韓国では漢方薬も針(鍼)も日本よりずっとポピュラー
日本では、鍼や漢方薬はお年寄りのイメージがありますが、韓国ではもっともっと一般的でポピュラーです。なかなかイメージしずらいかもしれませんが、ここでは韓国の東洋医学事情をご紹介します。
目次 ▼
- ○ 1 韓国では、漢方や鍼といった「東洋医学」の社会的認知度がとても高い
- ・漢方薬のことを韓国語でハニャク(한약)と言う
- ・漢方薬を処方してくれる所はハニウォン(한의원)とハニャクパン(한약방)
- ・東洋医学の病院「漢医院/韓医院」の医者をハニサ(한의사)と言う
- ・韓国の「灸」は火を使わない温パック
- ○ 2 漢方薬は、日本よりずっと身近な存在
- ・「薬の半分は漢方薬」というくらい
- ・体質改善をするときは漢方薬
- ○ 2 鍼(針治療)もポピュラー
- ・漢医院では鍼治療も行う
- ・針治療はだいたい保険が利く
- ・鍼はやったことがない人も多い
- ・私も怖そうで30歳くらいまでやったことがなかった
- ・韓国の漢医院にぜひ一度行ってみてください
- ○ 3 漢医院でははじめに「診脈」を取る
- ・診脈を上手に取れるかどうかでいい韓医者かどうか判断される
- ・漢医者は診断をして漢方薬を作って針治療をする
- ・漢方薬は宅配で届ける
- ・漢医院と言っても室内に特段変わったところはない
- ○ 4 漢医師は人気の職業
- ・韓国で漢医者になるには大学の漢医学部に行って6年間勉強する
- ・韓国では、獣医は医者ではないが漢医者は医者
- ・漢医者なら結婚対象として女性の人気も高い
- ○ 5 漢方薬ダイエットの有名医院でぜひ試してみてください
- ・漢医院へ行けばどこでもダイエット用の漢方薬を処方してくれる
- ・体に合う漢方薬を処方してくれる
- ・イルメク漢医院ではタブレットもある
- ・最近は電話での簡単診察も可能
- ○ ※ 韓国語を楽しく学んでみませんか?
1 韓国では、漢方や鍼といった「東洋医学」の社会的認知度がとても高い
韓国では、西洋医学と東洋医学は、どちらが優れているということではなく、どちらもそれぞれ役割の違う、人間生活に必要な重要な医学だと考えます。
漢方薬のことを韓国語でハニャク(한약)と言う
漢字で書くと「漢薬」ですが、最近は「韓薬」と書くようになりました。どちらも発音は同じです。
漢方薬を処方してくれる所はハニウォン(한의원)とハニャクパン(한약방)
漢字で書くと、ハニウォンは「漢医院/韓医院」、ハニャクパンは「漢薬房/韓薬房」です。「漢医院/韓医院」は、針治療もしてくれる東洋医学の病院で、「漢薬房/韓薬房」は漢方薬の薬屋です。どちらも韓国にはたくさんあります。
東洋医学の病院「漢医院/韓医院」の医者をハニサ(한의사)と言う
ハニサは漢字で「漢医者/韓医者」です。
韓国の「灸」は火を使わない温パック
日本には「お灸をすえる」というように、火で熱くした「灸」がありますが、韓国で灸と言うのはホットパックで「温める」ことです。
2 漢方薬は、日本よりずっと身近な存在
「薬の半分は漢方薬」というくらい
ソウルの京東市場(경동시장)が漢方薬の市場として有名です。韓国で取り扱われる漢方薬の70%がここで売買されています。最近は観光客もたくさん訪れています。
体質改善をするときは漢方薬
例えば、「最近なんか疲れやすくなって」と言うと、「じゃ、漢方を処方してもらったほうがいいですよ」というのが普通の韓国人の反応ですし、女性が結婚すると、普通母親が妊娠しやすくなる漢方を処方してもらいます。「虚弱体質だ」とか「汗かきだ」「生理痛がひどい」「冷え性だ」等々、体質改善をするときは漢方薬です。最近はダイエットのための漢方薬もありますし、子供用の漢方薬もあります。
漢方薬は、風邪などをすぐに治してくれる薬ではなく、風邪にかかりにくい体を作ってくれる薬です。
2 鍼(針治療)もポピュラー
漢医院では鍼治療も行う
ちょっと肩が凝って痛いなあ、という時、針治療をしに行きます。
針治療はだいたい保険が利く
漢方薬は保険が利きません。
鍼はやったことがない人も多い
韓国人で漢方薬にお世話になったことがない人はいませんが、鍼はやったことがない人も多いです。なんか怖そうですよね。
私も怖そうで30歳くらいまでやったことがなかった
ある時、右肩が痛くて痛くて腕が上がらなくなりました。仕事をするのも困るので、母に連れられて仕方なく漢医院に行きました。
右肩が上がらないと言うと、漢医師が、太い針を右肩に刺しました。びっくりしましたが不思議と痛くなかったです。そして、痛くない左肩にも刺しました。「左は大丈夫です」と言うと、「左右均等にやらなきゃだめなんだ」と言われ、とにかくじっとしていました。
そして、針を抜いたあと、「腕を上げてみて」と言われました。無理だと思いながら、そ~っと腕を上げてみると、不思議なことに、ぜんぜん痛みを感じずに上げることができました。本当にびっくりでした。
今は鍼を信じています。
韓国の漢医院にぜひ一度行ってみてください
日本にも鍼はありますし漢方薬もありますが、韓国語が少しできるなら、韓国で漢医院に一度行ってみるといいと思います。
タイに行ったら、タイマッサージを必ず受ける人も多いですし、台湾に行ったら足裏マッサージを受ける人も多いです。韓国行って漢医院に行ってもいいんじゃないですか?
もし、体の調子が悪くて「今度の旅行はどうしようかな」と思ったら、迷わず韓国行って、空港から漢医院に直行してください。鍼と漢方薬で元気になって帰れるはずです。
3 漢医院でははじめに「診脈」を取る
漢医院では、まず、手首の外側あたりの脈を左右取ります。これを診脈と言います。これで体の調子がすべてわかります。
診脈を上手に取れるかどうかでいい韓医者かどうか判断される
以前、漢医院へ行った時ですが、父は、「この3か月の間に精神的なショックを受ける出来事がありましたね」と言われました。当たってました。
その時、私も診脈を取りましたが、特に問題ないと言われました。そんなはずないのですが…。
漢医者は診断をして漢方薬を作って針治療をする
院長が漢方薬を作ります。
漢方薬は宅配で届ける
漢方薬は作るのに時間がかかるので、ビニールパックに入れたものを箱に入れて、あとで宅配で届けます。漢方薬は保険が利かないものが多くて高いです。ひと箱で20万ウォンくらいになります。
為替レートは、平均すると、だいたい100円=1000ウォンです。
漢医院と言っても室内に特段変わったところはない
実家の近くの漢医院です。ここは、新しいのできれいです。
4 漢医師は人気の職業
韓国では、漢方薬は値段が高いため、漢医者は儲かると言われていて、人気のある職業です。
韓国で漢医者になるには大学の漢医学部に行って6年間勉強する
そして、そのあと難しい国家試験があります。大学によって、レベルの高い大学、そうでない大学がありますが、一番有名なのはソウルの慶熙(경희)大学です。もちろん、一般の医者になるほうが大変ですが、薬学部や獣医学部などよりもレベルは高いです。ですから、地方の大学の漢医学部でも、けっこう高いレベルです。
韓国では、獣医は医者ではないが漢医者は医者
日本と違います。
漢医者なら結婚対象として女性の人気も高い
特に、慶熙大学出身の韓医者なら相当なものです。
5 漢方薬ダイエットの有名医院でぜひ試してみてください
ダイエット用の漢方薬は食欲を抑える働きをします。食事の30分前に飲むと、食欲がなくなるため食べる量が減ります。最低限必要な量や栄養だけを補給して、食べないことでダイエットをします。食欲がなくなるので、無理せずダイエットができます。私も若い時には、この方法ですぐに3~4キロやせました。
漢医院へ行けばどこでもダイエット用の漢方薬を処方してくれる
漢医院へ行けば、どこでもダイエット用の漢方薬を処方(처방)してくれますが、ダイエットなら、ダイエット専門のイルメク漢医院(일맥한의원)が有名です。
テレビで、実際に試して、やせる様子も出て、知名度が高いです。韓国内に24か所あるので、旅行中の滞在場所の近くに、だいたいあるはずです。ソウルなら江南(강남)駅や明洞(명동)駅の近くにあります。釜山なら西面(서면)駅の近くにあります。
体に合う漢方薬を処方してくれる
電話で予約をして、予約の時間に行くと、まず、韓医師の診察があります。診脈をみて体の調子を調べます。いくつか質問して体に合う漢方薬を処方します。韓国の漢方薬は、抽出液(탕)が一般的です。。
イルメク漢医院ではタブレットもある
抽出液は、頼んでからできあがるまで時間がかかりますが、タブレットならその場でもらえます。
抽出液は、その人の体質に合わせて処方するので効果が高いですよと、たいていは抽出液を勧められるのですが、抽出液のほうが値段が高いです。時間があったら、そのほうがいいと思いますが、短期の旅行では難しいかもしれません。
最近は電話での簡単診察も可能
電話相談で処方して、即日宅配発送もしているようですから、短気の旅行ではいいですね。
でも、できれば、ちゃんと診脈を診てもらったほうがいいと思います。
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監修者
<出身大学>
新丘大学家庭教育学部
<略歴>
ソウル出身。韓国語教育が専門分野。2006年に来日し、2011年より韓国語教室ハングルちゃんの共同経営者兼主任講師。 生徒たちが積極的に参加しやすい雰囲気を作り、能力を最大限に引き出す指導スタイルが評判。
内田 昌弘 (うちだ まさひろ)
韓国語教室ハングルちゃん代表
<資格>
通訳案内士韓国語(国家資格)
日本語教育能力検定
高等学校と中学校教員1種免許状(数学)
<出身大学>
京都大学農学部卒業
<略歴>
東京生まれ千葉県育ち。韓国在住(歴)15年、1996年から2006年までの11年間は、韓国最大規模の語学学校(YBM学院)にて日本語部門の教授部長。2011年6月に韓国語教室ハングルちゃんをスタート。