Column コラム

Column

HOME//コラム//韓国で一番の観光地はソラクサン(雪岳山)

韓国の暮らし 8【気候・温泉・旅行・余暇・宗教・映画・ペット・鳥】

韓国で一番の観光地はソラクサン(雪岳山)

投稿日:2020年6月30日 | 最終更新日:2024年3月4日

韓国人にとって、韓国で一番の観光地は「ソラクサン(雪岳山)」です。ソラクサン(雪岳山)について、詳しくご案内します。

目次 ▼

1 韓国人のおすすめの観光地は『ソラクサン(雪岳山)』

韓国へ行く日本人の中には、ソウルや釜山だけでなく、韓国のいろいろなところへ行く人が最近は少なくないですよね。でも韓国人に「韓国の中で旅行に行くおすすめはどこか」と聞いたら『ソラクサン(설악산・雪岳山)』と答える人が多いです。

ソラクサン(雪岳山)は標高はあまり高くないけれど韓国的な美しさのある山

プサン(부산・釜山)よりもキョンジュ(경주・慶州)よりも、韓国で「いいところ」と言えばソラクサン(설악산・雪岳山)です。

チェジュ島(제주도・済州島)は韓国っぽくなくていいところ

東京の人にとって、北海道や沖縄が、日本っぽくなくていいところなのと同じです。

2 ソラクサン(雪岳山)は山脈が広いエリアに広がった山岳地帯の名称

日本で言うと「北アルプス」とか「南アルプス」とかの感じです。

ソラクサン(雪岳山)という「山」は存在しない

エリア全体が国立公園に指定されています。

広さは日本の「尾瀬国立公園」と同じくらい、

東京ドーム8000個分です。
ピンと来こないかもしれませんが、とにかく、広いエリアがソラクサン(雪岳山)です。

3 ソラクサン(雪岳山)へ行くにはまず東海岸にあるソクチョ(속초・束草)へ行く

ソウルからソクチョ(束草)までは、高速バスで2時間半くらいです。高速道路が開通して早く行けるようになりました。

ソクチョ(束草)からはバスなどでソラクサン(雪岳山)観光の入口「雪岳山小公園」へ入るのが一般的

青い☆が高速バスターミナル、赤い☆が雪岳山小公園

ソクチョ(束草)から雪岳山小公園まではバスで30分です。ただ、雪岳山小公園に行く道は、紅葉のシーズンなどは大渋滞します。ですから、皆、だいぶ手前の駐車場に車を止めたり、途中でバスを降りて歩いて行きます。

雪岳山小公園に入る

入場料は大人が11,000ウォンです。この10年で4倍以上になりました。韓国は本当に物価がどんどん上がります。

公園では熊が出迎えてくれて、みんなここでまず記念撮影

この公園から山に登るのですが、一番楽なのはロープウェイです。

標高700mまで5分で連れて行ってくれる

日本語のロープウェイもケーブルカーも、韓国語ではどちらも「ケーブルカー(케이블카)」です。
2008年に最新式のものに取り替えられました。スピードも速くなり、また、一度にたくさん乗れるようになったため、ピークシーズン以外はほとんど待ち時間がなくなりました。

ロープウェイを降りたあたり一帯は「クォングムソン(권금성・権金城)」

城と言っても山城で、日本にあるような立派な城とは違います。「権金城(권금성)」は「権氏(권씨)」と「金氏(금씨)」が作った城という意味です。名字の金は今はキム(김)と読みますが、昔はクム(금)と読みました。元が襲来した1254年には、ここにたくさんの人が逃げ込んで来たと言われています

クォングムソン(権金城)からはソクチョ(束草)の町や海が見える

4 ソラクサン(雪岳山)で一番高い山が大清峰(대청봉)〔1708m〕

デチョンボン(大清峰)まで行くのは本格登山になります。

権金城から往復で10時間から12時間くらい

普通は山小屋での1泊が必要です。
雪岳洞小公園の中の案内版では、大清峰まで11kmと出ています。
ロープウェイで権金城まで行って、そこからでも行けますが、大清峰は広い国立公園のどこからでも行けます。

道はかなりハードらしい

しかし景色は抜群だそうです。

韓国的な山の風景

ここは恐竜稜線と言います。

下の渓谷から見るとかなり見上げる感じ

残念ながら私は大清峰までは行ったことがありません。途中にある華彩峰(화채봉)〔1328m〕までです。華彩峰(ファチェボン)までなら、往復4時間~5時間ですから、ハイキング気分で行くことができると思います。私はそれでもけっこうきつかった思い出があります。

5 山に登らず手軽にハイキングできるコースもある

飛龍瀑布(비룡폭포)へ行くコース

「瀑布」は「滝」の意味で、このコースは小さな滝を見に行くコースです。ほとんど急な上りもなく、雪岳山小公園から往復で1時間半くらいなので登山の準備は必要ありません。手ぶらで行く人も多いですし、子供連れのファミリーはこのコースです。中にはソウルからふらっと来たのか、おしゃれな服装のハイヒール女性も見かけます。いくらなんでもハイヒールでは大変じゃないかと思うのですが、何も考えないで来ちゃったんでしょうね。けっこう見かけます。

このコースはスタートしてしばらくは緩いアップダウンしかない

途中にお店がある

お店にはお酒もあります。韓国のおじさんたちはこういうところでお酒を飲むのが好きで、お酒を飲みながら話をするのも登山の楽しみのひとつになっています。登山同好会は健康作りと社交を兼ねています。

最後のほうはやや急な上り

滝がゴール

大きな滝ではありません。夏には子供たちは浅いところで水に入って遊んでいます。
秋の紅葉のシーズンにはたくさんの人が訪れます。
ソラクサン(雪岳山)をちょっと歩きたい人にはおすすめです。

6 韓国は山へ行くと寺がある

日本では、お寺は町の中にありますよね。
韓国ではお寺と言えば山の中です。ソウル市内に有名なお寺がいくつかありますが、それはむしろ例外で、お寺と言えば山、山と言えばお寺のイメージです。

韓国は朝鮮時代〔1392年~1897年〕に、国としては仏教をやめて儒教をとったから

仏教をやめたと言っても、お坊さんの中には仏教信仰の強い人たちもいました。その人たちは山奥に逃げて信仰を続けました。そのため韓国では「寺」と言えば「山奥」に残ったものになりました。

ソラクサン(雪岳山)エリアにもいくつか寺があります。

白潭寺(백담사)が有名

ソラクサン(雪岳山)エリアは広いので、一般的には雪岳山小公園などのある東側(海側)を外雪岳、西側(内陸側)を内雪岳と言っていますが、白潭寺(ペクタムサ)は内雪岳側になります。
チョンドゥファン(전두환・全斗換)大統領が死刑判決を受けたあと流配された寺としても有名です。

山門にも『内雪岳白潭寺』

有名ですが、ここは車がないと行きにくいです。ソラクサン(雪岳山)エリアで一番行きやすいのは、

雪岳山小公園近くの新興寺(신흥사)

小公園から山門をくぐって少し行くと大仏がある

『雪岳山 新興寺 統一大仏(설악산 신흥사 통일대불)』と言います。南北統一を祈願して1987年に作られました。ちょっと「鎌倉大仏」っぽいでしょうか?

小川を越えると左手に寺が見える

創建自体は古いのですが、何度か火事にあい、一度廃寺になったあと1934年に再建されました。今ある建物は1847年のものだそうです。

ソラクサン(雪岳山)を背景にするときれいな写真が撮れる

この角度の写真はきれいに写真が撮れるスポットとして有名です。紅葉の時期には、たくさんの人がここで写真を撮っています。
新興寺(シヌンサ)の前の道をそのまま上がっていくと、揺れ岩(흔들바위)や蔚山岩(울산바위)に行きます。このコースも登山コースのひとつです。

7 ソラクサン(雪岳山)で山登りを楽しんだあと港で新鮮なさしみを食べる

雪岳山の玄関口であるソクチョ(束草)は港町です。ですから、雪岳山を楽しんだ後は、たいてい港へ行って新鮮な刺身を食べます。

「本格登山」と「新鮮な刺身」を同時に楽しむのが韓国流

赤い〇がテッポハン(大浦港)、赤い☆がソラクサン(雪岳山)小公園、青い☆がソクチョ(束草)高速バスターミナル
雪岳山小公園からテッポハン(大浦港)まで直線距離で約10㎞です。

埋立地に新しい建物を建てて、店は全てその中

「大浦港 水産市場」とあります。
以前は、細い道の両側にさしみ屋等の屋台が並んでいて風情があったのですが、韓国では古いものはどんどん新しくします。

新しくてきれいですが独特の雰囲気はなくなった

さしみ屋を集めた建物がふたつとてんぷら屋を集めた建物ひとつ

オジンオスンデ(오징어순대)が名物

「これで〇万ウォン」と呼び込みしている

さしみ屋の建物は、手前の建物より奥の建物のほうが呼び込みをしている人たちの値段は安いようです。

店の中は細長くて10人も入るといっぱい

隣の店との間には壁がないのでうるさいです。食事後にもうひとつのさしみ屋の建物をよく見てみると、そこは隣の店との間に壁がありました。だから値段が少し高いのかもしれません。

狭い所で魚をさばく

店の中から見たところです。

これで今だと10万ウォンくらいか、もう少し安いか

他にテーブルセット代がかかります。

メウンタンを頼むと別の場所で作って持って来る

以前も、屋台のさしみ屋でメウンタン頼むと、向かいの店の調理場などを借りて作って持って来ましたからシステムは同じです。
狭くて窮屈でしたが、さしみもメウンタンも安くておいしかったです。

港は整備してきれいになった

でも趣がなくなった感じで、どこにでもある風景です。
テッポハン(大浦港)も他の港と同じような感じになってしまいました。その点は残念です。

※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?

楽しく韓国語を学ぶなら新大久保の韓国語教室ハングルちゃんにお任せください。
ハングルちゃんは
① リーズナブルな料金システム
② 講師は全員韓国生まれ韓国育ちの優しい韓国人
③「話せるように」を目標とした会話中心のレッスン
④ 防音設備の整った清潔な教室
体験レッスン無料です。

コラム一覧

監修者

監修者の写真

<出身大学>

新丘大学家庭教育学部

<略歴>

ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

監修者の写真

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)

韓国語教室ハングルちゃん代表

<資格>

通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)

<出身大学>

京都大学農学部卒業

<略歴>

東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。