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韓国の暮らし 2【家・お金・ショッピング・車・自転車】

韓国のアパート、ビラ、マンション事情

投稿日:2019年11月22日 | 最終更新日:2024年3月4日

韓国では、日本で言う高層マンションを「アパート」と言い、低層のマンションを「ビラ」と言います。都市部を中心に、韓国ではアパートやビラに住むのが一般的です。そんな、アパートやビラについて、詳しくご紹介します。

目次 ▼

1 日本の高層マンションを韓国ではアパート(아파트)と言う

アパートは部屋も広く、また管理人がいるので、ゴミをいつ出しても大丈夫ですし、不在の時に宅配便なども受け取ってくれます。管理人が掃除などもしてくれますが、その分管理費がかかります。
アパートは、韓国語では「アパトゥ(APT)」に近い発音になります。

「アパート」は本来の英語では「アパートメント(apartment)」です。

アパート(高層マンション)の地下は駐車場

地上部分に駐車場があって車を止められるアパートが多いですが、それだけでは足りないので、どのアパートでも地下に駐車場を作ります。

韓国では、お金持ちだけでなく、普通レベル以上の人はソウル市内でも車で動きます。ですから、アパートにはたくさんの駐車スペースが必要です。普通は1世帯に2台以上の計算で駐車場を作ります。そのため地上だけではどうしても足りないので地下に作ります。地下の駐車場だとエレベーターで降りてすぐ車に乗れるので、雨や雪の日はとても便利です。会社の駐車場も地下にあれば雨の日でも傘が要りません。それに、寒い日でもほとんど外に出ないで済むので厚着をしなくてもいいですし、地下の駐車場は本当に便利です。
ただ、夜遅い時間はちょっと怖い感じがしますが、監視カメラもありますし、アパートにはたいてい24時間管理人がいますから大丈夫です。

車を止める場所は特に決まっていない

みんな空いているところに止めます。ですのでエレベーターに近いところから埋まります。夜遅い時間になると駐車スペースがなくなり、通路に止める人も出てきます。

止めるスペースがない時は止まっている車を塞ぐように止める

それしか方法がありません。その時はサイドブレーキを引かず、ギアもニュートラルにしたままにします。そうすれば手で押してどけることができます。

この写真はショッピングセンターの地下駐車場です。自分が止めた車の前に車を止められると、車を出す時に2台も3台も手で押して動かさなければならない時があります。とても面倒です。

間取りは日本で言うと3LDKタイプが多い

最近のソウル市内は価格が上がったため、部屋が少なかったり、リビングやダイニングが小さめになったものが増えています。

2 日本のアパート(低層の集合住宅)はビラ(빌라・villa)と言う

ビラは、管理人もいないしエレベーターもなく部屋が狭いものが多いです。その代わり管理費がかからないので、同じ広さの部屋なら割安な感じです。
韓国では、以前は両親と長男夫婦が同居するのが普通だったので、部屋数の多い広いアパートが人気でした。しかし、最近は両親と同居しないケースが増えています。夫婦だけとか、夫婦と子供1人だけ、あるいは1人暮らしが増えました。そのためソウル市内では余分なお金のかからないビラの入居を希望する人が増えています。アパートは値段が高くて手が届かない、でもきれいな部屋に住みたいし階段の上り降りは面倒。そんな若い人たちが増えているため、最近できた新しいビラはエレベーターのあるものが多いです。
ビラ(villa)の韓国語発音は

また、ビラ(villa)は、本来の英語では「別荘」という意味です。

新しいビラは少し狭いですが部屋はとてもきれい

間取りだけなら3LDKのものが一般的ですが、アパート(高層マンション)に比べてひとつひとつの部屋が狭いですし、リビングやダイニングもずっと狭くなります。そして、ベランダもとても狭いです。洗濯機を置くだけのスペースくらいしかないところも多いです。

1階部分が駐車場になっているところが多い

それでも駐車スペースが足りなくて問題になることが多いです。関係のない人が勝手に止めることもあり、最近は車を止める場所を決めるビラも増えています。

古いビラには半地下の部屋がある所が多い

半地下の部屋とは、文字通り部屋の下半分が地下にある部屋です。ですから部屋の窓は道路すれすれにあります。

部屋の中から見ると窓は部屋の上のほう

外を歩いている人の足元が顔の正面です。
建物を建てる時、どこでも高さ制限があるので、建てられる階数は限られてしまいます。でも半地下なら高さ1メートルくらいで1階分作れます。ひとつでも部屋をたくさん作るためのアイデアです。

入口から左に半階下がると半地下、右に半階上がると1階。

半地下の部屋は窓を開けてもほこりっぽいです。換気がうまくできませんから部屋がじめじめしてカビが生えやすく環境がよくありません。そのため家賃(保証金)は安くなります。
ただ最近は1階部分を駐車場にすることが多くなり、半地下の部屋は減る傾向にあります。

屋上に簡単な建物を建ててそこも人に貸すことがある

建前上は住居ではなく倉庫で、オクタッパン(옥탑방・屋塔房)と言います。
韓国語の発音は

貧しい人が住む象徴のような部屋でドラマにもたびたび登場

オクタッパンは、建物が掘っ立て小屋のような作りなので、夏は暑く冬は寒く、また防犯もしっかりしていないことが多いので、こちらも家賃(保証金)は安いです。
でも屋上なので見晴らしはいいですし、テーブルやいすを出せばすぐに焼肉パーティーもできますし、半地下よりはドラマで使いやすいですよね。

3 一戸建ては単独住宅(단독주택)

ソウル市内だとこんな感じです。でもソウル市内の単独住宅はどんどん減っています。私の両親はソウル市内に住んでいますが、実家に帰るたびに実家の近所の単独住宅がどんどんビラに変わっています。
田舎に行けば単独住宅も多いですが、ソウルではアパートに住むかビラに住むか、たいていはどちらかです。

郊外に行くと建売販売の住宅もあることはある

しかし、まだまだ一般的ではありません。

4 暖房は床下暖房(オンドル)

昔は台所のお釜の煙を床下に通した

時代とともに練炭になり、今はガスが主流ですが、電気もあります。

最近は光熱費が上がりオンドルを使わない家庭も多い

冬でも部屋の中ではテントの中で過ごし、夜もベッドにテントを張って寝ます。私の両親もそうです。余程寒くないとオンドルは使用しません。

最近のアパートやビラは密閉性が高くオンドルが要らない

部屋の日当たりの良さにもよりますが、新しいビラに住んでいる私の妹は、余程寒くない限りオンドルは要らないと言っています。夕方家に帰っても部屋は暖かいそうです。

5 トイレとシャワーは同じスペースにある

韓国ではトイレと洗面台とシャワーはひとつのスペースにあります。イメージとしてはユニットバスのような感じです。でも、ユニットバスよりは広くて、壁もタイル貼りです。
ちょっといいマンションだと、ホテルのようにシャワールームにガラス扉やガラスの仕切りがついていますが、普通は扉がありません。

中に入るときはサンダルをはく

シャワーを浴びる時もトイレを使う時も同じサンダルを履きます。ですので、トイレに入ろうと思ったらサンダルが濡れている、ということも多いです。

外出して家に帰ったら手だけでなく足も洗う

韓国の常識です。そのことも洗面台とシャワーが同じスペースにあることと関係があると思います。

シャワーとトイレがいっしょにあるのは便利

ちょっとトイレが汚れた時にシャワーで洗うことができるので清潔に保てていいと考えます。
日本人は、シャワーとトイレがいっしょなのは衛生的に問題ある、と考えるようですが、考え方が違います。

昔は浴槽のある家も多かった

韓国では毎日入浴する習慣はありません。というより、そもそも家で入浴する人はほとんどいません。みんな1週間に1回とか、1か月に1回とか、銭湯(목욕탕・沐浴湯)に行ってアカスリまでやります。家にバスタブがあってもほとんど使いません。ですので最近の家ははじめからシャワーだけになっています。

6 ベランダの外側にも窓がついている

韓国では、マンションでも、一戸建てでも、ベランダの外側にも窓がついています。部屋の中からみると、こんな感じです。幅の広い二重窓のようになります。

雨の日でも洗濯物を干すことができる

二重窓だから防寒にもなりますし、ベランダが汚くならないし、とても便利です。日本ではどうしてベランダの外に窓がないのか不思議です。

日本ではベランダにふとんを干すからかな

窓がついていたら窓が邪魔でふとんが干せませんよね。韓国ではベランダにふとんを干す習慣がありませんから、窓がついているほうがメリットが多いです。

7 どの家にも浄水器があります。

韓国では昔から水道の水を直接飲むことはしません。一般的に飲む時の水は麦茶です。昔は水道の水は直接飲むことができなくて必ず沸かして麦茶にして飲んだからです。今でも食堂などで出てくる水は麦茶です。「水ください(물 주세요)」というと麦茶が出てきます。
もちろん今は水道の水もきれいになっています。

ソウル市でも「水道水を直接飲んでも大丈夫」と言っている

しかし、それを信じて直接飲む人は少ないです。いくら水をきれいにして送り出しても、地中の水道管がきたないですから、家の蛇口から出る時にはかなり汚染されていると考えます。これは韓国人の常識と言ってもいいです。
でも、いちいち沸かすのも面倒なので1990年代くらいから各家庭ではタンク式の浄水器を設置するようになりました。でもタンク式は取り付けたりはずしたりも面倒だし宅配で受け取るのもけっこう面倒です。お金もかかります。

今は水道の蛇口からホースでつなぐ形がほとんど

大きさも小さくなってほとんど場所をとりません。以前はレンタルが主流でしたが、最近はインターネットでも、大型スーパー(大型マート)などでも、安く売っています。
レンタルでも安い物は月に1万ウォンくらいからありますから、わざわざペットボトルの水を買って来て飲む人は韓国ではほとんどいません。

ドラマにもよく出て来る

韓国の家庭では、皆浄水器を使っているので、浄水器が置いてあること自体は不自然ではありません。

わざわざ水を飲むシーンがよく出て来る

ドラマを見ててもよく映っているのでドラマをよく見る方は気が付いていると思います。

浄水器の宣伝かというくらいわざとらしい時も

実際浄水器の宣伝です。韓国のドラマはそんな宣伝だらけです。

何を売りたいのか、何の宣伝なのか、そんなことを考えながらドラマを見るのも面白いと思います。

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監修者

監修者の写真

<出身大学>

新丘大学家庭教育学部

<略歴>

ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

監修者の写真

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)

韓国語教室ハングルちゃん代表

<資格>

通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)

<出身大学>

京都大学農学部卒業

<略歴>

東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。