韓国人の姓(名字)の話「多い名字は金李朴、結婚しても女性の名字は変わらない」
韓国人の姓(名字/苗字)について、ご紹介します。韓国と日本は文化がとても近いですが、苗字に関してはかなり違います。韓国人の名前は中国式です。結婚しても苗字は変わりません。夫婦の苗字は違うままで、2人の間の子供は父親の苗字を名乗ります。それが伝統です。
また苗字自体がとても少ないです。全部で286しかありません。特に多い苗字は金、李、朴です。韓国は金さん、李さんだらけです。
目次 ▼
- ○ 1 韓国では結婚しても女性の姓(名字)は変わらない
- ・儒教はすべてが男性中心、女性は子供を生むためだけの存在だった
- ・2人の間に子供ができると子供は父親の姓になる
- ・2008年に子供の姓を母親の姓にできるように法律が変わった
- ・結婚しても姓(名字)が変わらないのは昔からの伝統
- ○ 2 韓国は姓(名字)の数が少ない
- ・3大姓は金李朴
- ・10大姓は、金李朴に崔鄭姜趙尹張林
- ・고집이센성씨들은안강최(頑固な姓氏は安姜崔)
- ○ 3 夫婦の名字が同じケースは少ない
- ・法的には9親等以上離れていれば結婚できる
- ・昔からの慣習で『同姓同本』の場合は結婚を避ける
- ・韓国人の戸籍には「本貫」の記載がある
- ・同じ名字の人との結婚をなんとなく避ける
- ○ 4 まとめ
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
1 韓国では結婚しても女性の姓(名字)は変わらない
これは中国と同じです。結婚しても姓を変えないのが伝統です。
日本も中国の影響をたくさん受けているのに日本だけシステムが違うので韓国人には不思議です。
儒教はすべてが男性中心、女性は子供を生むためだけの存在だった
男の子を生むことができないと離縁されました。もちろん、今ではそのようなことはありませんけど。
2人の間に子供ができると子供は父親の姓になる
そのため、子供の姓と母親の姓は違います。
ですので、父親と母親の意見が違った時に子供たちが父親の味方になると、例えば、父親と子供が「金氏」、母親が「李氏」だとすると、母親は「金氏同士で勝手にやればいいわよ。私は李氏だから」と、すねたりします。
家族の中で自分だけ姓が違うので、そのことで母親は疎外感を感じることがあります。
2008年に子供の姓を母親の姓にできるように法律が変わった
離婚する人が増えたこともありますが、生まれたときに母親の姓にすることもできます。そのためには婚姻届けを出す時に「子供の姓を母親の姓にする」という合意書を提出します。しかし子供と母親の姓が同じだと、学校では奇異な感じで周りから見られて、逆にマイナスな面もあります。
母親の姓にする理由 ’娘が母に似てくれたら’
結婚しても姓(名字)が変わらないのは昔からの伝統
女性が結婚しても名字は変わらないのは、歴史的な経緯があるからで、女性の権利を守っているわけではありません。いいか悪いかではなく、それが文化だというのが韓国人の認識です。
2 韓国は姓(名字)の数が少ない
全部で286しかありません。
3大姓は金李朴
金(김/キム)、李(이/イ)、朴(빅/パク)、
このみっつで全体の約45%です。
10大姓は、金李朴に崔鄭姜趙尹張林
崔(최/チェ)、鄭(정/チョン)、姜(강/カン)、趙(조/チョ)、尹(윤/ユン)、張(장/チャン)、林(임/イム)、
10大姓で全体の約64%です。
고집이센성씨들은안강최(頑固な姓氏は安姜崔)
昔から「安(アン)さん、姜(カン)さん、崔(チェ)さんは頑固な性格だ」と言われています。
簡単に言うと「昔々、頑固な安(アン)さんがいた」というような話が由来になっています。
もちろん人によって性格は違うのですが、頑固な崔(チェ)さんに会うと
「やっぱり崔(チェ)さんは頑固だねえ」と言い、
頑固ではない姜(カン)さんに会うと
「姜(カン)さんだけど頑固じゃないねえ」
という会話になります。
최씨고집 삼계탕(崔氏頑固 参鶏湯) 白抜き字で최고(最高)
ここでは「頑固」に「こだわり」のニュアンスを入れています。
ですので店名の意味は「頑固な崔氏のこだわりの参鶏湯」となります。
このような名前の店が韓国中にたくさんあります。
3 夫婦の名字が同じケースは少ない
ほとんど見たことありません。
法的には9親等以上離れていれば結婚できる
高祖父、つまり、ひいひいおじいさんが同じ場合は結婚できませんが、それ以上離れていれば結婚可能です。
昔からの慣習で『同姓同本』の場合は結婚を避ける
1997年以前は『同姓同本』は結婚できませんでした。
姓は名字、本は本貫と言って、先祖の発生地です。
韓国人の戸籍には「本貫」の記載がある
例えば金氏には100以上の本貫があります。
代表的なのは、金海金氏(김해김씨/キメキムシ)や慶州金氏(경주김씨/キョンジュキムシ)です。
同じ名字の人との結婚をなんとなく避ける
夫婦の名字が同じというのは、どこか奇異な感じがしてしまいます。
本貫が違えば同じ名字でも元々結婚に問題はありませんでしたし、同姓同本でもひいひいおじいさんが違えば法的には結婚可能ですが、皆なんとなく避けます。
そのため、夫婦の名字が同じケースはとても少ないです。
ただ、今の若者たちは、古い大人たちとは感覚が変わってきているので、同じ名字同士の結婚もこれから増えていくかな、と思います。
4 まとめ
韓国の姓(名字/苗字)のシステムや考え方は日本と違うのでなかなか理解が難しいかもしれませんが、それも文化です。
韓国人の感覚を少しでも理解していただけたら幸いです。
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監修者

<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。

内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。