韓国の小学校生活について韓国人視点で紹介します。

目次
- ○ 韓国の新学期は3月からです。
- ・韓国では、1学期は3月から8月で、2学期が9月から翌年の2月です。
- ○ 8歳で小学校に入ります。8歳というのは数え年です。
- ・ですので、今年2023年に小学校に入るのは2016年生まれの子供たちです。
- ・また、少し前までは、1月と2月生まれの子は1年早く入学できて、11月と12月生まれの子は1年遅く入学できました。
- ・ですので、少し前までは、そんな、1年早く入学した子や1年遅く入学した子がクラスにいました。
- ・実は、私も1年早く入学しました。そして、子供の頃、それが嫌で嫌でたまりませんでした。
- ○ 小学校入学前に、ハングルも習って九九も覚えます。
- ・幼稚園の段階でハングルが書けるのは当たり前で、算数の九九も覚えます。
- ・小学校の先生も、ハングルが読めない子のお母さんに「早めにうちでお母さんが教えてください」と言うそうです。
- ・韓国では「早期教育こそ天才を育てる」と考える親が多いです。
- ・政府は、幼稚園に、無理なハングル教育をやめるよう要請し、小学校で、きちんと習うことができるよう教育課程を改定し、教科書も改定しました。
- ・しかし、相変わらず、小学校では入学説明会などで、入学前にハングルを書けるようにしておいてください、と言います。
- ・だからといって、韓国人の文章読解力が以前に比べて高くなっているわけではありません。
- ○ 小さい時から塾に通います。
- ・韓国では、小さい時から子供向けの英語教室に通わせるのが一般的です。
- ・勉強以外にも、運動をひとつ習わせることが多いです。
- ・バイオリンを習う子供が多いです。
- ・これは日本に住んでいる私の知り合いの韓国人の話です。
- ○ 子供の私教育費が高すぎて、生活が苦しくなります。
- ・そして、エデュプアー(에듀푸어)になります。
- ・家のローンなどで借金があっても、親たちは子供の私教育費のために、更に借金をします。そんなエデュプアーが、305万人いると推測されるそうです。
- ○ 小学生の間で漢字の検定試験がブームです。
- ・1990年代くらいまでは、新聞にも漢字がたくさん出ていましたし、大学の専門書も、漢字がたくさん出ていました。
- ・漢字を勉強して検定試験(검정시험)を受ける小学生が増えていて、ちょっとしたブームのようになっています。
- ○ 学校の宿題を代わりにやってくれる「宿題代行業者」があります。
- ・韓国では、子供の部屋のそうじは母親の仕事ですし、学校の宿題も母親がいっしょにやります。
- ・子供たちは、夏休みや冬休みは、特に、塾通いが忙しく、親も共働きのため宿題をする時間がありません。
- ・そこで、登場したのが「宿題代行業者」です。インターネットで検索すると、たくさん出てきます。
- ・最近の子供たちは、お金で面倒くさい夏休みの宿題から解放されることを望み、親も子供が宿題代行業者を使うと言えば、お金をあげるそうです。
- ○ 勉強がダメならゴルフをやるのもひとつの方法です。
- ・勉強ができればいいですが、勉強が全くダメなときは、歌やダンス、K-POP、あるいは、スポーツなど、親が別の道へ行かせるようにします。
- ・大都市では、ビルにスクリーンゴルフ場がたくさんあります。
- ○ 親の経済力で友達が決まります
- ・韓国では、小学校も中学校も決められた学区の学校に行きます。高校も決められた学区の中で決まります。
- ・クラスで、人気のある人は、成績がいい、容姿がいい、など、だいたい条件がありますが、その中に、親の経済力がないとできないような、外見のおしゃれだったり、かっこいい、かわいい持ち物を持っている、なども入ります。
- ・親も、親同士の集まりや学父母会で、情報交換をしながら、やはり、同じようなレベル同士親しくします。
- ○ 小学校や中学校にプールはありません。
- ・最近は、数は少ないですが、プールのある小学校もあります。
- ○ 韓国には、雄弁大会があります。
- ・雄弁大会というのは、要するに、スピーチ大会です。
- ・最後は、両手を広げたこのポーズで叫びます。
- ・雄弁大会は、北朝鮮にもあるようです。
- ・韓国では、雄弁大会のために、雄弁学院(웅변학원)もあります。
- ○ 最近、小学生の化粧も当たり前になってきました。
- ・元々、女の子は、お母さんの真似をして、化粧をしたがるものです
- ・子供の化粧ですから、たとえばリップスティックは、薄く色のついたリップバーム・リップクリームレベルで、値段はひとつ1万ウォン前後です。
- ・化粧品の贈物セットは、ひとつ5万ウォン前後です。
韓国の新学期は3月からです。
韓国では旧正月を過ぎると少しずつ暖かくなります。3月は春のイメージです。韓国では、3月1日は祝日のため、入学式は、だいたい3月2日に行われます。
韓国では、1学期は3月から8月で、2学期が9月から翌年の2月です。
大学は7月と8月が夏休みで、1月と2月が冬休みです。4か月勉強して2か月休みのサイクルです。ですので、大学は6月と12月が期末試験で、期末試験が終わると2か月の放学(夏休み冬休み)となります。
8歳で小学校に入ります。8歳というのは数え年です。
韓国では、役所などの公式書類は全て満年齢を使っていますが、普段の生活では、今も数え年を使っています。数え年ですから、お正月に、皆一緒に1歳年を取ります。
ですので、今年2023年に小学校に入るのは2016年生まれの子供たちです。
2016年の1月1日から12月31日に生まれた子が、2023年の3月から一緒に小学生です。
日本では、2023年の4月に小学校に入るのは、2016年4月2日から2017年4月1日までに生まれた子供たちですよね。
つまり、2016年の4月2日から12月31日までに生まれた子供たちは、日本と韓国と、ほぼ同じ時期に小学生になりますが、日本の早生まれの子は、韓国より1年早く小学校に入ることになります。
また、少し前までは、1月と2月生まれの子は1年早く入学できて、11月と12月生まれの子は1年遅く入学できました。
親が「この子は早く小学校に入れても大丈夫」とか、「この子は遅生まれで、勉強についていけないと困るから1年遅く」とか判断できました。
ですので、少し前までは、そんな、1年早く入学した子や1年遅く入学した子がクラスにいました。
それで全然問題ありませんでした。しかし、最近は、そういう子が、いじめなどの対象になりやすいこともあって、制度自体を利用する人も減っていました。そして、制度自体がなくなりました。制度がなくなったのは他にも理由があるようですけど。
実は、私も1年早く入学しました。そして、子供の頃、それが嫌で嫌でたまりませんでした。
別にいじめとかはありませんでしたけど。
小学校入学前に、ハングルも習って九九も覚えます。
昔は、小学校に入ってからハングルを学びましたが、今は、小学校に入る前にみんな勉強済みで、小学校入学時にハングルが読めない子供は数えるほどだそうです。
幼稚園の段階でハングルが書けるのは当たり前で、算数の九九も覚えます。
幼稚園の子供たちが聞く童謡には、「九九を覚えよう」という九九の歌があります。算数の「1+1」もわからないのに「九九」を歌で覚えます。
小学校の先生も、ハングルが読めない子のお母さんに「早めにうちでお母さんが教えてください」と言うそうです。
小学校の授業では、ハングルは簡単にチェックだけして、すぐに文を読ませるので、そのことも韓国の早期教育に拍車をかけています。
韓国では「早期教育こそ天才を育てる」と考える親が多いです。
英語に関しては、早くに教えることに私も賛成ですが、それも子供が興味を持つことが前提ですよね。勉強好きな子供もいれば、無理に勉強させることで逆効果になることもあります。そのため、先行教育に反対する親も、もちろんいます。
でも、周りがどんどん教えているのに、自分の子供だけ教えないと、子供が学校で大変な目にあうので仕方なく教えなければなりません。
幼稚園で、先生の言ったことをそのまま書く「書き取り(받아쓰기)」もしますし、日記も書かせます。
政府は、幼稚園に、無理なハングル教育をやめるよう要請し、小学校で、きちんと習うことができるよう教育課程を改定し、教科書も改定しました。
あまりにエスカレートする先行教育に、政府はブレーキをかけます。
しかし、相変わらず、小学校では入学説明会などで、入学前にハングルを書けるようにしておいてください、と言います。
国語の授業では、はじめにハングルを習うことに変わったのに、どうしてですかと聞くと、国語以外の科目ではハングルがわからないと教科書を読めず授業にならないからだそうです。
結局、以前と同じように、幼稚園でハングルを教え九九を教えています。
だからといって、韓国人の文章読解力が以前に比べて高くなっているわけではありません。
学力の国際評価では、韓国はトータルではOECD国家中、1位、2位を争っているのに、文章読解では下位圏に落ちます。ハングルを学び始める年齢が下がるにつれ、大人になった時の読解能力がどんどん下がるという逆比例の関係になっています。
学校では、国語である韓国語より、外国語とか他の科目が重要なため、学年が上がるにつれ国語の学習がおろそかになっているためだと思います。外国語ができるほうが就職では圧倒的に有利ですからね。
小さい時から塾に通います。
韓国では、日本の「塾」「予備校」「語学学校」など、学校教育以外の「学ぶ場所」を全て『学院』と言います。
韓国では、小さい時から子供向けの英語教室に通わせるのが一般的です。
日本も最近増えてきていますよね。
勉強以外にも、運動をひとつ習わせることが多いです。
男の子はテコンドーを習う子が多いですが、女の子は、最近、ダンススクールに行く子が増えています。
バイオリンを習う子供が多いです。
幼稚園くらいの子に親が何か楽器を習わせようと思ったら、ピアノが一番ですが、次の候補がバイオリンです。韓国にも、ピアノ教室は、もちろん多いですが、バイオリン教室も多いです。
バイオリンなら小さくて軽いから小さな子供でも持てますし、家が狭くても置いておくところは困りません。
これは日本に住んでいる私の知り合いの韓国人の話です。
今は旦那の仕事の都合で日本に住んでいて、子供は2人とも日本の幼稚園に通っています。上の子は4月から日本の小学校に入ります。
日本では、幼稚園の子に、あまりたくさん、あれこれ習わせることをしないので、自由に遊ばせているそうですが、韓国のママ友たちからは、「今のうちから何も習わせないでいて、韓国戻ってからどうするの」「うちの子は、もう九九もできるわよ」「うちはネイティブ講師に英会話を習わせているのよ」等々、韓国にいたら、自分もきっと、そうしていただろうことを言われるそうです。
日本では、親たちものんびりしていますが、もし韓国にいたら、子供に何を習わせるか、どこで習わせるか、あれこれ調べて通わせてと、親も大変です。このまま、日本でのんびりして、そのあと韓国に帰ったら、何も習い事をしていないうちの子はクラスで仲間はずれになるのではないか、それならこのまま韓国には帰りたくない、そんなことまで考えているそうです。
子供の私教育費が高すぎて、生活が苦しくなります。
子供が幼稚園、小学校、中学校、そして高校と進むと、塾通いなどで、子供の教育にお金がかかります。
韓国では、学校以外の、塾や予備校、家庭教師などを「私教育」と言い、その「私教育」にかかる教育費を「私教育費」と言います。韓国は、この「私教育費」が高いです。
韓国の塾や習い事などの「私教育(사교육)」競争は、とても激しいです。でも、そうやってお金をかけて、英語とかを身につけさせて、勉強も少しでも早く習っておかないと、クラスで後れをとるし、そうなるといい大学に入れないし、そうなるといい会社に入れなくて、結局、みすぼらしい生活しかできなくなります。
そして、エデュプアー(에듀푸어)になります。
「~(プアー)」という言葉は英語の「Poor(貧乏)」、エデュは、Education(教育)の略です。
エデュプアーというのは、子供の教育費のために貧乏しているという意味ですが、ちゃんと定義があって、『都市の2人以上世帯で、借金があり、収入より支出のほうが多いにもかかわらず、子供の教育費を平均以上使っている世帯』です。
家のローンなどで借金があっても、親たちは子供の私教育費のために、更に借金をします。そんなエデュプアーが、305万人いると推測されるそうです。
借金して教育 'エデュプアー' 305万名 빚내서 교육 '에규 푸어' 305만명
韓国では、大学進学にも、内申がありますから、学校の勉強についていけないと、進学に大きく影響します。ですから、親は、無理をしてでも、子供たちを学院に通わせます。貧しくても、ろうそくの火で必死に勉強すれば成功できるというのは昔話で、今どき、そんなことで、なんとかなると考える韓国人はいません。
小学生の間で漢字の検定試験がブームです。
韓国語はハングル文字で表記していますが、単語の70%は元々中国から来た漢字(한자)の言葉だと言われています。日本語と同じですね。日本では、漢字も使いますし、ひらがなもカタカナも使っていますが、韓国では、今は、漢字を使わず、全部ハングル文字で表記しています。これは、日本語を全部ひらがなで書くような感じです。でも、韓国語では、漢字ひと文字がハングル文字ひと文字なので、全部ハングル文字にしても文字の数は変わりません。ですから、日本語を全部ひらがなで書くのとは、実はちょっと違います。
1990年代くらいまでは、新聞にも漢字がたくさん出ていましたし、大学の専門書も、漢字がたくさん出ていました。
でも、2000年代以降は、韓国オリジナルのハングル文字だけで表記しようという流れになり、新聞からも専門書からも漢字が消えていきました。自分の名前の漢字も、ちゃんと書けない人が増えました。中学校で、週に1回、漢字の授業があったのも、最近は、なくなったり、選択科目(선택과목)になり、学校でも漢字を勉強する機会(기회)が少なくなっています。しかし、小学校の放課後の特別授業で漢字を勉強する所が増えています。
漢字を勉強して検定試験(검정시험)を受ける小学生が増えていて、ちょっとしたブームのようになっています。
検定試験で1級とか2級とかをとっても成績や入試には影響はないのですが、あとで役に立つ(도움이 되다)かもしれないと子供に勉強させる親が増えています。今の子供たちが大人になる頃には、韓国人の漢字に対する感覚も変わっているかもしれません。
学校の宿題を代わりにやってくれる「宿題代行業者」があります。
韓国では、子供の部屋のそうじは母親の仕事ですし、学校の宿題も母親がいっしょにやります。
しかし、最近は、共働きの夫婦が多く、母親が子供の宿題を十分に見れなくなっています。また、子供たちは、塾や英語教室に通うのが忙しく、学校の宿題をする時間が足りないことも多いです。特に、夏休みや冬休みには、勉強と直接関係のない日記とか、絵画、読書感想文などの宿題がたくさん出ます。
子供たちは、夏休みや冬休みは、特に、塾通いが忙しく、親も共働きのため宿題をする時間がありません。
そこで、登場したのが「宿題代行業者」です。インターネットで検索すると、たくさん出てきます。
夏休み・冬休みの宿題代行業者 猛威 방학 숙제 대행업체 기승
値段は、絵なら1枚、7万ウォン~10万ウォン、読書感想文はA4用紙1枚が1万ウォン~2万ウォンくらいです。もちろん、年齢に合わせたレベルで期限内に完成させてくれます。
最近の子供たちは、お金で面倒くさい夏休みの宿題から解放されることを望み、親も子供が宿題代行業者を使うと言えば、お金をあげるそうです。
夏休みに毎年、お決まりの宿題を出す学校のほうに問題がある、という意見も多いです。
勉強がダメならゴルフをやるのもひとつの方法です。
韓国では、大企業か中小企業かで初任給からして大きく違うので、どの会社に就職(취직)できるかで、その後の将来が大きく変わります。また、就職には、どの大学を出ているかが大きく影響するため、大学受験が熾烈になります。そのため、韓国の子供たちは、いい成績をとるため、子供のころから大きなストレスの中にいます。
勉強ができればいいですが、勉強が全くダメなときは、歌やダンス、K-POP、あるいは、スポーツなど、親が別の道へ行かせるようにします。
男の子なら野球(야구)やサッカー(축구)、女の子ならゴルフ(골프)が人気です。
大都市では、ビルにスクリーンゴルフ場がたくさんあります。
もちろん、本人の特性が大事ですが。ゴルフなら体格の差がプレイにあまり影響せず、また賞金額が高いためです。
日本にも、アメリカにも、韓国人ゴルファー、特に女子ゴルファーで成功している人がたくさんいますよね。でも、成績がまん中くらいだと親は悩む(고민하다)そうです。勉強をあきらめさせて、それで失敗(실패)したら、あとがないし、といって、成績が伸びなければ、このままでも未来(미래)はないし。子供が将来、少しでもいい暮らしができるよう、親も大変です。
親の経済力で友達が決まります
韓国では、小学校も中学校も決められた学区の学校に行きます。高校も決められた学区の中で決まります。
ですので、すごいお金持ちの人とすごい貧乏な人が同じクラス〔韓国語では班(반)と言います〕になることは、ほとんどないのですが、それでも、クラスの中に、親の経済力の格差はできます。親が経済的に裕福な子は、制服の上に着るジャンパーに高級ブランド品を着たり、高級な学用品を持ってきたりします。
クラスで、人気のある人は、成績がいい、容姿がいい、など、だいたい条件がありますが、その中に、親の経済力がないとできないような、外見のおしゃれだったり、かっこいい、かわいい持ち物を持っている、なども入ります。
おしゃれにまったく関心ない、なんて言っていると仲間外れになります。
親も、親同士の集まりや学父母会で、情報交換をしながら、やはり、同じようなレベル同士親しくします。
親たちは、自分より経済レベルの低い親の子と自分の子が親しくすることを嫌います。自分の子のレベルが低くなることを心配するからです。そのため、子供たちも、結局、親の経済力が近い人同士、学校で友達になります。よく言えば、みんなが少しでも上を目指して頑張っている、とも言えますけど、親の経済格差が、子供たちの間で差別を生んでいます。
もちろん、以前から、そんな傾向はありましたが、最近は、その傾向がとても強くなっているそうです。
小学校や中学校にプールはありません。
日本では、小学校にも中学校にもプールがあるのが当たり前ですが、韓国では、一般的に、学校にプールはありません。韓国人は学校で水泳を習いません。フィットネスクラブ(헬스,헬스장)などで習った人だけが泳ぐことができます。
最近は、子供のころから水泳を習うことも多いですが、私が子供のころは、そもそもスイミングスクールもありませんでした。社会人になってからフィットネスクラブで習いました。
日本には、小学校にも中学校にもプールもあるし体育館もあるし、お金持ちだなと思います。
最近は、数は少ないですが、プールのある小学校もあります。
とても立派な室内プールです。学校の授業で使わない時間は区民に開放されていて、区民プールとして使われています。
区民プールとして使われているというよりは、区民プールを小学校の敷地に作ったというほうが近いです。
韓国には、雄弁大会があります。
韓国の幼稚園や小学校、中学校などの行事は、日本と似ているものが多いのですが、韓国にあって日本にないのが雄弁大会です。
雄弁大会というのは、要するに、スピーチ大会です。
ひとりひとりステージに立ち、その日のテーマで演説をします。「私が望む清廉な世の中」とか、「学校暴力を追放しよう」とか、「立派な人物になる道」とか、幼稚園生でも「みなさん夢を持ちましょう」とか、理想的で素晴らしいことを語ります。そして、最後に大きな声で「わたし、○○(自分の名前)は、声を上げて主張します」などと叫びます。
最後は、両手を広げたこのポーズで叫びます。
韓国では、幼稚園から大人まで、雄弁大会はあります。
雄弁大会は、北朝鮮にもあるようです。
北朝鮮にもあるということは、戦前の日本に「雄弁大会」があったということでしょうか?
韓国では、雄弁大会のために、雄弁学院(웅변학원)もあります。
消極的で内向的だと、いじめられやすいですから、消極的な性格の子を積極的な子にしようと親が通わせるケースが多いです。
雄弁学院塾で鍛えられた子は、雄弁大会で賞を取ることが多くなって自信感も生まれます。
最近、小学生の化粧も当たり前になってきました。
小学校4年生~6年生の女子の約45%が化粧をしたことがあると答えています。その数字は、その後もじわじわと上がっているので、今では、過半数を超えているはずです。
元々、女の子は、お母さんの真似をして、化粧をしたがるものです
親のほうも、どうせなら、子供のころから本格的に化粧の仕方を教えて、化粧を楽しめるようにしたほうがいいのではないか、そんな考え方の親が増えています。子供にとって、化粧が良くない理由のひとつは、子供の皮膚は敏感なためですが、最近は、皮膚に優しい、子供用の化粧品も多く発売され、小学生の化粧も当たり前の時代になってきました。
子供の化粧ですから、たとえばリップスティックは、薄く色のついたリップバーム・リップクリームレベルで、値段はひとつ1万ウォン前後です。
マニュキュアも、水性で、水で落とせる物です。値段は、こちらも、ひとつ1万ウォン前後です。BBクリームや、アイライナー、マスカラなど、子供用の物が発売されています。そのため、今、小学生の女の子に、一番喜ばれるプレゼントは化粧セットです。
化粧品の贈物セットは、ひとつ5万ウォン前後です。
毎年、5月5日の子供の日には、子供用の化粧セットが飛ぶように売れるそうです。