槽です。

家族風呂(가족탕・家族湯)と言います。

日帰り温泉施設

日本の日帰り温泉施設と似ているところもありますし、全て水着着用のところもあります。

数は少ないですが、銭湯のような温泉もあります。

ここは、韓国でただひとつの自然湧出温泉です。

韓国で、自然に湧き出ている温泉は、実はひとつしかありません。

ドック(덕구・徳邱)温泉は12世紀ころからある由緒ある温泉です。

歴史的には、唯一の貴重な温泉ですが、この温泉は全然有名ではありません。韓国人でも知らない人が多いです。

場所は、東海岸沿いで、ちょっと中に入った所です。

赤い〇がソウル、赤い☆がドック(徳邱)温泉です。

ソウルからだと、高速バスで4時間くらいです。東ソウルターミナルから直通のバスが出ています。

温泉と言っても、ドック観光ホテルがあるだけで、その中にスパワールドがあります。

スパですから水着を着て入ります。

屋外には、露天風呂もあります。

ホテルから少し山のほうに、お湯が湧き出ている所があって、見ることができます。

これでは、自然に出てるのかわかりにくいですね。源泉の温度は42度くらいだそうです。

東海岸も、この辺は一番田舎で、ここまで遊びに行く人は少ないです。実は私も行ったことがありません。スパに行くだけなら、新しくてきれいな所が、他にたくさんありますから。

ここは、韓国で唯一、温泉玉子ができる温泉です。

源泉温度が78度と、韓国で一番熱いお湯が出る所として知られています。

プゴク(부곡・釜谷)温泉です。

この温泉も、自然に湧き出ているのではなく、1973年に発見され、掘り出した温泉です。温泉が出たので、

80年代に入り、プゴクハワイというスパ&温水プールのレジャー施設ができました。

私も昔行ったことがありますが、温水プールに、人がとにかくいっぱいいた記憶しかありません。
昔は、レジャー施設は他にありませんでしたから、釜山方面の人たちは、み~んながここへ来ました。そんな韓国のレジャー施設、テーマパークと言います、その草分け的存在です。

その後、総合レジャー施設へと変貌して、ウォーターパークになりました。

場所は、釜山から直線距離で50キロくらいで、市内からは、バスで1時間ちょっとです。

赤い〇が釜山、赤い☆がプゴク(釜谷)です。

しかし、残念ながらプゴクハワイは、2017年に潰れてしまいました。

今は、ホテルが何軒かあるだけの普通の温泉街です。

桜の季節にはフェスティバルが行われます。

ホテルの中で、一番有名で、口コミのいいのが、ローヤルホテルです。

宿泊もできますが、プゴク温泉で人気なのは、家族風呂(家族湯)です。プゴク温泉のホテルは、どこも家族風呂目当てに来る家族連れに人気です。

家族風呂と言っても、ホテルの部屋のお風呂に、家族一緒に入るだけです。

お風呂は、かなり広くて、家族一緒に十分入れる広さですが、見かけは、普通のお風呂と変わらないので、日本の方には温泉気分は出ませんね。露天風呂もありませんし。
ですので、日本の方が、わざわざ行くほどではないかもしれませんけど。

家族風呂は、平日は3時間で4万ウォン、週末は、2時間30分で4万ウォンです。

昼間は家族風呂で部屋を使用するため、チェックインが平日18時、週末19時と遅いです。

韓国では、ホテルの部屋の中のお風呂が温泉で、その温泉に入ることを目的にホテルに来る人たちがけっこういます。

釜山の新世界百貨店の中には、日帰り温泉、スパランドがあります。

新世界百貨店セントムシティー店(신세계백화점센텀시티점)です。

デパート建設のために地下を掘っていたら温泉が出てきたので、ついでにスパを作ってしまいました。釜山あたりでは、地面を掘ればけっこう温泉が出ます。

この「スパランド(스파랜드)」の特徴は、大人の雰囲気です。小学生以下は入れません。

以前は12歳以下は入れなかったのですが、小学生以下になりました。

天井が高く、開放的な雰囲気です。

お湯は、地下560mと地下1000mから、違う種類のお湯が出るため2種類の温泉を同時に楽しめます。

露天風呂は、女性のほうだけにあります。

代わりに、男性のほうは、サウナがよっつあります。
2階部分と1階部分があって、このエリアにチムジルバン(찜질방)がたくさんあります。



全体的に「ラクーア」っぽさを感じました。

新世界百貨店は、地下鉄2号線のセントムシティー駅からすぐですから、日本人の方でも行きやすいと思います。
昼は市内観光をして、夜、時間があったら、いかがでしょうか?

釜山のトンネ温泉(동래온천・東来温泉)の日帰り温泉です。

ホテル農心(호텔농심)内のホシムチョン(허심청・虚心庁)です。

ホテルは、元々は、東来観光ホテル(동래관광호텔)といったのですが、「辛ラーメン」を作ってる農心(농심)が買収し、ホテル農心になり、日帰り温泉施設を作りました。

1500人収容の東洋一の規模を誇ります。

源泉温度は38度から67度と、かなり高いです。

お風呂も40以上と、これも東洋一を誇ります。

ホシムチョン(虚心庁)の宣伝文句は『温泉の国の日本人が一生に一度は訪れたいと願うホシムチョン(虚心庁)』です。

ソウルから行く人気の温泉スパふたつ

赤い〇がソウル、赤い☆が「アサンスパビス(아산스파비스)」、青い☆が「テルメデン(테르메덴)」です。

スパやウォーターパークはたくさんあります。でも、せっかくなら、温泉のスパがいいですよね。
韓国の若者たちは、温泉かどうかは気にしませんけど。

アサンスパビス

アサン(아산・牙山)は地名です。ここは、クモ(금호・錦湖)財閥グループのクモ(錦湖)リゾートが経営しています。クモ(錦湖)はアシアナ航空を持っている大きな財閥です。

焼き物で有名なイチョン(이천・利川)にあるテルメデンです

ここは「韓国最初のドイツ式温泉リゾート」が売りです。「ドイツ式温泉リゾート」がどういうものなのかは、私もよくわかりませんが、行けばきっとわかると思います。

どちらも、だいたい地下700mからくみ上げていて、温度は36度から38度くらいです。

ソウルから行ける、人気の日帰り温泉です。

ソウル市の中心部から、西北西に直線距離で50km、インチョン国際空港の北、約20kmのところに、ソンモド(석모도・席毛島)があります。すぐ東がカンファド(강화도・江華島)です。
ソンモド(席毛島)に行くには、以前は、カンファド(江華島)からフェリーで行かなければならなかったのですが、2017年6月に、席毛大橋が開通し、ソウルから、車で簡単に行けるようになりました。

ソンモド(席毛島)に、ソンモミネラル温泉があります。

きれいな夕日が見られます。

温泉と言っても、水着を着て入ります。

人気の露天風呂です。
温泉は、もちろん、地下を掘っています。

地下500m近いところから、51度のお湯を掘り出しています。

51度あるので、源泉かけ流しだそうです。それも、この温泉の売りです。
ソンモド(席毛島)には、温泉以外にも、見どころとして、普門寺(보문사)もありますし、海辺の夕日もきれいです。そして、温泉から上がってから、近くの海辺のさしみ屋でさしみを食べるのも、韓国人のコースになっています。

韓国政府は、温泉の整備に力を入れています。

これからの高齢化社会の保養促進のため、そして、観光産業の活性化のためです。

そのために、保養温泉という制度を作りました。

保養温泉(보양온천)は、温泉水の温度や成分、利用施設、環境条件などが、健康促進、心身療養に適合していると認定された温泉で、一般の温泉より格が上の、差別化された温泉です。

保養温泉という制度は、日本のまねです。

韓国は、日本に比べて温泉地の整備が遅れています。海外観光客を誘致するため、日本の制度をまねして、なんとか追いつこうということです。

日本の「保養温泉」という制度は1954年にはじまった制度で、全国の温泉地3026カ所のうち、わずかに91ヶ所しか指定されていません。

ですので、保養温泉は、差別化された特別な温泉だと、韓国では紹介されています。

日本で、保養温泉という言葉を聞いたことがないので、ちょっと調べてみました。

国民保養温泉地というようです。でも、91カ所の中に、草津温泉も熱海温泉も入っていません。城崎温泉も有馬温泉も道後温泉も入っていません。国民保養温泉地という制度は、日本ではお役人が勝手にやっているだけで、実際に、観光客が温泉地を選ぶ基準には、まったく役に立っていません。
でも、韓国のお役所では、そんな、日本の役に立たないお役所仕事のまねをしています。役人は、どこも考えることが同じなのでしょうかね。

しかし、韓国では、『保養温泉』というと、日本の温泉のような特別な温泉だと、そんな、いいイメージになっています。

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