韓国語で漢字語の語頭のㄹ音脱落 徹底解説!
➀ 語頭の ㄹ が脱落する漢字
【良】⇒ 불량(不良)、양심(良心)
【量】⇒ 강수량(降水量)、양산(量産)
【両】⇒ 양면(両面)
【麗】⇒ 고려(高麗)、여수(麗水)〔地名〕
【旅】⇒ 여행(旅行)
【歴】⇒ 이력서(履歴書)、역사(歴史)
【力】⇒ 노력(努力)、역량(力量)
【練】⇒ 미련(未練)、연습(練習)
【連】⇒ 관련(関連)、연락(連絡)
【廉】⇒ 저렴(低廉)〔安いこと〕、염가판매(廉価販売)〔格安販売〕
【令】⇒ 명령(命令)、영장(令状)
【領】⇒ 대통령(大統領)、영토(領土)
【霊】⇒ 유령(幽霊)、영혼(霊魂)
【列】⇒ 행렬(行列)、계열(系列)〔語頭以外でも通常열〕、열차(列車)
【礼】⇒ 실례(失礼)、예의(礼儀)
【例】⇒ 비례(比例)、예(例)
【料】⇒ 재료(材料)、요리(料理)
【療】⇒ 치료(治療)、요양(療養)
【龍】⇒ 용(龍)
【柳】⇒ 유(柳)[姓のひとつ]
【劉】⇒ 유(劉)[姓のひとつ]
【流】⇒ 전류(電流)、유행(流行)
【留】⇒ 보류(保留)、유학(留学)
【類】⇒ 종류(種類)、유사(類似)
【倫】⇒ 불륜(不倫)、윤리(倫理)
【輪】⇒ 연륜(年輪)、윤곽(輪郭)
【律】⇒ 법률(法律)、율동(律動)
【率】⇒ 능률(能率)、비율(比率)〔語頭以外でも通常율〕、솔직(率直)[%の意味以外では솔]
【陵】⇒ 능(陵)〔王や王妃の墓〕
【凌】⇒ 능가(凌駕)
【立】⇒ 고립(孤立)、입장(立場)
【離】⇒ 거리(距離)、이별(離別)
【裏】⇒ 뇌리(脳裏)、이면지(裏面紙)〔裏紙〕
【利】⇒ 편리(便利)、이용(利用)
【理】⇒ 요리(料理)、이유(理由)
【履】⇒ 이력서(履歴書)
【李】⇒ 이(李)[姓のひとつ]
【臨】⇒ 군림(君臨)、임시(臨時)
【林】⇒ 신림(山林)、임(林)[姓のひとつ]
➁ 語頭の ㄹ が ㄴ に変わる漢字
【羅】⇒ 신라(新羅)、나침반(羅針盤)
【裸】⇒ 전라(全裸)、나체(裸体)、적나라(赤裸々)
【落】⇒ 탈락(脱落)、낙엽(落葉)
【楽】⇒ 오락(娯楽)、낙관적(楽観的)[音楽の時は악]음악(音楽)、악기(楽器)
【来】⇒ 원래(元来)、내년(来年)
【冷】⇒ 급랭(急冷)、냉방(冷房)
【路】⇒ 도로(道路)、노선(路線)
【老】⇒ 경로(敬老)、노인(老人)
【労】⇒ 피로(疲労)、노동자(労働者)
【露】⇒ 폭로(暴露)、노출(露出)
【録】⇒ 기록(記録)、녹화(録画)
【論】⇒ 결론(結論)、논리적(論理的)
【累】⇒ 누적(累積)
➂ 語頭の ㄴ が脱落する漢字
【女】⇒ 남녀(男女)、여자(女子)
【年】⇒ 학년(学年)、연상(年上)
【念】⇒ 기념(記念)、염두(念頭)
目次
- ○ 漢字語の語頭のㄹ(L)、ㄴ(N)音について
- ・語頭に「ㄹ(L)」が来た時、「ㄹ(L)」の音が脱落したり「ㄴ(N)」に変わることがあります。
- ・語のはじめのㄹ(L)音の脱落は、17世紀ごろから民衆の間で自然にはじまったと言われています。
- ・「ㄴ(N)」ではじまる言葉も「ㄴ(N)」が落ちることがあります。
- ・漢字語の発音を覚える時、「ㄹ(L)」と「ㄴ(N)」ではじまる漢字語は注意が必要です。
- ○ 日本語でも、元々、語頭に「ら行」は来なかったと言われています。
- ・マクドナルドのキャラクター「ドナルド」は、本来は「Ronald」です
- ・「真っ赤なお鼻のトナカイさん」というクリスマスの歌は本来「ルドルフ」の歌です。
- ・「ら行はじまり」の『外来語イメージ』をうまく使ったのがタカラです。
- ・お母さんが日本人、お父さんがアメリカ人というハーフの設定で、名前もカタカナです。
- ・でも、やっぱり、「ら行」はじまりは、今でも難しい部分があると思います。
- ・韓国でも「ㄹ(L)」ではじまる漢字語は、「ㄹ(L)」が落ちたり「ㄴ(N)」に変わったりするのですが、日本と似ていますよね。
漢字語の語頭のㄹ(L)、ㄴ(N)音について
語頭に「ㄹ(L)」が来た時、「ㄹ(L)」の音が脱落したり「ㄴ(N)」に変わることがあります。
例えば、「来年」の「来」は、本来「래」ですので、「元来」は、「원래」です。発音は[월래]ですね。
ですが、「来年」のように、「ㄹ(L)」」が語頭に来ると、「ㄹ(L)」の音が「ㄴ(N)」に変わって、「내년」となります。
あるいは、「李」さん、世界で1億人いると言われる「李」さんです。本来は「리」です。北朝鮮では「리」のままですが、韓国では「이」さんです。「ㄹ(L)」の音が落ちます。ただ、英語表記は、韓国でも「Lee」のままです。
語のはじめのㄹ(L)音の脱落は、17世紀ごろから民衆の間で自然にはじまったと言われています。
正式には、1933年、맞춤법(正書法)改定により、語のはじめのㄹ(L)は、脱落するかㄴ(N)に変わると規定されました。
しかし、歴史的由来のある名字まで、強制的に発音を変えてしまうのはおかしい、と考える人たちが裁判を起こし、2007年に最高裁で、名字に限り、語頭のㄹ(L)音を認めるという判決が出ました。そのため、数は少ないですが、語頭のㄹ(L)を復活した리さんや 류さんもいます。
「ㄴ(N)」ではじまる言葉も「ㄴ(N)」が落ちることがあります。
こちらは数は少ないですが、例えば「女」という漢字語、本来の発音は「녀」です。
ですので、「男女」は「남녀」です。しかし、「女」が語頭に来ると、例えば、「女子」は「여자」となります。「ㄴ(N)」の音が落ちます。「여자」で「女の人」という意味です。
漢字語の発音を覚える時、「ㄹ(L)」と「ㄴ(N)」ではじまる漢字語は注意が必要です。
「ㄹ(L)」も「ㄴ(N)」も、音が脱落することがありますので、そのことを頭に入れて、漢字語の発音を覚えてください。全部丸覚えでもいいのですけど、システムを理解しているほうが、覚えやすいと思います。
日本語でも、元々、語頭に「ら行」は来なかったと言われています。
語頭の「ら行」は発音しにくく、親しみにくいため、名前をつける時も、以前は、語頭の「ら行」は避ける傾向がありました。
マクドナルドのキャラクター「ドナルド」は、本来は「Ronald」です
世界のどこへ行っても「Ronald」ですが、日本でだけ「ドナルド」です。
これは、日本マクドナルドが、1971年にスタートする時、日本では、「ロナルド」では親しめない、ということで、「ドナルド」にしたからです。マクドナルドという名前も、日本人に発音しやすいように、Mc Donald’sをマクドナルドにしています。名前をつける際に、「英語の発音に近いように」とは、そもそも考えていませんでした。
「真っ赤なお鼻のトナカイさん」というクリスマスの歌は本来「ルドルフ」の歌です。
元々は「Rudolph the Red-nosed Reindeer」という題名で、サンタクロースのそりをひくトナカイの9頭目「ルドルフ」の歌ですが、日本語では、「ルドルフ」という名前は出て来ません。名前を入れると歌に合わなくなるから省略した、とも言われていますが、「ルドルフ」では、日本の子供は親しめないですよね。
日本では、昔は「ら行」はじまりをはっきり避けていました。「ら行」はじまりの言葉が、なくはなかったですが、外来語イメージが強く、親しみやすい感じではありませんでした。
「ら行はじまり」の『外来語イメージ』をうまく使ったのがタカラです。
タカラが、バービー人形の日本版、「リカちゃん」人形を1967年に出しました。
お母さんが日本人、お父さんがアメリカ人というハーフの設定で、名前もカタカナです。
リカちゃんという名前は、当時としては、なかなかの冒険だったらしいのですが、これが大ヒットしました。
これで、語頭に「ら行」が来る名前のイメージが、大きく変わり、「おしゃれ」なイメージになりました。今では、「れみ」とか「りな」とか、「ら行」はじまりの名前、普通にありますよね。
でも、やっぱり、「ら行」はじまりは、今でも難しい部分があると思います。
例えば、2003年に、あさひ銀行と大和銀行が合併して「りそな銀行」となりました。
結構有名な命名会社に、たくさんお金払って、名前つけてもらったらしいですが、「ら行」はじまりということもあって、当時、いろいろなことを言われましたが、皆さん、どうでしょうか? もう少し親しめる名前にすればよかったのでは、と思いませんか?
「ら行」はじまりの名前、今も、難しい部分、ありますよね。