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韓国の暮らし(08)【行事・イベント】

韓国で冬の前にキムチをまとめて漬ける「キムジャン」について

目次

韓国では、寒くなって、本格的に冬に入る前の11月下旬から12月頃が、冬の間に食べるキムチをまとめて漬ける季節です。

キムジャン(김장)と言います。

なぜ、キムジャンが秋の終わりから冬のはじめ頃かというと、おいしく漬けるには、時期があるからです。

気温が暖かいと、キムチが早く発酵して腐ってしまいます。

キムチを漬ける時に気温が0度以下になると、白菜などの材料が凍ってしまい、おいしく漬けることができません。

だいたい、一日の平均気温が4度以下で、最低気温が0度以下の日が、キムジャンに一番いいと言われています。

昨年は、ソウルで11月終わり頃、釜山では1月はじめでした。

昨年のキムジャン前線です。

釜山は、ついに年明けになりました。5年くらい前にはクリスマス頃でしたが、年々遅くなっています。

キムジャンの時期の韓国は、市場に行くと、白菜やにんにくが山ほど積まれていますし、トラック山盛りで住宅街に売りに来ます。

大量のキムチを1人で全部漬けるは大変なので、家族がいっしょに、あるいは、親戚の人とかと何人かでいっしょにやることが多いです。

しかし、最近は、共働きが増え、核家族となり、キムジャンをしない人たちが急速に増えています。

ある調査では、2017年に、キムジャンをしない家庭が過半数を超えたそうです。

そのような、キムジャンをあきらめる人たちを、キムポジョク(김포족)と呼ぶ新造語も生まれました。

キムジャンをする人の中でも、半数近くが少量のみを行い、キムチは、必要量をその時その時に漬けています。

共働きで働いていたら、そもそもキムジャンの時間も体力もないですよね。それに核家族で家族の数が少なかったら、大量に漬ける必要もないですし。
実際、私の母も、必要な時、必要なだけ、その時その時漬けて、今では、キムジャンはしていません。母の話では、キムジャンの時には、白菜の値段も上がるし、まとめて漬けるのは大変だし、まとめて漬けると少しずつ味が落ちるからだそうです。

今の若い母親たちは、私の知る限り、ほとんどが買って食べるか、自分の母親が漬けた物をもらってきています。

以前は「キムジャン なさいましたか?(김장 하셨나요?)」というのが、主婦たちの、今頃のあいさつ言葉でした。

このような光景も、地方に行かないと見られない「文化遺産的風景」になりつつあります。

以前は、チャンドク(장독)という甕に入れて保管しましたが、今では、皆、キムチ冷蔵庫です。

最近の若い人たちは、そもそもキムチを漬けたことがありません。

「キムチ工場に行って、用意された材料を自分で漬ける」、そんな、気楽なキムジャンも人気だそうです。

楽しいキムジャンツアー

時代が変わりました。

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