韓国の名節「正月大満月」について
2023年は、2月5日が陰暦(旧暦)の1月15日でした。
目次
- ○ 旧暦15日は満月です。十五夜です。
- ・韓国では、正月の満月のため、正月大ポルム(정월대보름)と言います。
- ○ 正月大満月はとても大事な日で、昔からさまざまなことが行われて来ました。
- ・この日は、まず『五穀飯食べ(오곡밥먹기)』をします。
- ・そして、『硬い物嚙み(부럼깨기)』をします。
- ・『ねずみの火遊び(쥐불놀이)』をします。
- ・また、子供たちは『賣暑(매서)』をします。
- ・そして『月家燃やし(달집태우기)』をします。
- ・また、今の全羅道では『地神踏み(지신밟기)』をします。
- ・そして、「正月大満月」の14日後に『厄除けの凧(액막이 연)』をします。
- ・『人間橋踏み(놋다리밟기)』をします。
- ・今では「正月大満月」の遊びとなっています。
- ○ 正月大満月は、国民の休日ではありませんが、昔は、とてもとても大事な名節でした。
- ・一年の豊作を祈るとともに、厄をはらい、福を呼びます。
- ・そんな正月大満月の大切さを忘れないようにしましょう、ということで、韓国のあちこちで、様々な行事が行われます。
- ・そして、この日は、月に願いを祈ります。
旧暦15日は満月です。十五夜です。
満月は28日に1回ありますが、韓国では、正月の満月が、一年のうちで一番輝いて見えます。冬だと空気が澄んでいるから星もきれいに見えますよね。そのため、この日を特別な日と考えました。
日本では、陰暦(旧暦)8月15日の中秋の名月が、一年のうち、一番きれいな満月で、特別な日ですよね。
韓国では、正月の満月のため、正月大ポルム(정월대보름)と言います。
ポルム(보름)は満月の意味です。正月大ポルムも「名節」です。
正月大満月はとても大事な日で、昔からさまざまなことが行われて来ました。
この日は、まず『五穀飯食べ(오곡밥먹기)』をします。
そして、『硬い物嚙み(부럼깨기)』をします。
クルミなどの固いものを噛むと、その年はおできができないと言います。
『ねずみの火遊び(쥐불놀이)』をします。
子供たちが、畑に火をつけて遊びます。こうすることで、収穫後に栄養分が少なくなった畑が、また野菜がよく育つようになります。焼畑です。
また、子供たちは『賣暑(매서)』をします。
朝早く起きて、近所に住む友達のところへ行き、友達の名前を呼びます。友達が返事をしたら「俺の夏ばて買ってけ(내 더위 사가라)」と叫びます。そうすると、その友達が「夏ばて」を買うことになり、その夏は、2倍ばてます。しかし、名前を呼ばれたときに、先に「俺の夏ばて買ってけ(내 더위 사가라)」と叫べば、名前を呼んだほうが「夏ばて」を買うことになり、その夏、2倍ばてます。
そして『月家燃やし(달집태우기)』をします。
稲わらで、月の家を作り、月の出とともに燃やし、豊年を祈ります。
また、今の全羅道では『地神踏み(지신밟기)』をします。
農民が列を作って各家を回り、地の神(鬼神・厄)を踏み潰し、平穏を祈ります。
そして、「正月大満月」の14日後に『厄除けの凧(액막이 연)』をします。
厄運を遠くに吹き飛ばすために凧をあげます。凧には、名前や生年月日、そして「送厄迎福(송액영복)」と書きます。
『人間橋踏み(놋다리밟기)』をします。
昔々、高麗時代(10世紀~14世紀)に、ソウルから避難してきた王子様とお姫様(공주)が川を渡らなければならなくなった時、冷たい川に入れず困っていたお姫様のために、村の人々が川に入り、並んで橋となり、お姫様を川岸に渡したことに由来するものです。
今では「正月大満月」の遊びとなっています。
正月大満月は、国民の休日ではありませんが、昔は、とてもとても大事な名節でした。
一年の豊作を祈るとともに、厄をはらい、福を呼びます。
この役割は、日本の節分に近いかもしれません。日本には、正月大満月がありませんから、代わりに、節分があるのかもしれませんね。
そんな正月大満月の大切さを忘れないようにしましょう、ということで、韓国のあちこちで、様々な行事が行われます。
そして、この日は、月に願いを祈ります。
皆さんも、ぜひ「満月」に願いを叶えてもらってください。