Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//韓国の病院や入院事情を韓国人視点で紹介します。

韓国の暮らし(07)【病院・病気・薬】

韓国の病院や入院事情を韓国人視点で紹介します。

韓国の病院の基本のシステムは、日本と同じです。
まずは、町中の医院(의원)へ行きます。そして、そこでは対応できないような病気や怪我の時、総合病院(병원)を紹介されます。
日本でも、医院と病院、正式には区別がありますが、会話では、どちらも病院と言っていますね。韓国では、会話でも、医院と病院を区別します。

目次

韓国で病院と言ったら、ソウルのビッグ5です。

大きな病気にかかったり、入院しなければならない時は、信頼できる病院がいいですよね。
ソウルには、韓国全土から、患者が集まる大病院が5つあります。それをビッグ5と言います。中でも、巨大な病院がソウルアサン病院(서울아산병원)で、2680病床あります。世界の病院トップ100にも入りました。チャムシルの漢江(ハンガン)そばにあります。自動車で有名な現代(현대・ヒョンデ)グループが作った病院です。

次が、サムソンソウル病院(삼성서울병원)、サムソングループの地上20階、地下5階の巨大病院です。そして、延大セブランス病院(연대세브란스병원)〔延世大学(ヨンセ大学)医学部付属病院〕、ソウル大病院(서울대병원)〔ソウル大学医学部付属病院〕、ソウル聖母病院(서울성모병원)〔カトリック大学医学部付属病院〕のいつつです。どの病院も、最近建て替えたので、きれいで、そして巨大です。

ビック5の入院患者は韓国中から患者が集まるので、どこも60%以上がソウル以外から来ています。
もちろん、外国人の誘致も積極的で、通訳がいます。もし、韓国で何かあったら(ないほうがいいですけど…)、ビッグ5のどこかに行ってください。日本語通訳もいるから安心です。

病院で、担当の医者を何度も変更(チェンジ)します

総合病院とか、大学病院、あるいは、大きな専門病院には同じ診療科に医者が何人もいます。
最初に自分の担当になった医者が不親切だったり、なんか頼りなかったり、あるいは、病気などが思うように改善しない時、韓国では、病院に「医者を替えてほしい」と言えば替えてくれます。インターネットなどで調べて、はじめから「○○先生にしてほしい」と言ったり、一番人気のある先生は誰か聞いて、その先生を指名したりします。

日本では、同じ病院で医者を替えてもらうことはないですよね。聞いたところでは、アメリカでも、ヨーロッパでも「担当の医者を替えてくれ」と病院に言うことはないそうです。それ以外の国は知りませんが、少なくとも先進国では、最初に決まった担当医でずっと行くのが普通みたいです。

でも、韓国では、客が替えてくれと言うのに替えてくれなかったら他の病院に行ってしまうし、サービス悪い病院になってしまうので、普通、希望通りに替えてくれます

同じ医院(病院)に、院長が2人も3人もいます。

韓国では、医院に行くと院長がたくさんいることがあります。この医院では、3人とも院長です。
この医院は体外受精専門の産婦人科なのですが、3人は、以前勤めていた病院からいっしょに独立しました。医者が、大学病院などから独立して、個人の医院を設立することはよくありますが、病院は設備費用などが高額なので1人で全額負担するのはとても大変です。といって、設備の費用を削ると顧客である患者が来てくれません。病院は、医者も大事ですが最新設備も大事です。
また、1人でスタートするより、3人でスタートすれば、はじめから、ある程度の顧客数が見込めるので、受付や看護師などのスタッフを雇う費用も割り勘できて、お得ですし、ある程度名前の知られた3人の名前を看板にすれば信用度も増します。
しかし、いっしょに設立するのに、誰かを院長にして、残りが副院長となると、医者の間で不公平が生じます。そのため、「共同院長」といって、2人とか3人とかが全員院長ということが韓国ではよくあります。

入院すると、必ず患者服を着ます。

入院中に着る服は、日本では自由なのでしょうか? 韓国人にとっては「患者服」は当たり前です。患者服を着る理由は、衛生面の問題が一番大きいですが、もしかしたら、韓国の病院の病室には、患者だけでなく、その保護者や付添い人など、いつも人がたくさんいます。それで、誰が患者か区別するためにも必要なのかもしれません。

デザインは病院ごとに違います。

子供も入院したら患者服を着ます。

入院したら、身の回りの世話をしてくれる「付添人」が必要です

韓国の病院で入院をすると、日本と同じで、病棟の看護師がいますが、韓国の看護師の場合は、注射をしたり血圧を測ったり、といった以外のことは何もしてくれません。患者の身の回りのことは、保護者がしなければなりません。患者が子供ならお母さんが、結婚している男の人なら奥さんが病室で患者といっしょに寝泊りして、身の回りの面倒を見ます

病院のベッドには、ベッドの下に保護者用の簡易ベッドがあります。

保護者は、夜、簡易ベッドで寝ます。簡易ベッドは、昼間は面会者用の長椅子になります。これは、大部屋でも同じです。ですから、8人部屋なら、常に人が16人以上いることになります。韓国の病室の大部屋は、日本のようにカーテンで仕切られてはいません。そして、だいたいテレビが1台あって、いつもつけっぱなしです。そのため、けっこううるさいのですが、みんな慣れているのか、あまり気にしません。
別にたいした手術じゃなくても、保護者は必ずいます。そのため、次の日に手術を受ける旦那さんが簡易ベッドで寝て、付き添いの奥さんが患者用のベッドで寝てるということもあります。

家族だけでは付き添いできない時は、専門の付添人(간병인・看病人)を雇います。

1日に何時間付き添いするかで料金が違いますが、安くても、ひと月に150万ウォン以上かかりますから、家族が入院すると韓国では肉体的に、そして金銭的に大きな負担です。

病院の面会時間が制限されるようになりました。

韓国の病院に入院すると、大部屋では静かに過ごすことが難しいです。部屋にひとつあるテレビは、いつもつけっぱなし、患者には必ず保護者(大人でも保護者と言います)がいますし、看病人(付添人)がいたり、面会に来る人も多く、いつも、ざわざわした雰囲気です。
それが、最近は、ずいぶん変わりました。もちろん、今は、コロナの影響で面会は制限されるのですが、3~4年前から、ソウル市内でも、大学病院などでは面会時間を制限するようになりました。

また、地方都市では、都市全体で一斉に制限を始めたところもあります。入院患者の面会時間は、平日は夕方の2時間、土曜日曜は、昼間2時間と夕方2時間というところが多く、簡単に言うと、日本のようになっています。

保護者はいつでもOKというのが一般的です。

保護者証とか、面会証を首からぶらさげなければならない病院も増えています。
また、病室には、看病人もいますから、患者が6人でも、だいたい、いつも、その2倍以上の人がいます。それでも、以前に比べるとだいぶ静かで、落ち着いて入院できるようになりました。

医者も看護師も白衣は少なくなりました。

最近の医者や看護師は、必ずしも白衣ではありません。上に白衣をはおっていても、中の手術服は、青とか紫とか、自分の好きな色のものを着ています。
テレビドラマにも医者はたくさん出てくるので、ご存知の方も多いかと思います。

水色とか薄いピンクとかが、最近の主流です。

特に小児科では、白衣は子供に威圧感を与えて怖がらせてしまうので、青とか緑とかで、子供の気持ちを落ち着かせています。

小児科の医者は特に明るいです。

小さな子供に接するので、怖がらせないように頑張って明るく接します。中には、保育園の先生かと思うくらい、明るく、歌を歌ったり口笛を吹いたり、子供を楽しませながら診察する医者もいます。
韓国では、小児科の医者は笑顔のイメージです。笑顔がなくて暗い雰囲気だと子供が怖がるので、その医者には誰も行かなくなります。もちろん、医者としての実力は必要ですが、医者も客商売です。小児科だけでなく、どの医者も、態度が横柄だったら、その病院は潰れます。
ただ、大病院の有名な医者の中には、患者が殺到して、あまりに忙しすぎるのか、患者の質問にいちいち答えたくなさそうな態度の医者も、いることはいます。

ブログ一覧