韓国語の「~て」(고,아/어서)使い方と意味を徹底解説!
日本語の「~て」に当たる韓国語の表現について学習します。「~て」は、「食べて」「飲んで」「高くて」「きれいで」という「~て」です。言葉によっては「~で」になることもありますが、まとめて「~て」で表します。
日本語では「~て」は、ひとつの形ですが、韓国語では、意味によって、ふたつの形になります。まずは、意味の違いや使い方の違いを理解することからはじめましょう。
目次
- ○ 1「~て」の使い方・意味
- ○ 2「単純羅列」の場合
- ・形は、動詞や形容詞の語幹に 고 をつけます。
- ・形容詞の場合は単純羅列、動詞の場合は時間順序の場合と単純羅列の場合
- ・否定の形は「지 않고」「지 말고」ふたつあります。
- ○ 3「前後の動詞・形容詞に関連性がある」場合
- ・【요】体の現在肯定形から 요 をとった形に 서をつけます。
- ・2つの使い方を比べてみましょう。
- ○ 4 아/어서 には『理由』を表す使い方があります。
- ・名詞も 아/어서 で理由を表現できますが、接続の形が少し変わります。
- ・日本語でも「~て」の形で理由を表現することができます。
- ・아/어서 で理由を表現できるのは、日本語の「~て」の形で理由を表現できる場合とほぼ同じです。
- ・아/어서 で『理由』を表現できるかどうかは、日本語で考えて自然な表現なら韓国語でも自然と考えて大丈夫です。
- ・※「見て、聞いて、読んで、知って」「理解ができた、考えが変わった」等の時、注意です。
- ・理由を表す「(으)니까」と「아/어서」
- ○ ※ 『発音』『文法』総整理
1「~て」の使い方・意味
「~て、~て」には、「食べて、飲んで、遊んで、」あるいは「安くて、おいしくて、」のように、いくつかの動作や形容表現を単純に並べるだけの表現で、それぞれの動詞、形容詞にはお互いに関連性がない場合と、「用事があって、出かけました」のように、いくつかの動作や形容表現の間に、強い関連性がある場合があります。「用事があって、出かけました」の文では、「用事がある」は、「出かける」の『理由』となっています。
日本語では、それぞれの動詞、形容詞の間に、関連性があってもなくても、「~て」の表現、ひとつとなりますが、韓国語では、関連性があるかないかで、別の表現となります。
2「単純羅列」の場合
形は、動詞や形容詞の語幹に 고 をつけます。
例) 보다 ⇒ 보고 (見て)
먹다 ⇒ 먹고 (食べて)
공부하다 ⇒ 공부하고 (勉強して)
편리하다 ⇒ 편리하고 (便利で)
비싸다 ⇒ 비싸고 (高くて)
形容詞の場合は単純羅列、動詞の場合は時間順序の場合と単純羅列の場合
例) ➀ 어제는 영화를 보고 책을 읽었어요. 昨日は本を読んで映画を見ました。
➁ 제주도는 물가가 싸고 바다가 깨끗해요. チェジュ島は、物価が安くて海がきれいです。
➀は時間順序か単純羅列(文脈から判断) ➁は単純羅列
※過去の動作の場合、過去形の語幹+고 の形にすると➀単純羅列の意味に限定されます。
例) ➂ 어제는 영화를 봤고 책을 읽었어요.
※「고」は「그리고」の略です。
例) 머리가 아파요. 그리고 열이 나요. ⇒ 머리가 아프고 열이 나요. 頭が痛くて熱があります。
このような形容詞+動詞の形もあります。単純羅列です。
否定の形は「지 않고」「지 말고」ふたつあります。
平叙文では「지 않고」、命令文では「지 말고」を使います。
例) ➀ 일하지 않고 쉬어요. 働かないで休みます。
➁ 일하지 말고 쉬세요. 働かないで休んでください。
➀は「일하지 않아요. 쉬어요.」をひとつの文にした形、➁は「일하지 마세요. 쉬세요.」をひとつの文にしています。
3「前後の動詞・形容詞に関連性がある」場合
形は 아/어서 になります。
【요】体の現在肯定形から 요 をとった形に 서をつけます。
例) 회사에 가서 일합니다. 会社へ行って仕事をします。
돈을 모아서 자동차를 삽니다. お金を貯めて車を買います。
※ 過去の文でも아/어서は過去の形にしません。
例) 도서관에 갔서 숙제를 했어요. ⇒ 도서관에 가서 숙제를 했어요. 図書館に行って宿題をしました。
日本語と同じです。日本語でも「行って」ですね。過去形にはしません。「行って」の過去形自体がありません。
2つの使い方を比べてみましょう。
例文で2つの使い方を比べてみましょう。
例1) 友達に会って、映画を見ました。
①「単純羅列」の 고 を使うと
친구를 만나고 영화를 봤어요. (봤습니다)
これは、「友達に会う」「映画を見る」どちらが先かわかりません。
また、映画も、「その友達と見た」か、「違う友達と見た」か、あるいは「ひとりで見た」か、わかりません。
②「前後動詞・形容詞に関連性がある」아/어서 を使うと
친구를 만나서 영화를 봤어요. (봤습니다)
こちらは、「友達に会う」が先で、それから「映画を見ました」になります。
そして、「友達に会う」と「映画を見る」に、関連性がありますから、「会った友達と映画を見た」という意味になります。
例2) 本を買って、勉強しました。
① 「単純羅列」の 고 を使うと、
책을 사고 공부를 했어요. (했습니다)
「本を買う」と「勉強する」どちらが先かわかりません。
また、「買った本」と「勉強」は関係がありません。
② 「前後に関連性がある」아/어서 を使うと
책을 사서 공부를 했어요. (했습니다)
まず「本を買って」それから「勉強しました」となります。
また、「本を買う」と「勉強する」が関連性がありますから、「買った本で勉強した」という意味になります。
4 아/어서 には『理由』を表す使い方があります。
아/어서 は、「前後の動詞・形容詞に関連性がある」ことから、因果関係がある時にも使います。因果関係とは、つまり、『理由』の表現です。
例) 너무 매워서 못 먹어요. あまりに辛くて食べられません 。
머리가 아파서 회사를 쉬었어요. 頭が痛くて会社を休みました。
名詞も 아/어서 で理由を表現できますが、接続の形が少し変わります。
名詞の時は (이)라서がつきます。
パッチムがある時 ⇒ 이라서
パッチムがない時 ⇒ 라서
例) 장마 ⇒ 장마라서 (梅雨で)
일요일 ⇒ 일요일이라서 (日曜日で)
여름이 아니다 ⇒ 여름이 아니라서 (夏ではなくて)
日本語でも「~て」の形で理由を表現することができます。
日本語で『理由』を表現する時は、通常「ので」や「から」を使いますが、簡単に「辛くて食べられません」ということもできます。
例) 辛いので、食べられません。
辛いから、食べられません。
辛くて食べられません。
しかし、「~て」自体に、理由の意味はありません。前後の動詞・形容詞の関係から、理由の意味が生じます。
아/어서 で理由を表現できるのは、日本語の「~て」の形で理由を表現できる場合とほぼ同じです。
「~て」の形で『理由』が表現できる場合
1 ~て、感情表現〔嬉しい、悲しい、困る、大変等〕
例) たばこがやめられなくて、困っています。
彼女から連絡が来なくて、寂しいです。
仕事が忙しくて、大変です。
2 ~て、可能表現(不可能の場合が多い)〔無理だ、食べられない、食べきれない等〕
例) お金が足りなくて、買えません。
とても辛くて食べられません。
3 ~て、無意志動詞
「無意志動詞」の反対は「意志動詞」、「意志動詞」は、自分の意思でやったりやらなかったり、自分で決められるもの、〔行く、来る、勉強する、食べる、飲む〕などが「意志動詞」、〔(物が)動く、(物が)揺れる〕などが「無意志動詞」です。
例) 機械が壊れていて、動きません。
風が強くて、旗が揺れています。
4 ~て、意志動詞の過去形
例) 用事があって、出かけました。
頭が痛くて、会社を休みました。
5 慣用表現
例) 遅れてすみません。
お会いできてうれしいです。
日本語で、「~て」で『理由』を表現できるのは、この5つの場合です。
では、ここでちょっと考えてみましょう。
「熱があって、先に帰ってもいいですか?」これはどうでしょうか?
これは、「熱があるので」「熱があるから」と言ったほうが自然ですよね。
では、「時間がなくて、急ぎましょう」これはどうでしょうか?
これも、「時間がないので」あるいは、「時間がないから」と言うのが普通ですよね。
「~て」の形で『理由』を表現すると、不自然な文になることは、感覚的にわかると思います。
では、「今日は、熱があって、早く寝ます」、あるいは、「用事があって、急いで行かなければなりません」こちらはどうでしょうか?
何か変な感じがするけど、会話なら使っているかな、そんな感じではないでしょうか?
実際、日本語の揺れているところで、人によっては変、人によっては大丈夫、微妙なところですが、まずは、皆さん自身のネイティブの感覚で、確認してください。日本語でだいたい大丈夫であれば、韓国語でも大丈夫です。
아/어서 で『理由』を表現できるかどうかは、日本語で考えて自然な表現なら韓国語でも自然と考えて大丈夫です。
これで、90%OKです。ただ、実際は、日本語の「~て」で『理由』を表現できる場合よりも、韓国語の 아/어서 で『理由』を表現できる場合のほうが広いです。これは、韓国語の 아/어서 には、それ自体が、「前後の関連性がある」という意味があるので、前後の動詞・形容詞のつなぎを補ってくれるからではないかと思います。そのため、日本語の場合より、やや広く使われるのですが、まずは、日本語で自然なら韓国語でも自然と考えてください。そして、学習を進めながら、日本語と少し違う表現が出てきた時に、ひとつひとつ、身につけて行ってください。
※「見て、聞いて、読んで、知って」「理解ができた、考えが変わった」等の時、注意です。
「昨日のニュースを見て、考えが変わりました」のような時、「見て」は「考えが変わった」、その『原因・理由』なので「어제 뉴스를 봐서 생각을 바꿨어요」となりそうですが、「ニュースを見る」ことと「考えが変わる」ことの結びつきは、自然な関係と判断できないため、韓国語では「어제 뉴스를 보고 생각을 바꿨어요」となります。
日本語では「~て」で『理由』の表現ができるのに、韓国語が「아/어서」にならない例外です。
例) 강의를 듣고 이해가 됐어요. 講義を聞いて理解ができました。
理由を表す「(으)니까」と「아/어서」
「아/어서」は、前後の関係が自然結びつきです。一般的な、常識的な、普通の理由表現です。
日本語同様、「~て‥ください」や「~て‥ましょう」のように、依頼や勧誘などには使いません。
例) ✕ 내일 시험이 있어서 공부할 거예요.
「아/어서」に意志の表現は続きません。
〇 내일 시험이 있으니까 공부할 거예요.
となります。
また、「(으)니까」は、主観的な考えを表します。日本語でも「だから」と言うと、自己主張が強く出るニュアンスがありますが、それと同じです。
例) 일이 있어서 잠깐 나갔다 왔어요. 用事があって出かけました。
일이 있으니까 잠깐 나갔다 왔어요. 用事があったから出かけました。
上も下もどちらも可能な表現です。上は「用事があって」それで「出かけました」、普通な表現です。
下は「出かけた」理由は他でもない「用事があったから」だと、用事があったことを理由として強調する表現となります。
これは日本語で考えてもニュアンスは理解できると思います。日本語と似ています。
※ 『発音』『文法』総整理
韓国語の『発音』『文法』を、わかりやすく解説しています。
今まで学習した中で、よくわからないところ、不安のあるところは、こちらの徹底解説と例文で、しっかりと整理しておいてください。
⇒韓国語のまとめ「文字・発音」編
⇒韓国語のまとめ「文法」編