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ハングル初歩(文字・発音)

韓国語初歩「ハングルの子音『平音・激音・濃音』」文字と発音のコツを徹底解説![音声付き]

投稿日:2019年10月2日 | 最終更新日:2024年3月4日

韓国語(ハングル)の子音には、平音、激音、濃音の3つがあります。日本語にも、子音は清音、濁音、半濁音の3つがありますが、日本語と韓国語では音の区別の仕方が違います。平音は日本語の清音とほぼ同じですが、激音は息を激しく吐きながら発音する音で、濃音は喉を詰めたようにして発音する音です。激音も濃音も、どちらも日本語にはない音ですので、しっかりと発音のコツつかんでください。コツがつかめて発音できれば、聞き取りもできるようになります。平音と激音と濃音の音の区別もちゃんとできるようになります。
ここでは、ハングルの子音「平音、激音、濃音」の発音の仕方、発音の違い、そして発音のコツを、詳しく解説します。

目次 ▼

1 平音

① 平音は9つ

ㄱ ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅇ ㅈ

アルファベットで表記すると

ㄱ ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅇ  ㅈ
G  N  D  L  M  B  S なし J

となります。
ㄱ ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅇ ㅈ も、これだけだとただの記号で文字ではないので、母音をつけなければなりません。母音はなんでもいいのですがㅏをつけてみると

가 나 다 라 마 바 사 아 자
ガ ナ ダ ラ マ バ サ ア ジャ


となります。この順番も重要です。このまま覚えてください。

② ㄹ (L)以外は日本語の発音とほぼ同じ

가 は、日本語の「ガ」とほぼ同じです。「カ」に近い発音になっています。

나 は、日本語の「ナ」とほぼ同じです。

다 は、日本語の「ダ」とほぼ同じです。「タ」に近い発音になっていまする

라 は、舌を歯茎の付け根につけます。「L」の音になります。

마 は、日本語の「マ」とほぼ同じです。

바 は、日本語の「バ」とほぼ同じです。「パ」に近い発音になっています。

사 は、日本語の「サ」とほぼ同じです。

아 は、日本語の「ア」とほぼ同じです。

자 は、日本語の「ジャ」とほぼ同じです。「チャ」に近い発音になっています。

③ 韓国語のㄹ(L)の舌の位置


舌を歯の付け根につけるようにしてください。

日本語の「ラ」の舌の位置は口の中の天井部分です。

日本語の「ラ」よりも舌を前に持ってきてください。

④ ㄴ(n)の舌の位置もㄹ(L)と同じ

韓国語のㄴ(n)の発音は、日本語の「な」よりも舌を前めにして、歯茎の付け根あたりにつけるのですが、日本語の「な」と音の差はほとんどないので、あまり意識しなくても大丈夫です。

⑤ 組み合わせる母音によって子音の形が微妙に変わる

ㄱ は、基本母音をつけると、それぞれ

가 갸 거 겨 고 교 구 규 그 기

となります。縦長母音では母音の左に、口すぼめ母音と横長母音では母音の上に子音を書きます。母音によって ㄱ の形が微妙に変わっています。形のバランスを考えてそうなっています。

⑥ 音節表で読む練習をしましょう

ㄱ と同じように ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅎ も、それぞれ母音をつけて文字にします。これを表にしたものが「音節表」です。

⑦ 発音の注意点、清音と濁音の区別について

「가」の発音は、日本語の「ガ」とだいたい同じと説明しましたが、5の練習問題にある「가구(家具)」は「ガグ」よりも「カグ」に近い音で聞こえるはずです。同じように「바보(バカ・アホ)」は「バボ」ではなく「パボ」に近い音に聞こえると思います。
「가」「다」「바」「자」は、語頭(単語の一番はじめ)に来る時は、清音と濁音の中間、「가」なら「カ」と「ガ」の中間くらいの音になります。それは、韓国人が「カ」と「ガ」を区別しないからです。
韓国語には、日本語にある「清音と濁音の区別」がありません。日本人が「金閣寺」と言っても「銀閣寺」と言っても韓国人には同じに聞こえます。韓国人は、清音と濁音を区別せず、発音しやすいほうで発音しています。そのため、語頭では清音に近くなり、語中では濁音になります。
テキストによっては「語頭は清音」「語中は濁音」と書いてあるものもありますが、わざわざ区別しているわけではありません。語頭の音を、清音、濁音、どちらで発音しても韓国人には同じに聞こえるので、どちらで発音すべきかはあまり気にする必要がありませんが、「どちらでもいいと言われても困る」という方は、語頭は清音、語中は濁音で発音してください。

⑧ ハングルを読んで発音してみましょう

単語を読んでみましょう。
1 가구 家具

2 고기 肉

3 누나 弟からみて姉

4 바보 バカ、アホ

5 아버지 お父さん

6 어머니 お母さん

7 너구리 たぬき

8 나비 蝶

9 머리 頭

10 주머니 ポケット

11 두부 豆腐

12 비 雨

13 바다 海

14 바지 ズボン

15 다리 脚・橋

16 지도 地図

17 소주 焼酎

18 사자 獅子・ライオン

19 가로수 街路樹

20 요리 料理

21 나라 国

22 우리 私たち

すらすら読めるようになるまで、繰り返し練習してください。

2 激音

激音は、息を吐きながら発音します。日本語にはない音なので、練習しながらコツをつかむ必要です。

① 激音は5つ

ㅊ ㅋ ㅌ ㅍ ㅎ

アルファベットでは、それぞれ

ㅊ ㅋ ㅌ ㅍ ㅎ
CH K T P H

となります。また、子音だけでは文字にならないので、母音「ㅏ」をつけると、

차   카  타  파  하
チャッ カッ タッ パッ ハ

となります。

② 激音の音

息を吐きながら発音する音が日本語にないので、激音は日本語に「ない音」になります。ですので、日本語の中で例えるのが難しいのですが、舌打ちする時の「チェッ」や「チッ」、リポビタンDのコマーシャルで「ファイトー、いっぱーつ」と力強く言う時の「ト」や「ぱ」が激音です。口から息を出しながら発音します。声を大きく出すわけではありません。

차 は、力強く「チャ~ンス」という時の「チャ」です。카 타 파 も同様に息を強く吐きながら発音します。










하も激音ですが、普通に「ハ」と発音してかまいません。実際には日本人より強く息を吐いているのですが、日本語発音で大丈夫です。音の差はほとんどありません。

③ 平音と激音の息の出し方の違い

平音では、口から息がほとんど出ないか、少しだけ出ます。
しかし激音では、口から息が激しく出ています。
口の前にティッシュを垂らして発音すると一目瞭然です。

平音の時は口から息がほとんど出ない


平音の時は、ティッシュは動かないか、やや動くだけです。

激音の時は口から息が強く出る

激音の時はティッシュが息で大きく動きます。
日本人は普段息を強く出さないで発音するので、激音はかなり意識をして強く息を吐く必要があります。

④ 激音をマスターする練習方法

まず「チャ」と普通に言ってから、次に息を強く吐きながら「ハ」と言ってください。その次に、ふたつを足して、息を強く吐きながら「チャッ」と言ってみましょう。
「チャ、ハ、チャッ」 자+하=차 という練習です。

この時に、口の前に垂らしたティッシュが動いたら合格です。同様に、
가+하=카、「カ」+「ハ」で、激音の「カッ」、
カ、ハ、強くカッ

다+하=타、「タ」と「ハ」で激音の「タッ」、
タ、ハ、強くタッ

바+하=파、「パ」と「ハ」で激音の「パッ」、
パ、ハ、強くパッ

と練習しましょう。
なかなかうまく行かない人は、まず「ハ」で息を強く吐く練習からしましょう。息切れして「ハー、ハー」している時のように、意識して息を強く吐いてください。
また、ここで数学のように「자」+「하」=「차」と書きましたが、これもあとあと重要です。

⑤ ハングルを読んで発音してみましょう

単語を読んでみましょう。
1 코 鼻

2 크다 大きい

3 타조 駝鳥、ダチョウ

4 투자 投資

5 파 ねぎ

6 피부 皮膚、肌

7 포도 ぶどう

8 차 茶・車

9 치마 スカート

10 기차 汽車

11 커피 コーヒー

12 아파트 アパート、高層マンション

13 포스터 ポスター

14 하루 いち日

15 호수 湖

16 휴지 ティッシュ

きちんと発音できましたか?
激音の発音は慣れないと難しいですが、繰り返し練習するして身に付けるしかありません。

⑥ アルファベット表記の注意点

激音「ㅊ ㅋ ㅌ ㅍ ㅎ」は、アルファベットで「CH K T P H」と表記します。
ここで注意が必要なのは、日本人の発音する(日本語のローマ字表記の)Tと、韓国語のTは違う音だということです。日本人のTの発音は「たちつてと」、韓国人のTの発音は激音です。同じアルファベットでも違う音を意味します。

今は韓国語がはじめてなので、カタカナで書いたりアルファベットで表記するしかないのですが、カタカナやアルファベットのルビは振らずに、ハングルはハングルの音で読んで、慣れていくようにしてください。カタカナ表記にもアルファベット表記にも限界があります。

3 濃音

濃音は息を詰めて発音します。日本語にはない音なので、練習しながらコツをつかんでください。

① 濃音は5つ

ㄲ ㄸ ㅃ ㅆ ㅉ

形は、平音のうちの「ㄱ ㄷ ㅂ ㅅ ㅈ 」を横にふたつ並べて書いた形です。
アルファベットでは、

ㄲ  ㄸ  ㅃ  ㅆ  ㅉ
KK TT PP SS JJ

と表記します。
母音をつけて文字にしましょう。「ㅏ」をつけて、

까   따   빠   싸   짜
ッカ ッタ ッパ ッサ ッチャ


となります。

② 濃音の発音

까 は、がっかりの「っか」

따 は、ばったりの「った」

빠 は、やっぱりの「っぱ」

싸 は、あっさりの「っさ」

짜 は、ぽっちゃりの「っちゃ」

③ 発音のコツ

カラスの鳴き声「カーカー」を高い音で発音してみましょう。「カー」と音を出す直前、瞬間的に息を止めたようになり、喉を詰めているのがわかりますか。それが濃音です。「カーカー」と大きな声で鳴き声を出しながら喉の動きを感じてください。喉を詰めているのがわかったら合格です。
他の音でも練習してみましょう。

④ 濃音は息をまったく吐かずに発音する


口の前にティッシュを持ってくると、濃音の時は全く動きません。
激音は息が激しく出ました。
平音、激音、濃音の音の違い、息の吐き方の違いを確認しておきましょう。

가 카 까

다 타 따

바 파 빠

자 차 짜

⑤ ハングルを読んで発音してみましょう

単語を読んでみましょう。
1 꼬리 しっぽ

2 끄다 消す

3 코끼리 象

4 또 また

5 따르다 従う

6 띠 帯、ベルト

7 뽀뽀 軽いキス

8 오빠 妹からみてお兄さん

9 뻐꾸기 カッコウ

10 싸다 安い、包む

11 쓰다 書く、使う、苦い

12 짜다 しょっぱい、組む

13 찌개 チゲ

4 発音が正しくできているどうかの判断

ネイティブに見てもらうのがベスト

自分ではできてるつもりでも、ちゃんと発音できていないケースも多いです。はじめに変なクセをつけないために、早い段階でネイティブに見てもらうことをお勧めします。

5 YouTubeでも学習可能!

繰り返し練習しながら、発音のコツをつかんでください。
「平音」
「激音」
「濃音」

6 子音の次は「パッチム」

「パッチム」へ
ハングル「文字・発音」目次へ

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監修者

監修者の写真

<出身大学>

新丘大学家庭教育学部

<略歴>

ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

監修者の写真

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)

韓国語教室ハングルちゃん代表

<資格>

通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)

<出身大学>

京都大学農学部卒業

<略歴>

東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。