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新大久保の話【入門ガイド・お店・送金・駐車場】

これで完璧「新大久保コリアタウン入門」 韓国人視点からのガイドです。

目次

1 新大久保コリアタウンとは

新大久保コリアタウンと言われるエリアは、おおざっぱに、東西は、山手線と「イケメン通り」の間、南北は「大久保通り」と「職安通り」の間です。特に決まっているわけではありませんが、だいたい、水色の〇で囲んだあたりです。
韓国のお店は、周辺にもたくさんありますが、いわゆる中心地は、このあたりになります。

一般的に新大久保と言いますが、住所は、新宿区大久保と新宿区百人町です。新大久保という住所はありません。新大久保と言うのは、山手線の駅が新大久保駅だからです。

そして、新大久保は、日本の方には「コリアタウン」というイメージが強いですが、実際には、中国人も多いし、ベトナム人も多いし、いろいろな国の人が住んでいます。このエリアにある大久保小学校に通う子供たちの国籍は、20くらいあると聞いたことがあります。

新大久保歩きで、目安となる道路は、よっつです。

水色線の「大久保通り」、新大久保駅の前の道です。
緑線の「職安道り」、ドン・キホーテが目印です。
紫線の通称「イケメン通り」、細い路地です。
ピンク線の「西大久保公園通り」、イケメン通りとの間に公園(青星印)があります。

道は、東西と南北なので、方角は分かりやすいですが、きれいな碁盤の目にはなっていません。あみだくじっぽい道が多いです。

トイレは、西大久保西の中、そしてドン・キホーテにあります。

新大久保駅のトイレは改札内です。狭いです。いつも並んでいます。

2 新大久保駅と大久保通り

新大久保駅の改札口はひとつです。ひとつしかないので、改札口の前は、いつも人がいっぱいです。写真では、ぜんぜんいませんけど。

新大久保駅前の大久保通りは、いつも人通りが多いです。

車道は片側1車線だし、歩道も狭いので、週末は人がいっぱいで、まっすぐ歩けないほどです。

コリアタウンのお店は、どんどん変わります。ちょっと前は「チーズタッカルビ」だらけだったのが、最近は「チュクミ」のお店があちこちにできていたり。

ここでは、お店の紹介は「古くからある有名店」のみにします。基本をおさえるという形でご案内します。

日本人の大好きなサムギョプサルのお店。

「サムギョプサル(삼겹살)」は、ただの豚バラ肉です。ですので、韓国人は、「サムギョブサル」は、普通、家で食べます。私も、韓国では、外の店で食べたことがありません。ですので、「サムギョプサル」のおいしいお店、と言われると困ります。

「サムギョプサル」で一番有名なのは「とんちゃん」です。

地図の➀番。
でも「トンちゃん」は新大久保以外にも、あちこちありますから、新大久保でなくてもいいですよね。

ちなみに「トンちゃん」は、肉にはこだわっていて、肉質のいい、臭みのない肉を、契約した養豚所から買い付けているそうです。「トンちゃん」の厨房で働くおばちゃんから聞きました。

参鶏湯なら「高麗参鶏湯」がおすすめです。

地図の➁番。

参鶏湯は辛くないので、好きな人、多いみたいですね。お勧めは、本格参鶏湯のお店「高麗参鶏湯」です。大久保通りから、路地を少し入ります。

ここのオーナーは、大通りに面した場所ではなく、あえて、少し入ったところにお店を出したそうです。理由は、流行り廃りに巻き込まれたくないからです。

新大久保の、他の店の参鶏湯の中には、噂では、冷凍ものを使っているところもあるそうです。値段の安いところは、中身もそれなりです。最近は、冷凍物でも、けっこうおいしかったりしますけど。
でも、しっかりした、本格参鶏湯を食べようと思ったら、この店です。お値段は少々しますが、新大久保の他の店とは違います。

3 イケメン通り

韓国のお店がいっぱい並んでいる「イケメン通り」、どうして「イケメン」なにかわかりませんが、日本のテレビ局がつけた名前のようです。「イケメン」いないけどなあ。

大久保通りからは入る時は、角に「ローソン・スリーエフ」のある路地です。

狭い道ですが、歩行者天国ではないので、時々車が通ります。

イケメン通りの「とんちゃん」はきれいです。

地図の➂番。

きれいなトンちゃんでサムギョプサルを食べたい方は、こちらがおすすめです。

カムジャタン、おいしいですよ。

カムジャタン(감자탕)は、じゃがいも鍋という意味です。実際には、じゃがいもよりも、骨付き豚肉がたくさん載っていて、じゃがいもは少しだったりしますが、それでもカムジャタンです。
日本人にも、ファンはいるみたいですが、あまりポピュラーではないみたいですね。お店もあまりないのですが、イケメン通りに、専門店があります。

カムジャタン専門店の「宋家」です。

地図の④番。

古くからある店です。以前は別の場所にありましたが、イケメン通りに引っ越してきました。
以前は韓国人しか行かなかったのですが、今は、完全に日本人向けになっています。味はまあまあですが、行くたびに値段が上がってて。

4 西大久保公園通り

「イケメン通り」のひとつ西側の通り、「西大久保公園通り」にも、韓国のお店があります。

道に名前がついています。こちらは新宿区のお役人がつけた名前です。

「マッチャン」も古くからあるサムギョプサルのお店です。

地図の➄番。

韓国語で「味」がマッ(맛)です。味ちゃんと書いてマッチャンと読みます。ちょっと無理があると思いますが、厚切りのサムギョプサルが名物です。焼いてくれる定員さんによって、すごくおいしい時と、今一の時があります。

韓国家庭料理のお店「でりかおんどる」も有名店です。

地図の⑥番。

新大久保の韓国家庭料理のお店は、厨房で料理を作るおばちゃんの味です。おばちゃんが辞めて、別のおばちゃんになると、味が変わります。
そんな新大久保の中では、レシピ管理をきちんと行うことで成功したと言われているのが、「おんどる」です。「おんどる」の厨房で働いていたおばちゃんから聞きました。

そんな話を聞いて、食べに行きましたが、日本人は、皆、サムギョプサルを食べていました。結局、サムギョプサルなんですね。このお店の成功の秘訣がよくわからなくなりました。

チキンのお店も多いです。

地図の⑦番。

韓国のチキンチェーンの店が、新大久保にもいくつかありますが、ここは、有名タレント、カンホドン(강호동)のお店です。韓国では、知名度がとても高いです。

一般の住宅も多く、こんな看板があちこちにあります。

西大久保公園にはトイレがあります。

過去には、ホームレスのたまり場だった時代もあるのですが、すっかり変わりました。

公園の中で、飲んだり食べたりできます。

土日のみですけど。

5 職安通り

大久保通りと平行に、東西に走る「職安通り」は広いです。車道も片側3車線あります。

職安通りのイケメン通り入口には、ドンキホーテがあります。

もし道に迷ったら、ドンキホーテを目印にするといいです。
ドンキホーテ「新宿店」です。「新大久保店」ではありません。

ドンキホーテからイケメン通りを挟んだビルの5階に「ハングルちゃん」があります。

ハングルちゃんも、職安通り沿いにあります。

職安通りを東にずっ~と行って、右に少し入ると、そこに韓国人学校(東京韓国学校)があります。

韓国から日本に来る、子供のいる駐在員は、だいたい韓国人学校の近くに住みます。大江戸線の若松河田駅周辺にたくさん住んでいます。韓国人学校近くに住む韓国人にとってのメインストリートは職安通りです。職安通りで、新宿方面に出ます。

また、東京の他のエリアに住む韓国人が、たまに買い物や食事に来るには、交通の便利な新宿に近いところだと訪れやすいです。

それで、韓国人のたくさん住む場所にも近く、交通の便利な新宿にも近いことから、職安通りの山手線に近いあたりに、韓国スーパーや、韓国レストランがたくさんできました。

韓国広場など、古くからある有名なお店は、みんな職安通りにあります。

地図の⑧番。

一番有名な韓国スーパーは、職安通りの東新宿寄りにあります。ちゃんと理由があって、そこにあります。

韓国広場の隣には、韓国の銀行「新韓銀行(신한은행)」の支店があります。

以前は、もうひとつ「外換銀行(외환은행)」の支店も職安通りにありましたが、支店統合でなくなってしまいました。

新大久保で稼いだお金を韓国に送る送金所も、一番有名なのは職安通りにあります。

地図の⑨番。

韓国人相手のネットカフェや、スクリーンゴルフも、皆、職安通りです。

2011年の東日本大震災の前は、韓国の有名なお店というと、みんな職安通りか、その近くにありました。
それが、大震災後の韓国ブームで、日本人がたくさん来るようになり、新大久保駅前の大久保通りに人が増えました。日本人は、皆、電車で来ますから。
逆に、職安通りは、東日本大震災で原子力発電所が故障し、放射能漏れを心配する韓国人が皆帰国したため、人通りが大きく減りました。
また、大震災のあと、韓国人駐在員たちは、家族がいても、いっしょに来ないで、日本に単身赴任で来るようになりました。子供を連れてきても、韓国人学校ではなく、イングリッシュスクールに通わせるケースが増えています。そのため、韓国人の家族連れは、以前よりも減ったままです。
新大久保エリアの人の流れが、東日本大震災の前後で、大きく変わりました。

職安通りのお店は、ペクジョンウォンのお店がおすすめです。

ペクジョンウォン(백종원)は、韓国の有名な料理家です。超有名で、韓国人で知らない人はいません。この人のおかげで、料理家の地位も上がったほどで、最近は、ペクジョンウォンのようになりたい、という若者や子供も多いです。
そんな、超有名料理家のお店が、職安通りに4軒あります。皆チェーン店ですが、味は保証付きです。

ウサンギョプ(牛肉サムギョプサル)の「本家」、おすすめです。

地図の➉番。

建物の2階部分が「本家」です。メニューは、お肉だけではないですが、コスパを考えたら絶対お肉、と店員さんが言っていました。「ウサンギョプ」は「牛肉のばら肉」ですが、味付けがされていて、おいしいです。隣の席との間隔も広いので、最近の外食はいつもここでした。

セマウル食堂は、夕方、いつも並んでいます。

地図の⑪番。
1970年代をイメージしたお店です。メニューは、七分キムチチゲと、練炭プルコギが有名です。
日本人は、みんな練炭プルコギ食べてます。辛く味付けされた豚肉を炭火で焼いて食べます。

香港飯店0410。韓国式中華のお店です。

地図の⑫番。

「チャジャン麺」や「韓国チャンポン」のお店です。ここの「チャジャン麺」もおすすめですが、週末は、特に混んでいます。店が狭いせいか、1時間待ちも珍しくありません。

6 新大久保は、リトルソウルというよりはリトル釜山です。

豚クッパ(돼지국밥)という料理をご存知でしょうか?
私は日本に来るまで知りませんでした。

この料理は、慶尚道(경상도)、特に釜山のほうの料理です。別に高級な料理ではなく、安くて気軽に食べられるから、釜山の高校生などは、学校帰りや、塾へ行く途中、ちょっとおなかがすいたような時に、よく食べるそうです。ですので、慶尚道出身の人、特に男の人には、とても懐かしい料理だそうです。
でも、ソウルにはない料理なので、私は食べたことがありません。ソウルにも、似てると言えば、似た物はありますけど。
そんな豚クッパですが、新大久保の韓国料理屋では、けっこうメニューにあります。それは、

新大久保は、釜山とか慶尚道出身の人の店が圧倒的に多いからです。

メニューに豚クッパがあったら、間違いありません。メニューになくても、その可能性は高いのですけど。

日本でも、東京と大阪で、味付けが違うように、釜山の味はソウルの味とは少し違います。釜山の知り合いに「おいしい」と言われた店に行ってみても、私の口にはおいしくないことがよくあります。

新大久保は、韓国タウンというよりは、むしろ、釜山タウンと考えたほうが適当ですので、新大久保を歩く時は、リトル釜山と考えてください。

7 「おかず」は「副菜」のことです。

韓国のお店で「おかず」とあるのは、左に並ぶ、白い小さいお皿の料理のことで、、メイン料理のプルコギは、おかずではありません。新大久保で「おかず」というのは、副菜のことです。具体的には、キムチ(김치)とかナムル(나물)とかそういうものです。韓国語ではパンチャン(반찬)と言います。

辞書を引くと、パンチャン(반찬)は「おかず」と出ています。

それで、皆、おかずと言っていますが、ちょっと変な日本語ですよね。

新大久保には、『おかずお代わり自由』のお店があります。最近は、セルフサービスのお店も増えていますね。

韓国では、パンチャン(반찬)のお代わりは、基本自由です。ですので、お代わり自由だから「サービスがいい!」と感動しないでください。韓国では、それが普通です。ちゃんと料金に入っています。

でも、新大久保では「お代わり自由」は少なくなってしまいました。それどころか、「おかず(반찬)」が、はじめから有料のお店が多いですよね。メニューでキムチ500円とか見ると、びっくりします。
それが日本式だから、どの店もそうするみたいですが、私は、ちょっと気分悪いです。特に、前は無料だったのに、日本人がたくさん来るようになって、急に有料にしたお店とか、そういうお店は二度と行きたくなくなります。
最近は、はじめから日本人向けのお店が多いです。韓国人の客を相手にしていないようなお店もあります。

8 韓国では「ホットク」と言えば冬です。

ホットク(호떡)と言えば、手軽に食べられる、屋台のお菓子です。安いので、小学生や中学生などの買い食いお菓子です。もちろん大人も食べますが。
韓国では、冬になると、ホットクの屋台が出てきます。韓国では、暑い夏に熱いホットクを食べる人はいません。ですので、韓国人が、新大久保に来ると、夏でもホットクを売っているので、ちょっとびっくりします。
作り方は簡単です。誰でも作れます。ホットクの中には、黒砂糖が入ります。

はちみつと書いてあっても、はちみつは入っていません。

韓国では、甘いことを強調する時に「蜜(꿀)」と言います。例えば、「とても甘いりんご」を「蜜りんご(꿀사과)」と言ったりします。そして「とても甘いホットク」を「蜜ホットク(꿀호떡)」と言います。

日本では、直訳して「はちみつ」と言ってるだけです。

そして、テレビに出た有名店!という宣伝のあるホットク屋もありますが、どこも味は普通です。韓国人から見ると、なんでこれでテレビに出られるのか理解できません。

9 質の悪いお店を見分ける方法

新大久保には、残念ながら、お金儲けしか考えていない、質の悪いお店もあります。

日本の食堂やレストランへ行くと、セルフサービスのお店以外では、まずはじめにお水とかお茶を持ってきますよね。韓国でもそれは普通です。でも、そうではないお店が、新大久保には存在します。



「水ください」と言わないとお水を持って来ないお店があります。

先にお水やお茶を出すと、お客さんがドリンク(飲み物)を注文しなくなるから、お水は持って来ないんです。ドリンクは、利益率がとても高いですから、たくさん飲んでもらえば、楽してお金を稼ぐことができます。

もちろんお客が水を頼めばちゃんと持って来ます。でも、普通の日本人はいちいち「水をください」と言いませんよね。水がないと「水をください」と言うのも、面倒だからか、ドリンクを注文する人が多くなるということを、新大久保の韓国人が知りました。そのため、わざと水を出さないお店があります。

そして、質の悪いお店はドリンクが高いです。

ドリンクの高い店は、それだけで経営方針がわかりますよね。新大久保で、席に座って、すぐに水が出てくるか、そして、ドリンクの値段がリーズナブルか、このふたつで、お店の経営方針がだいたいわかります。

ただ、味は、食べてみないとわかりませんけど。

10 韓国語の「店長」は、「ホール長」のことです。

韓国では、どんな小さな店でも、そのオーナーは社長です。会社じゃなくても社長です。日本では、普通、オーナーが店長か料理長ですよね。

これは、お店の看板ですが、「うちの社長が作りました」と参鶏湯を宣伝しています。


社長というのは、店のオーナーです。

でも料理長ではありません。韓国料理屋では、社長は自分のお店にいつもいるわけではありません。普通は、時々顔を出す程度ですが、いつも店にいる社長もいます。料理長は、たいてい別にいます。料理長のことを、韓国語では、厨房長(주방장)と言います。そして、ホールはホール長がいます。このホール長が店長(점장)です。韓国語の店長は店の責任者ではありません。韓国の店では、オーナーの社長がいて、その下に厨房長と店長がいます。同じ店の中に、社長と店長と厨房長がいて、いっしょに働いています。小さい店だと、働く人が3人で、全員「~長」ということもあります。

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