韓国ソウルの「カンナム(江南)」には4つの意味があります。
ソウルの「カンナム」は、漢字で「江南」と書きます。 川の南という意味ですが、川の南のどの辺りを指すのかで、場所として3つ、そして、象徴的な意味がひとつあります。
目次 ▼
- ○ 1 川の北を「江北(カンブク・강북)」、南を「江南(カンナム・강남)」と言います。
- ・昔の都は、江北にありました。
- ・1970年代くらいまで、江南(カンナム)は何もないところでした。
- ・ソウルのおしゃれなエリアは、ほとんど江南地域にあります。
- ・次第に『古い江北』『新しい江南』となりました。
- ○ 2 ソウル市には25の区がありますが、そのうちのひとつが江南区です。
- ・韓国のお金持ちは、このエリアに集中しています。
- ・特にお金持ちの上位0.1%は、江南区の大峙洞(대치동)に集中して住んでいます。
- ・「カンナム(江南)=お金持ち」という公式ができました。
- ○ 3 地下鉄2号線に江南駅があります。
- ・ソウルの中で、江北の「鍾路(チョンロ・종로)」に次ぐ2番目の繁華街です。
- ・主な大手語学学校も集まっています。
- ・美容整形の病院も集中しています。
- ・江南駅近くはベンチャー企業などの多いエリアです
- ・江南駅の南西側にサムソンタウンがあります。
- ・江南駅の東側は、駅三洞(ヨクサムドン・역삼동)です。
- ○ 4 「カンナム(江南)」には4つの意味があります。
- ・場所としては、カンナム(江南)駅周辺の繁華街、
- ・「お金持ち」の象徴的意味で使うことも多いです。
- ○ 5 サイ(싸이)の「カンナムスタイル」は『お金持ち(エリア)』の意味の「カンナム」です。
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
1 川の北を「江北(カンブク・강북)」、南を「江南(カンナム・강남)」と言います。
ソウル市の真ん中を、右から左に(東から西に)川が流れています。この川が「漢江(ハンガン・한강)」です。そのため、ソウル市を大きく分ける時、川の北エリアと南エリアで分けます。
昔の都は、江北にありました。
ですので、古くからのものは、みな江北にあります。今も残る「南大門(ナムデムン・남대문)」や「東大門(トンデムン・동대문)」、「徳寿宮(トクスグン・덕수궁)」や「慶福宮(キョンボックン・경복궁)」、繁華街の「明洞(ミョンドン・명동)」や「鍾路(チョンロ・종로)」学生街の「新村(シンチョン・신촌)」、大統領官邸である「青瓦台(チョンワデ・청와대)」も、「市役所/市庁(シチョン・시청)」もみんな江北にあります。
1970年代くらいまで、江南(カンナム)は何もないところでした。
しかし、人がソウルに集まるにつれて、江北だけでは土地が足りず、江南地域が開発されはじめ、そこに新しいものができました。
ソウルのおしゃれなエリアは、ほとんど江南地域にあります。
「狎鷗亭(アックジョン・압구정)」「淸潭洞(チョンダムドン・청담동)」「新沙洞(シンサドン・신사동)」など、ほとんど江南地域にあります。
学生街の「弘大(ホンデ・홍대)」エリアだけが江北です。
次第に『古い江北』『新しい江南』となりました。
江北と江南のイメージが逆転しました。
これは、東京でいうと、浅草や上野、銀座という古いエリアに対する新宿や渋谷、六本木という新しいエリア、そんな関係と似ているかもしれません。新宿や渋谷も50年前までは、何もないところだったらしいですよね。
東京の賑わい場所は、東から西へ、ソウルの賑わい場所は、北から南へと、それぞれ移っているんですね。
2 ソウル市には25の区がありますが、そのうちのひとつが江南区です。
赤〇が江南区、青〇が江東区、水色〇が江西区、紫〇が江北区、赤☆が明洞などがあるソウル市の中心地です。
韓国のお金持ちは、このエリアに集中しています。
韓国のお金持ちの80%以上が、江南区と隣の瑞草(ソチョ・서초)区に住んでいると言われています。
ベンツなどの高級車の最上位クラスは、このふたつの区だけで、全売り上げの80%以上だそうです。
特にお金持ちの上位0.1%は、江南区の大峙洞(대치동)に集中して住んでいます。
超お金持ちが多く住んでいるため、サムソン電子は、一時期、最先端商品のショールームをここに作りました。高価な最高級品をお金持ちに買ってもらうためです。
しかし、ショールームの意味がありませんでした。理由は、最先端の商品が出ると、このエリアのお金持ちたちは、「すぐに持って来てちょうだい」と、商品も見ずに値段も聞かずに注文するからです。
ショールームは1年も経たずに撤退しました。
「カンナム(江南)=お金持ち」という公式ができました。
実際、江南のお金持ちは、やることが違います。お金ありますから。教育にしてもなんにしても、別格のエリアです。ドラマでもよく出てきます。
3 地下鉄2号線に江南駅があります。
今は、新盆唐線(신분당선)ができて、地下鉄路線がふたつ乗り入れています。江南駅周辺が繁華街です。
ソウルの中で、江北の「鍾路(チョンロ・종로)」に次ぐ2番目の繁華街です。
狭いエリアにビルが集中しているので、繁華街の地価としては、韓国で一番高いです。
飲み屋や焼肉屋、レストランがたくさんありますし、映画館もあります。
主な大手語学学校も集まっています。
ソウル市の南郊外にある大学に通学する学生のための通学バスが、ここ、江南駅からたくさん出ています。そのため、学生さんたちもたくさんいます。
美容整形の病院も集中しています。
テナントのほとんど、あるいは全部が美容整形というビルもあります。そんなビルがいくつもあるのは韓国でもここだけです。
江南駅近くはベンチャー企業などの多いエリアです
江南駅周辺は、エリアを東西に貫くテヘラン路(테헤란로)を境に、北側が繁華街、南側がオフィス街です。
江南駅の南西側にサムソンタウンがあります。
サムソン電子本社などが入っています。2005年にオープンしましたが、サムソンは韓国でも一番地価の高い所を広い範囲で買い取りました。一体どれだけお金があるのか…。
でも、江南エリアを南北に貫く大通りの「江南大路(カンナムデロ・강남대로)」沿いは買い取れませんでした。ここが一番ほしかったらしいのですが、絶対に売らない人たちが何人もいたそうです。
江南駅の東側は、駅三洞(ヨクサムドン・역삼동)です。
地下鉄2号線の隣の駅も駅三駅(ヨクサム駅・역삼역)です。駅がみっつあったから駅三です。駅というのは、電車の駅ではなく、馬に乗る駅です。昔は、江北の両班(ヤンバン・양반)たちは、漢江(ハンガン)を渡って、このあたりから馬に乗って、あるいは乗り換えて、地方に行っていました。江南駅周辺というのは、昔々は、そんなところでした。
4 「カンナム(江南)」には4つの意味があります。
場所として3つ、象徴的な意味として「お金持ち」の意味があります。
ただ「カンナム(江南)」と言った時には、
場所としては、カンナム(江南)駅周辺の繁華街、
あるいは、お金持ちの多く住むエリアを漠然とイメージします。
「お金持ち」の象徴的意味で使うことも多いです。
日本で言うと、東京の「田園調布」とか、関西の「芦屋」、そんな感じになると思います。ただ、日本のお金持ちより「カンナム(江南)」のお金持ちは、やること派手だと思いますが、例えると、そんな感じです。
5 サイ(싸이)の「カンナムスタイル」は『お金持ち(エリア)』の意味の「カンナム」です。
サイが全然売れていない時に作った曲です。まったく「カンナム」とは縁のないタレントが「カンナムスタイル」と歌ったのはギャグです。日本で言うと、全く売れていない芸人が「田園調布スタイル」と言って、おかしな踊りをするような感じです。
「カンナムスタイル」の大ヒットで、サイはお金持ちの仲間入りをしたので、今では全くのギャグではなくなりましたけど。
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